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飛田康裕

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

飛田 康裕(とびた やすひろ、1977年 - )は、日本のインド哲学仏教学者。早稲田大学高等学院国語科教諭。

略歴

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富山県立富山中部高等学校出身。早稲田大学第一文学部卒業。岩田孝教授に師事し、同大学文学研究科(東洋哲学専攻)で修士号(文学)を取得[1]。さらに同大学文学研究科(東洋哲学専攻)で博士号(文学)を取得。インドにおけるアビダルマ仏教の思想史的展開、特に説一切有部(Sarvāstivādin)における三世実有論導入の動機について、従来の研究には見られない緻密な分析に基づく仮説を提示した[1]。近年は、部派仏教から大乗仏教、とりわけ大衆部から瑜伽行唯識学派仏教論理学派に至るまでの「自己認識(svasaṃvedana)」理論の形成と展開を研究対象としている。

論文

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  • 『識身足論』における三世實有の一理由の考察――なぜ、「觀察されるものは、存在しなければならない」か, 『東洋の思想と宗教』第23号, 早稲田大学東洋哲学会, 2006.
  • なぜ、説一切有部の四念住の修習内容は変遷したのか(1), 『論叢 アジアの文化と思想』, アジアの文化と思想の会, 2006.
  • 『識身足論』の三世実有論証における二心和合の問題が占める役割, 『印度学仏教学研究』56-1号, 日本印度学仏教学会, 2007.
  • 三世実有論証に付随してなぜ二心和合の問題が扱われるのか : 『識身足論』の帰謬論証における仮説, 『久遠. 研究論文集』第1輯, 早稲田大学佛教青年会, 2009.
  • 説一切有部における自己認識否定の発端, 『早稲田大学大学院文学研究科紀要』第55輯第1分冊, 早稲田大学大学院文学研究科, 2009.
  • アビダルマ文献に見える仏説の正しさの根拠に関する考察―――『識身足論』の三世実有論証をもとに (経典とは何か(1)仏説の意味), 『日本仏教学会年報』第76号, 日本仏教学会西部事務所, 2010.
  • 『識身足論』における論理的包摂関係をめぐる対論, 『久遠. 研究論文集』第3輯, 早稲田大学佛教青年会, 2012.
  • 説法と聞法における名称の働き, 『久遠. 研究論文集』第4輯, 早稲田大学佛教青年会, 2013.
  • 異熟因果の問題は三世実有論導入の動機となりうるか, 『早稲田大学高等学院研究年誌』第57号, 2013.
  • 大衆部における自己認識論の形成過程の考察 : 說一切有部の批判から推測されるその形成過程のモデル, 『東洋の思想と宗教』第34号, 早稲田大学東洋哲学会, 2015.
  • 『阿毘達磨大毘婆沙論』における大衆部の自己認識論を批判する第二の帰謬論証の意義, 『久遠. 研究論文集』第6輯, 早稲田大学佛教青年会, 2016.
  • 『般若心経』の秘められた意図――瑜伽行派文献における「十種散乱」を手がかりに――, 『早稲田大学高等学院研究年誌』第61号, 2017.
  • 『般若心経』の秘められた真実――瑜伽行派文献における「十種散乱」を手がかりに――, 『早稲田大学高等学院研究年誌』第62号, 2018.

脚注

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  1. ^ a b 飛田康裕『説一切有部における三世実有論の形成 -『阿毘達磨識身足論』の分析を中心に-』 早稲田大学〈博士(文学) 甲第4033号、早大学位記番号:新6445〉、2013年。hdl:2065/44412NAID 500000925361https://hdl.handle.net/2065/44412 

外部リンク

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