額角
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額角(がっかく[1]、英:Rostrum[2][注釈 1])とは、甲殻類などの節足動物で、背甲の前端中央から突き出した角のような突起である。エビ類で一般に見られる他、アミ類・端脚類・カイアシ類・貝虫類・ミジンコ類なども額角と呼ばれる構造を先頭にもつ[2]。
通常は背甲と一体化して不動の構造体だが、シャコ類とコノハエビ類の額角は背甲と関節して蝶番のように可動で[3]、額板(rostral plate)と呼ぶ[4][5]。
十脚類の場合、ゾエア幼生の額角は長い棘状に発達し、額棘(がっきょく、rostral spine)と呼ぶ[6]。十脚類成体の額角は主にエビ類で顕著に見られ、縁に鋸歯状の棘が並ぶ場合が多い[1]。
甲殻類以外では、Hymenocarina類の化石節足動物フィブラカリスに長大な額角をもつことが知られている[7]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 字通, 精選版 日本国語大辞典,普及版. “額角とは”. コトバンク. 2022年3月5日閲覧。
- ^ a b “Crustacea Glossary::Definitions”. research.nhm.org. 2022年3月5日閲覧。
- ^ Richter; Scholtz (2001-09). “Phylogenetic analysis of the Malacostraca (Crustacea)”. Journal of Zoological Systematics and Evolutionary Research 39 (3): 113–136. doi:10.1046/j.1439-0469.2001.00164.x. ISSN 0947-5745 .
- ^ 淳, 道根; 晃, 沖野 (2015-03). “日本海南西海域で採集されたスジオヒロハシャコ”. 島根県水産技術センター研究報告 = Report of Shimane Prefectural Fisheries Technology Center / 島根県水産技術センター編集委員会 編 8: 59–63 .
- ^ 広喜, 中島; 貫, 成瀬 (2020). “Pullosquilla pardus (Moosa, 1991) オオコドモヒメシャコ(新称)(軟甲綱:口脚目:ヒメシャコ科)の日本初記録”. Cancer 29: 59–63. doi:10.18988/cancer.29.0_59 .
- ^ 日本大百科全書(ニッポニカ),世界大百科事典内言及. “ゾエア幼生とは”. コトバンク. 2022年3月5日閲覧。
- ^ Izquierdo-López, Alejandro; Caron, Jean-Bernard. “A possible case of inverted lifestyle in a new bivalved arthropod from the Burgess Shale”. Royal Society Open Science 6 (11): 191350. doi:10.1098/rsos.191350. PMC 6894550. PMID 31827867 .