頭大仏殿
頭大仏殿(あたまだいぶつでん)は、北海道札幌市南区滝野2番地に所在する真駒内滝野霊園内にある、安藤忠雄設計による大仏殿[1]。大仏がドーム型の屋根の真ん中に空いた穴から頭だけ突き出して見える。霊園であるが、丘と一体化したその姿が、アートな魅力をたたえた札幌市の新名所となっている[2]。
概要
[編集]大仏は当初よりあったが、大仏殿は真駒内滝野霊園開園30周年記念事業として、安藤忠雄により設計された。外部からは、丸い丘の中央に大仏の頭だけが見える、その印象的な姿から、『頭大仏』と名付けられた。丘の中は礼拝空間となっており、外部から大仏殿へのアプローチは、日常から非日常へいざなうように、安藤忠雄のこだわりが随所にちりばめられ、やがて大仏を仰ぎ見る空間へ至る[1][3]。大仏を取り囲む丘には、一面に15万株のラベンダーが植栽される。7月中旬から下旬がラベンダーの満開期にあたる[3][4]。
園内には、頭大仏だけではなく総面積180万平方kmの壮大なランドスケープには、高さ9.5m、重さ120tの33基のモアイ像(「未来を生きる」という意味があるとされる[2])を始め、増長天像や広目天像、人頭有翼の獅子像などの石像が立ち並ぶほか、イギリスの世界遺産「ストーンヘンジ」までが再現されている[4]。
当初は、安藤ファンの間で話題となり、次第に観光客が増え、その後、海外にも知れ渡り、特に韓国とタイ人が観光バスを連ねて来るに至った[2]。
構成
[編集]水庭
[編集]結界を意味する。参道をまっすぐ進めないよう設計され、この水庭を迂回することで、水で心を清め、日常から非日常へと心を切り替えるという演出がなされる。この構成に関し、安藤は「北海道の自然は広大であり、その美しさの中に日本人が忘れてきた豊かな感性が潜んでいる。頭大仏は外からは見えないが、冬には雪が積もる。見えないことで想像力を喚起する」との説明をしている[1]。
※11月4日~4月下旬の降雪期間は、水が張られていない[1]。
トンネル
[編集]水庭の奥の大仏に至るトンネルで、天井には、コンクリートがひだのように連なった曲線の連続からなり、薄暗闇に包まれた胎内的空間を表す。トンネルを抜けて初めて、大仏を仰ぎ見ることができる[1]。
頭大仏
[編集]2016年竣工[2]。アプローチから135mの道程を経て、初めて大仏を仰ぎ見ることができる。 円形に切り取られた天空からは、自由に光と自然が入り込む[1]。高さ 13.5m 総重量 1,500t[4]。大仏殿の一角には、中国語やタイ語など、アジア各国を中心とした国々の言葉で願い事が記された「メッセージ献灯」が並ぶ[2]。
ロタンダカフェ&ストア
[編集]水庭の向かって左隣にあるカフェ。軽食やコーヒー、ケーキやソフトクリーム、オリジナルグッズなどが提供される[5]。外国人観光客の増加に伴い、休憩できる場所の設置を意図し2018年にオープン[2]。
交通アクセス
[編集]地下鉄
[編集]地下鉄南北線さっぽろ駅から真駒内駅で降車。乗車時間約18分[3]。
バス
[編集]真駒内駅バス2番乗り場から滝野霊園行きへ乗車。乗車時間約23分[3]。
開園時間
[編集]- 夏期開門時間:4月1日~9月30日 7:00~19:00
- 冬期開門時間:10月1日~3月31日 7:00~18:00
入場料
[編集]- 霊園内の入場:無料
- 駐車場:無料
- 頭大仏拝観:志納(ラベンダー維持協力金)
- ラベンダーの遊歩道(風薫る祈りの道):500円
脚注
[編集]- ^ a b c d e f “真駒内滝野霊園 頭大仏殿”. 真駒内滝野霊園公式サイト. 2021年11月17日閲覧。
- ^ a b c d e f “Travel&Discovery - 頭大仏! 安藤忠雄氏の設計で出現したアートな絶景 札幌 2019.10.16”. 2021年11月17日閲覧。
- ^ a b c d “【札幌・新名所】頭大仏とラベンダー。安藤忠雄氏の設計美で千の風を感じる「真駒内滝野霊園」”. PLAY LIFE (2018年7月27日). 2021年11月17日閲覧。
- ^ a b c “札幌「滝野霊園」は穴場の新名所!大仏がラベンダーからひょっこり”. トラベルjp. 2021年11月17日閲覧。
- ^ “おでかけさん - 霊園が観光地?頭大仏殿が人気の 真駒内滝野霊園”. 2021年11月17日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 頭大仏(真駒内滝野霊園)公式サイト
- 真駒内滝野霊園公式 (@takinoreien) - X(旧Twitter)
- 真駒内滝野霊園 ふる里霊廟 (@furusatoreibyo) - X(旧Twitter)