音響断層撮影
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音響断層撮影(おんきょうだんそうさつえい)は物体中の音波の伝播特性を元に内部構造の情報を得る技術。
原理
[編集]物質毎に密度や内部構造によって音波の伝播特性が異なる。検出器を測定対象の周囲に設置して周囲から振動を与えると各検出器で受信される遅延時間、信号強度は異なるのでそれらの情報を元に内部構造を再構成する[1][2]。
種類
[編集]海洋音響トモグラフィー
[編集]→詳細は「海洋音響トモグラフィー」を参照
音響断層撮影の一手法で海水中の音速は、温度や圧力によって決まるので海洋中の音波の伝播時間を測定して、伝播時間のデータから逆問題を解くことによって、温度場や流れ場を推定する。
超音波断層撮影
[編集]→詳細は「超音波検査」を参照
超音波を対象に照射して伝播特性を元に内部の構造の情報を取得、画像化する。
光音響断層撮影
[編集]光音響効果を利用する手法で検査対象にレーザーを照射して生じた光音響波を検出して内部構造の情報を取得する[3][4]。高いコントラストと超音波検査装置に匹敵する分解能でcmレベルの深さの断層画像が取得可能とされる[5]。
用途
[編集]- 地質調査
- 建築物等の検査
- 医療診断
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ 構造物の内部劣化を精度よく診断、東芝が開発
- ^ (PDF) コンクリート構造物を効率的に検査する 音響探傷システム
- ^ (PDF) 優れた空間分解能を有するポータブル光音響診断装置の開発
- ^ (PDF) 深部機能画像診断のための光音響画像化技術の有用性検証
- ^ 辻田和宏、|title=光音響イメージングの医療応用に向けて −光音響画像と超音波画像の融合− 日本レーザー医学会誌 2013年 33巻 4号 p.380-385, doi:10.2530/jslsm.33.380