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李在明 (政治家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
韓国のトランプから転送)
在明ジェミョン
이재명
(2022年)
生年月日 (1964-12-22) 1964年12月22日(59歳)
出生地 大韓民国の旗 韓国 慶尚北道安東郡(現安東市)礼安面道村里
出身校 中央大学校
前職 京畿道城南市長
京畿道知事
現職 国会議員
所属政党ヨルリン・ウリ党→)
大統合民主新党→)
(統合民主党→)
民主党→)
(民主統合党→)
民主党→)
新政治民主連合→)
共に民主党
配偶者 金惠京(キム・ヘギョン)
子女 2男
サイン

選挙区 仁川広域市桂陽区乙選挙区
当選回数 2回
在任期間 2022年6月2日 - 現職

第35代京畿道知事
当選回数 1回
在任期間 2018年7月1日 - 2021年10月25日

第19代京畿道城南市長
当選回数 2回
在任期間 2010年7月1日 - 2018年3月15日

在任期間 2022年8月28日 - 現職
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李在明
各種表記
ハングル 이재명
漢字 李在明
発音: イ・ジェミョン
日本語読み: り ざいめい
英語表記: Lee Jae-myung
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李 在明(イ・ジェミョン[1]韓国語: 이재명1964年12月22日 - )は、韓国政治家作家、元公民権弁護士。第21・22代韓国国会議員。共に民主党代表。

京畿道城南市の第19・20代市長2010年7月1日 - 2018年3月15日)を経て第35代京畿道知事2018年7月1日 - 2021年10月25日)を歴任した。2022年大韓民国大統領選挙における与党・共に民主党の候補者。

来歴

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生い立ち

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1964年12月22日慶尚北道安東郡(現安東市)礼安面道村里にて7人兄弟の5番目に生まれる。本貫慶州李氏[2]1976年慶尚北道安東郡三渓国民学校朝鮮語版を卒業後、京畿道城南市に引っ越し、城南市上大院洞(現城南市中院区上大院洞)の城南上大院工業団地にて就職する[3]。少年工として働きながら、1981年までの6年間において中学校と高校の卒業資格の検定考試に合格した。また、この間に労働災害による障害6級判定を受けたため兵役を免除された。1986年中央大学校修士課程法学科を卒業、司法試験合格。1989年に司法修習を修了し弁護士となる[4]

京畿道城南市を拠点に弁護士として働き、同道の利川市広州市などでも労働者の相談役として活動する。1994年には城南参与連帯(旧城南市民の会)を結成した。

城南市長・京畿道知事

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2006年5月31日、第4回全国同時地方選挙の城南市長選挙にウリ党から出馬するが落選。2008年4月9日、国会議員総選挙で城南市盆唐区甲選挙区に統合民主党から出馬するが落選。2010年6月2日、第5回全国同時地方選挙の城南市長選挙に民主党から再挑戦し、当選。第19代城南市長に就任。2014年6月4日、第6回全国同時地方選挙の城南市長選挙に新政治民主連合から出馬し再選。第20代城南市長に就任[5]

2017年大統領選挙の「共に民主党」の公認候補を選ぶ党内予備選挙に立候補したが、文在寅に敗北した。

2018年3月15日、同年6月13日の第7回全国同時地方選挙京畿道知事選挙に出馬するため城南市長を辞職。4月20日、共に民主党の京畿道知事選公認候補を選ぶ党内予備選挙で、党内の親文派(文在寅大統領に近いグループ)の代表的人物で文大統領の最側近の一人である全海澈朝鮮語: 전해철安山市常緑区甲選挙区選出の国会議員)らを破って党の公認候補に選出された。6月13日の本選では、前年の大統領選挙での文在寅の京畿道での得票(331万9812票)を上回る337万0621票(得票率56.4%)を獲得し、212万2433票・得票率35.5%にとどまった現職知事の南景弼(セヌリ党→正しい政党自由韓国党)に119万7379票・得票率20.9ポイントの大差をつけて圧勝した[6]

城南市長だった時代に保健所長、精神科専門医などに対し、実兄を強制入院させるよう指示した罪(職権乱用権利行使妨害)や2018年の統一地方選を控えて開かれたテレビ討論会などで「実兄を強制入院させようとしたことはない」という趣旨の虚偽の発言をした罪(公職選挙法上の虚偽事実公表)で起訴され、一審、二審ともに職権乱用については無罪が宣告されたが、虚偽事実公表については二審で当選無効となる罰金300万ウォン(約27万円)が言い渡された。しかし、2020年7月16日、韓国大法院は上告審判決で、一部有罪とした二審判決を破棄し、審理を水原高裁に差し戻した。これにより、李は当選無効となる危機を免れた[7]。同年10月16日、水原高裁での差し戻し審判決で無罪を言い渡された[8]

2022年3月9日に行われる次期大統領選挙の最有力候補とみなされて、共に民主党李洛淵や前検察総長の尹錫悦らとともに世論調査で上位を争った[9]

2022年大統領選挙

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2021年7月1日、次期大統領選への出馬を表明した。中道層や若年層への支持拡大を図り「公平なチャンスと公正な競争」による経済成長を訴えた[10]

同年9月4日に大田、5日に世宗で行われた共に民主党予備選において得票率54・8%を獲得し、2位の李洛淵元首相以下に大差をつけて圧勝した[11][12]。その後全国各地で行われてきた党員投票などの結果も含めた累計得票率で過半数に達したため、10月10日、上位2人による決選投票を経ることなく党公認候補に選出された[13]。予備選中、都市開発事業を巡る不正疑惑で他候補や野党、メディアから追及を受けた(詳細は後述)。

候補統一に成功した保守陣営と異なり、沈相奵候補との統一に失敗、2022年3月9日に投開票された大統領選挙では得票率47.83%にとどまり、野党統一候補である尹錫悦の48.56%に0.73%及ばず落選[14]

国会議員再補選

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2022年5月、6月1日の第8回全国同時地方選挙と同時に行われる仁川市桂陽区乙選挙区の国会議員再補選に出馬する意向を表明し、共に民主党の総括常任選挙対策委員長も務めることになった[15]。2022年5月6日、共に民主党非常対策委員会の公認を受け、最終候補者に確定した[15]。選挙期間中にソウル市長選候補の宋永吉と共に「金浦空港の機能の仁川国際空港への統合移転」を公約として打ち出したため、国民の力側と論戦を広げた[16][17]。投票の結果、対立候補を約8000票差で破り当選したが[18]、最低限の体面を保ったとしか言えず、党全体の地方選での全国的な敗北に総括選挙対策委員長の李在明が責任論から逃れないとの意見もあった[19]ものの、7月17日には共に民主党の党代表選に出馬する意向を表明し[20]、8月28日の党大会で党代表に選出された[21]

検察捜査

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李在明は第20代大統領選挙運動中にいわゆる「大庄洞ゲート」の被疑者となった。これは李が城南市長時代、民間不動産ブローカーと癒着したとするものである(市長職権を濫用して城南市に帰属すべき不動産開発利益を同ブローカーに横流した)。本件の捜査中に自殺した元城南市職員について李は知らないと発言したが、故人と李を撮影した写真が見つかった。李は選挙に不利な事実を隠そうとマスコミに虚偽答弁したとして、公職選挙法違反を疑われた。検察は李に被疑者として出頭するよう要請したが李は応じず、書面答弁書を提出した。このため検察は2022年9月8日、公職選挙法違反容疑などで李を在宅起訴した[22][23]

韓国の公職選挙法第250条の条項によると、有権者の自由な意思決定過程に歪曲がありうるという理由などで公職選挙候補者が自分が当選する目的などで言論などに虚偽事実を公表した場合、その公職選挙候補者を刑事処罰することになっており、同法により選出職公職者が選挙犯罪で裁判所で10万円以上の有罪確定判決を宣告された場合、原職の当選を無効にして公職で当然失職するよう措置し、該当犯罪事実があった選挙で、法によって選挙管理委員会で補填された寄託金があれば、所属政党が寄託金全額を選挙管理委員会に返還することになっている。

すなわち、この事案で李在明が上記選挙犯罪で100万ウォン以上の有罪確定判決を裁判所で宣告された場合、李在明は現職国会議員であるため国会議員職を失職することになり、李在明が属している共に民主党は第20代大統領選挙過程で選挙管理委員会から補填された寄託金43億4700万円全額を選挙管理委員会に返還しなければならない事態が起きる可能性があり、韓国政界の関心事になっている[24]

2023年1月10日には、城南市長時代に自身がオーナーを務めたプロサッカーチーム城南FCへ後援金を出した企業に対して許認可などの利便を図った容疑で取り調べを受けるために水原地検城南支部に出頭、野党第1党の党首が検察に出頭し取り調べを受けるという前代未聞の事態となった。当日は地検前で報道陣に対し容疑の否認と検察への不信感を訴えた[25]。2月16日、城南市長時代に大庄洞地区と慰礼新都市で進めた官民合同の都市開発事業で、側近を通じて特定の業者に便宜を図って計約8000億ウォンの利益を得させ、市側に5000億ウォン近い損害を与えたなどとして、検察が背任の容疑などで李の逮捕状を請求した[26]。捜査が進展する中で次第に李に対する世論も厳しくなっていき、23日には大統領選挙期間中に公約として訴えていた国会議員の不逮捕特権廃止について、状況が本質的に変わったとして撤回した[27]。韓国では国会議員の自由な議政活動を保障するために憲法第44条などの但し書き条項によって現行犯でない限り捜査機関で被疑者である国会議員を逮捕するためには国会の同意を得なければならず、そうでない場合は在宅起訴の状態で捜査することになっている。それによって2023年2月27日に国会で逮捕同意案の採決が行われ、賛成139票、反対138票で出席議員の過半数に達せず否決された。しかし、共に民主党は国会で過半数をはるかに超える169議席を持つため、また、共に民主党に偏向的な1人政党と民主党離党派の無所属議員まで合わせれば、国会で総議席数の60%余りの友好勢力を持っていたが、今回の逮捕同意案表決の結果、逮捕に反対する議員数が過半数に達しなかったことも足りず、賛成票がさらに1票多く、棄権と無効票を合わせると算術的に親共に民主党国会議員のうち30~40人が離脱したという意味と解釈され、求心力の低下が浮き彫りとなった[27][28][29]。3月22日、背任や収賄など5つの罪で在宅起訴された[30]。李は2023年6月19日、共に民主党代表資格で国会演説を行い、自身に与えられた国会議員として憲法上の不逮捕特権を放棄するという趣旨の発言をした[31]

2023年8月31日の党代表就任1周年の記者懇談会にて突然、尹錫悦政権の強権政治に抗議するため、国民抗争と称して無期限の断食を行うと宣言し、国会前にテントを持ち込んで座り込みを開始したが、これには自身に対する検察捜査の撹乱という思惑も指摘されている[32]。午前10時から午後10時まで国会前のテントで過ごし、残りの12時間は国会本庁にある党代表室で休息を取るという形式をとったため夜の間の動向は追えないほか、テントには健康管理のためと称して水筒や岩塩なども持ち込んでおり、従来の野党議員による断食抗議活動とは大きく異なることから与党議員からはウェルビーイング断食との皮肉も漏れた[33]。9月18日午前、健康悪化のため病院に搬送され、入院した[34][35]。同日、京畿道知事時代に元副知事を通じ大手下着メーカー・サンバンウル朝鮮語版のキム・ソンテ元会長に対し、李の訪朝費用を含む計800万ドルを北朝鮮に送金させたなどとして、検察が背任や外国為替取引法違反の疑いなどで李の逮捕状を請求した[36][37]。9月20日には最大野党代表時代にやはり断食による抗議活動を行った経験もある文在寅前大統領が別件でソウルを訪れた際に入院中の李を見舞い、断食をやめ別の手段での抗議に切り替えるよう説得した。李はこれを承諾しなかったが、断食を切り上げる大義名分が見つからない中、党内からは文の訪問が断食中止につながるか注目された[38][39]。21日、国会で逮捕同意案の採決が行われ、賛成149票、反対136票で可決された[40]。共に民主党から約30人の造反者が出たとみられる[41]。入院後も点滴を受けながら断食を継続していたが[42]、23日には医療スタッフによる強い勧告を受けた形で断食の中断を発表した[43]。9月27日未明、ソウル中央地裁は逮捕する理由と必要性がないことを理由に検察による逮捕状の請求を棄却した[44]。ソウル中央地裁で10月6日に行われた初公判に出廷し、城南市長時代の都市開発事業における不正疑惑を全面否認した[45]。12日、城南市長時代に柏峴洞の開発事業で民間業者に便宜を図り、事業から排除された城南都市開発公社に200億ウォン以上の損害を与えたとして、背任罪で在宅起訴された[46]。16日、2020年に無罪判決が確定した公職選挙法違反の裁判で、自らを有利な立場にするため、関係者に虚偽の証言をするようそそのかしたとして、偽証教唆罪で追起訴された[47]。2024年6月12日、北朝鮮への不正送金に絡む第三者供賄罪などで追起訴された[48][49]

同年11月14日、水原地裁は選挙法違反罪に問われた李の妻に罰金150万ウォンの有罪判決を言い渡した。李が出馬した2022年の大統領選挙に先立つ2021年の党予備選挙に絡み、党の有力政治家の妻らに食事を提供したことが「選挙の公正性」を害し得る不法行為に当たると判断した[50]

同年11月15日、ソウル中央地裁は2021年に李が自身の疑惑に関し虚偽の発言をしたとして公職選挙法違反の罪に問われた裁判で懲役1年、執行猶予2年の有罪判決を言い渡した[51]。同月19日、京畿道知事時代に道の法人カードで予算を私的に流用したとして業務上背任罪で在宅起訴された[52][53]。同月25日、ソウル中央地裁は李が偽証教唆の罪に問われた裁判で、「通常の証言要請と大きな違いはなく、故意があったとはみなし難い」として無罪判決を言い渡した[54]

襲撃事件

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2024年1月2日午前、釜山加徳島新空港の敷地を視察した後、記者との問答進行中に身元不明の男性から左首付近を攻撃され、血を流して倒れた[55]。病院に搬送されたが、意識はあり、命に別条はないという[56]。拘束された男は「李が大統領になるのを防ごうとした」と供述したという[57]。10日に退院し、病院前に集まった報道陣や支持者に対し「今回の事件が憎悪の政治を終わらせ、互いを尊重するまともな政治を復元する道しるべになることを願う」と述べた[58]

同年8月18日の党大会で代表に再選された[59]

年譜

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人物・主張

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  • キリスト教徒[60]
  • 既婚者。妻との間に二人の男子がいる[5]
  • 次期大統領候補に取り沙汰されていた2016年、米ブルームバーグ通信は李の過激な発言を理由に「韓国版トランプ」(" Korea's Trump ")と形容し[61][62]、以後も聯合ニュース、中国国営の新華社など国内外、右派左派論調を問わず、多くのマスメディアがそのように呼んでいる[63][64][65][66][67][68][69][70]
  • 自らを「韓国のサンダース」であると称したこともある[71]。「汝矣島(韓国の中央政界)に入ると、国民ではなく政党ばかりを見て動くようになる。米国のトランプやサンダースもアウトサイダーだが、それが国民に一番近い存在だ」と発言し、トランプやサンダースに自らを重ね、国民に寄り添う存在だとアピールした[72]
  • また、支持基盤からはかつての左派系大統領になぞらえ「戦闘型盧武鉉」と評価したり、歯に衣着せぬ既得権批判や爽快な演説を捉えて「サイダー」と称したりする[73]。他方、敵対する保守派はそのポピュリスト的・強権的姿勢を「韓国のチャベス」「韓国版ドゥテルテ」などと批判的に形容することもある[74][75]
  • 日米と中国の間であいまいな姿勢を取る「国益中心のバランス外交」を掲げている[10]
  • 社会保障ではベーシックインカムを持論としている[10]。2022年大統領選挙における党内の候補者選びにあたっても導入を掲げ、具体的には5年の任期内に19~29歳の若者1人当たり年間200万ウォン(約19万円)、それ以外の国民1人当たり年100万ウォン(約9万5000円)[76]まで増額すると主張した。23年に「若者125万ウォン、それ以外の国民25万ウォン」から始めて段階的に増額し、経済活性化のために「地域通貨」で支払う。財源は予算削減や減税の縮小、炭素税、不動産関連税などの導入で捻出するという[77][78]
  • 2021年2月にミャンマーで発生したクーデターに対しては、翌3月にヤン・ナイン・トゥン国民民主連盟(NLD)国際組織委員会韓国支部長と会談し、「ミャンマーは40年前の5月の光州」であるとの認識を示した上で「逆境を勝ち抜いた大韓民国民主主義のように民衆の意志で真の民主体制に回復されることを願う」と公言し、京畿道知事として自身が反軍政の立場であることを明確にした[79]
  • 幼い時は軍事政府の扇動に洗脳され、光州事件もただ暴動程度だと知っていたが、年をとった後自ら勉強しながら事実ではないことを知ることになったと過去自身の歴史認識について反省する姿勢を見せた。
  • 2021年11月12日、訪韓中のアメリカ上院議員、ジョン・オソフとソウル市内で会談。過去の歴史に触れ、日韓併合はアメリカが桂・タフト協定を認めたから行われたという持論を主張した[80]。本人はジョン・オソフ議員が韓国の歴史についてかなりよく知っているため、このような暗い歴史も知っておけば、真の韓米友情に役立つだろうという次元で語ったと明らかにした。
  • 2021年、北朝鮮に対して「コロナのような存在」とし「滅ぼすことができれば分からないが、滅ぼせないなら戦争より平和の道に行くのが利益だからそうしなければならない」と話した。以前も「自分は北朝鮮3大世襲嫌悪する。北朝鮮の追従者は精神病者」と特有の直説的な発言をしたことがあるが、メディアの集中を受ける主要政治家となったデュブトン馬の重みが異なるため、以前より直説的な話法が減った。結論的に北朝鮮体制は嫌いだが戦争するのではないなら、対立より和解モードに行かなければならないと主張するものと見られる[81]

対日姿勢・発言

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  • 2016年12月、報道各社のインタビューに答えて、日本について「重要な隣国」であるとしつつも、軍事面を捉えて「敵性国家」であり、日本が韓国に対して軍事的な敵性を解消していないという認識を示した[82][83]。また慰安婦問題日韓合意についても「(慰安婦)被害者の意思に反する合意は全面的に見直さなければならない」と見解を示した[84]。2017年にも自らのFacebookに「日本は敵性国家だ。軍事大国化した場合、最初の攻撃対象となるのは朝鮮半島だ」と投稿し注目を集めた[72]
  • 2018年3月1日、城南市役所で行われた第99回三・一運動記念日の式典において、「日本は植民地時代の間に私たちの民族の固有の文化を抹殺し、経済侵奪で過酷な試練を抱かせ、数多くの愛国志士を圧殺する蛮行を犯した」「それにもかかわらず日本はまだ過ちを認めていない。むしろ独島領有権を主張する妄言を日常行って、慰安婦被害おばあさんたちに一言の謝罪もしていない」と日本を糾弾し、「反省なしに容赦はない。未来に進むためには過去の過ちと責任のクリーンアップ作業が必ずなければならない」と日本政府に対して新たな措置を求めた。また「侵略国家がその対価として分割占領されることが歴史の法則だったが、残念ながら日本は分割されておらず~」として、朝鮮半島ではなく日本こそ国家が分断されるべきだったとの考えを示した[85]
  • 2019年7月、日本が半導体製造材料の輸出条件の見直しを打ち出した際には、1等賞金500万ウォンを懸けて半導体材料装備国産化アイディアについて公募を行った。この政策について右派政党・自由韓国党(当時)から「頭に思い浮かんだことを何も考えずにやる」、「ノーベル賞も公募を通じて挑戦してみてはどうか」などの批判も受けている[86]
  • 2020年10月2日、菅義偉が日本の首相に就任したことに対する失望感をフェイスブックで表明。徴用工訴訟問題に関して日本が求める「徴用判決に対する政治介入」を否定した。また、慰安婦問題も「真の和解のための謝罪とは、被害者が許し、もう十分だと言うまで心からするもの」と発言している[87]
  • 2020年11月2日、日本の東京新聞のインタビューに対し「私が日本に対して敵対的だとの見方があるが、それは違う。韓日は密接な関係にあり、互いに無視できない」として日本への敵対姿勢を否定した。一方、徴用工問題に触れ「人がつくった問題だから解決の道はあるはずだ」としつつも「ただ、韓国には三権分立の原則がある」として司法への政治介入はできないと強調した[88]
  • 2021年3月1日の三一節に際しては「親日派をあぶり出して日帝残滓を清算する」ことを宣言。「大韓民国は解放後も既得権を維持していた親日勢力の反発で、親日残滓清算の機会を失ってしまった」「その影響はいまもあり、忘れそうになると毒キノコのようによみがえる。親日残滓の妄言などもあり、彼らをまともに清算できなかった」などとこれまでの親日追及の不徹底さを厳しく糾弾した上で、具体的には「今年を京畿道の『親日清算元年』とし、歴史を正しく立て直す」「親日人士257人の行跡を知らせる親日記念案内板の設置、日帝が強制改称した地名の調査、親日残滓アーカイブの構築」「既得権のため共同体を見捨てた勢力が再び権勢を奮うことのないよう努力する。韓国で親日派が再び活動しないようにする」といった計画も披瀝した[89]。また、同月末には日本の高校の教科書に竹島が日本固有の領土であるとの主旨の記載がなされたことについて、フェイスブックで「日本がなぜ絶え間ない衰退を続けているのか彼ら自身で振り返らなければならない。日本政府が過去を否定し歴史を歪曲して自ら孤立を招いた場合、失われた10年が失われた30年になったのように、21世紀の遠くない時点で日本は後進国に転落するだろう」とも糾弾した[90]
  • 2021年5月、日本政府が福島第一原子力発電所トリチウムが含有する処理水を海洋放出する方針を固めた件について、中国広東省ベトナムホーチミン市ロシア沿海州米国ワシントン州ハワイ州カリフォルニア州オーストラリアクイーンズランド州などの太平洋沿岸12か国の25の地方政府に電子メールなどで書簡を送り、日本政府の処理水の海洋放出に共同対処することを求めた。李はこの書簡の中で日本政府の方針について「人類と自然に対する重大な犯罪で(中略)全地球的な海洋環境安全に深刻な脅威」と非難した。また経済産業大臣梶山弘志福島県知事内堀雅雄にも書簡を送り、「国際社会の懸念や怒りにもかかわらず福島汚染水放流計画に最後までこだわるなら、その責任は全面的に日本が負わなければならないだろう」との言葉を用いて、処理水放出の方針を撤回するよう求めた[91]
  • 2021年6月、東京オリンピックの公式ホームページに竹島が日本領として表記されていることに触れ、オリンピックをボイコットをすべきと主張した[92]
  • 2021年7月2日に行われた記者会見で朝鮮半島ではなく侵略国家である日本が分断されるべきであったとの以前からの持論を繰り返した上で、「許しは被害者がするもので、加害者がするものではない」と述べた[93]。また、同月には、日本は大陸進出の夢を持っており、日本が竹島(韓国名・独島)の領有権を主張するのは大陸進出を軍事的に行う際のトリップワイヤ(仕掛け線)にする意図があるためであるから、軍事的に日本への警戒を怠るべきではないとした[94]
  • 2021年11月25日、韓国で開かれた「外信記者クラブ招待討論会」で「私は礼儀正しい日本人をする」、'しかし明らかに日本には軍国主義時代を懐かしむ勢力も一部ある。私はそれを警戒する」と述べた。[95]
  • 2023年7月28日、岸田文雄首相に福島第一原子力発電所事故処理に係る「汚染水」の放出を見送ってほしいと促す書簡を送った[96]。なお、韓国政府は同月12日、処理水に含まれる放射性物質トリチウムの年間放出量は、日本より韓国の方が多いことを示す資料を公表している[97]
  • 2023年8月23日、韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は23日、党最高委会議で「日本の核汚染水海洋放出は第2の太平洋戦争と記録されるだろう」と述べた。汚染水の海洋放出は「核テロ」だとした上で、「日本は大韓民国と太平洋沿岸諸国に再び取り返しのつかない災いをもたらそうとしている」というのだ。[98]

不祥事・批判

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都市開発事業を巡る不正疑惑

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城南市長だった2015年に始めた官民合同による大庄洞の宅地開発開発事業で、特定企業が出資割合をはるかに上回る利益を得ていたことが表面化し、同企業の100%株主は李と顔見知りの元記者で、癒着の疑いや、李が事業計画段階から企業側が過大な利益を得ることを分かっていた可能性が指摘されている。検察は李側近とされる市都市開発公社の元幹部を背任と収賄容疑で3日に逮捕し、捜査を加速させている。これに対し李は「元幹部は側近ではない」と主張し、「腐敗した既得権勢力が独占していた利権を市が取り戻した事業だ」、「保守メディアと野党による『李在明殺し』だ」と反論するなど不正への関与を一貫して否定している[99][60]

またこの他にも女優との不倫疑惑や、飲酒運転の前科等を「道徳的に問題だ」と予備選中、他候補から批判された[60]

2023年までも不正疑惑関連検察捜査が続いている。これに対して本人は2023年4月11日に開かれた「韓国外新記者クラブ招待記者懇談会」で「一般人は一生1回受ける場合も多いという押収捜索を自分はすでにメディアに公表された事実だけ見ても300回以上受けている」、「それにもかかわらず、本人が不正をしたという物的証拠はない」と言い、自分を排除するために何とか傷を探そうとする政権の政治的捜査というニュアンスを強くアピールした。それと共に「このような問題は家の戦いなので、内部的に静かに解決しなければならないが、外信記者たちもみな知ってしまって残念だ」と話した。

殺人事件を起こした甥を弁護して心神喪失の減刑を主張

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2021年11月24日、李在明は、過去に自分の甥が犯した、甥の当時の恋人とその母親を、ナイフで数十回刺して殺害した殺人事件で、犯人である甥を弁護士の立場で弁護し、心身微弱による減刑を訴えたたことについて、フェイスブックを通じ「その事件の被害者と遺族の方々に、深い慰労と謝罪を申し上げる」「過去に、親戚の一人がデート暴力を犯した。その家族が弁護士を雇えるような状況ではなかったので、親族の中で唯一の弁護士だった私が、弁論を引き受けるしかなかった」と謝罪した。国民の力のイム・スンホ報道官は論評で「李知事は、ナイフで2人を刺して死亡させた自身の甥を弁護し、甥が "衝動調節能力の低下で心身微弱の状態にあった" とし、心身微弱による減刑を主張した」「しかし李知事は2018年に、自身のSNSで "キム・ソンス事件" に言及し、精神疾患の減刑に国民が怒っているとし、凶悪犯に対する厳罰を要求した」と訴え、韓国紙や世論は「李知事の凶悪犯に対する厳格な物差しは、自身の甥には適用されないのか。 それとも10年で精神疾患の減刑と凶悪犯に対する考え方が変わったのか」と批判した[100][101]

また、李は弁護の際にこの事件を「デート暴力」と表現したことに対し、遺族は李を相手に1億ウォンの賠償を求めて訴訟を起こした[102]

長男の賭博容疑と送検

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保守系のYouTubeチャンネル運営者の告発を受けて捜査した結果、京畿南部警察庁のサイバー捜査課は2022年10月26日に李の長男を水原地検に送検した。長男の容疑は2019年1月からの約3年間で韓国国外の賭博サイトで常習賭博、そしてネット掲示板などで女性蔑視セクハラに当たる文章を投稿したことである。なお、買春容疑も提起されたが、嫌疑なしとした[103]。イ・ジェミョンは、「息子の行動に失望した方々に、教えが足りない親として謝罪する。息子も自分がした行動を大きく反省し、今も苦しんでいる」と謝罪した。

脚注

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