青木志郎
齋藤雪彦『むらづくり入門』世界思想社、2022年。 青木 志郎(あおき しろう、1923年12月24日 - 2017年12月)は、日本の農村建築学者。農村計画学者。東京工業大学名誉教授[1]。日本建築学会副会長[2]、農村計画学会会長を歴任[3]。内閣農政審議会専門委員、農林水産省「豊かなむらづくり」審査委員等を歴任。
人物
[編集]長野県東筑摩郡筑摩地村(現塩尻市)出身。旧制松本中学(長野県松本深志高等学校)、旧制弘前高等学校を経て、1948年に東京工業大学を卒業[4]。同年に東京工業大学工学部建築学科の助手を務めた。1949年、東北大学農学部に新設された家政学科、のち生活科学科に講師として赴任[1]。建築計画学に生活科学の視点を組み込む農村計画学の基礎を構築[1]。その後、東京工業大学工業教員養成所助教授、1968年東京工業大学の教授に就任。学際的・社会貢献的研究と教育に貢献した[1]。1984年に退官し、日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)教授。
1980年代からは中国の伝統農村の保全や農村計画の発展に貢献。特に黄河流域の地下住居/ヤオトン研究では茶谷正洋のグループと尽力。日本の大学退職後も中国の研究に関与して天津城市建設学院名誉教授、同濟大学顧問教授として活躍。中国と日本の研究交流の礎を築く[5]。
大学での教育研究活動で、長きにわたって数多くの研究者、教育者、実践者を育成。学際的農村計画学の創造に貢献。この分野は青木らが山形県飯豊町椿地区で始めた環境点検活動がはじまりといわれ[6]、このときローレンス・ハルプリン流のワークショップが日本の地域で最初に実践され、「椿講」と名づけられる[7][8]。
「九条科学者の会」呼びかけ人[9]。「九条の会」賛同者[10]。2001年に勲三等旭日中綬章を受章。
脚注
[編集]- ^ a b c d “青木志郎先生の逝去を悼む”. www.arch.titech.ac.jp. 冬夏会 東京工業大学建築系同窓会 > 会員だより. 2024年8月10日閲覧。
- ^ 歴代会長・副会長 - 日本建築学会
- ^ 設立趣旨・役員 農村計画学会ホームページ
- ^ 平成19年新年会 出席者名簿冬夏会
- ^ 青木志郎、森下清子、小野邦雄、中村 仁、八代克彦、茶谷正洋、江崎陽一郎、 小西敏正、中沢敏彰、大野隆造、野口昌夫、cherylWENDELKEN、山畑信博. “民家集落の建築類型学的研究 “中国黄河流域の奪洞式民家考察その2"”. 住宅建築研究書報1983 (財団法人新住宅普及会) .
- ^ 齋藤雪彦『むらづくり入門』世界思想社、2022年。ISBN 4790717658。
- ^ 山崎亮『縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望』PHP研究所〈PHP新書〉、2016年。ISBN 4569827373。
- ^ 地域に火をともす「農村着火型プランナー」 モデルは「山形方式」
- ^ 「九条科学者の会」呼びかけ人
- ^ 「九条の会」賛同者名簿
参考文献
[編集]- 「長野県人名鑑」信濃毎日新聞社 1974年
- 農村計画論(青木士郎編著 青木士郎先生退官記念出版、農山漁村文化協会(1984年)
- 糸長浩司 名誉会員・青木志郎先生の逝去を悼む(名誉会員 追悼)『建築雑誌』1710、2018年4月号