青チョークの男
表示
『青チョークの男』(あおちょーくのおとこ、L'Homme aux cercles bleus)はフランスの小説家・考古学者であるフレッド・ヴァルガス(Fred Vargas、1957年6月7日 - )により執筆された推理小説。アダムスベルグ警視シリーズの第一巻にあたる。
あらすじ
[編集]- 青チョークで描かれた円の中には物がある。さらに、そのまわりに書かれている不可解な言葉。『ヴィクトール、悪運の道、夜の道』。
- やがて円の中には首を切り裂かれた遺体があらわれる。パリでおこる、連続殺人。
- 犯人は、円を描いた『青チョークの男』か? それとも、『青チョークの男』の描く円を使用した、第三者による殺人なのか?
- パリ五区の警察署長、ジャン=バチスト・アダムスベルグが事件の解明へと動いていく。
登場人物
[編集]- ジャン=バチスト・アダムスベルグ
- 本編の主人公。パリ五区の警察署長に任命される。
- 美形と言う訳ではないが、人を惹き付ける魅力を持つ。
- 本編の中では、『浅黒くがっしりした小男』と述べられている。
- アドリアン・ダングラール
- 刑事。『現実味』がある人間。
- 好物は白ワイン。
- 六人の子供を持つ。
- アダムスベルグを尊敬している。
- マチルド・フォレスチェ
- 海洋学者。美しい女性。
- シャルル・レイエール
- ライオンの解剖中、腐敗の毒が目に入り失明した。
- マチルド・フォレスチェのアパルトマン、二階の『海の天使』に入居する。
- クレマンス・ヴァルモン
- 老婦人。
- マチルド・フォレスチェのアパルトマン、四階の『棘魚(とげうお)』に入居する。
- マドレーヌ・シャトラン
- 事件の一人目の被害者。女性。
- ジェラール・ポンチュウ
- 事件の二人目の被害者。医者。
- 三人の被害者のうち、唯一男性の被害者。
- 前科無し。
- ディルフィーヌ・ル・ネルモー
- 事件の三人目の被害者。女性。
- オーギュスタン=ルイ・ル・ネルモーの妻。
- オーギュスタン=ルイ・ル・ネルモー
- ビンザンチン学者。アカデミー会員候補として、有名になる。
- ディルフィーヌ・ル・ネルモーの夫。
- 青チョークの男
- パリの夜道に、青チョークで描く、直径二メートルほどの円を残していく男。
- 円のまわりには、『ヴィクトール、悪運の道、夜の道』と言う言葉が書かれている。
- 円の中には、ガラクタのような物が必ず存在する。
- ある日を境に、円の中身のガラクタが、首をかき切られた死体へと変わっていく。
- 遺体は、後頭部を殴られた後、中くらいの刃物で喉をかき切られている。
- レアル・ルヴネル
- マチルドの友だちの哲学者。
- コンチ
- 写真担当。
- カメラの七つ道具を兵隊のように肩からかけている。
関連商品
[編集]- アダムスベルグ警視シリーズ『青チョークの男』 (訳:田中千春、創元推理文庫、2006年3月、ISBN 978-4-488-23603-8) (L'Homme aux cercles bleus (1991))
- アダムスベルグ警視シリーズ『裏返しの男』(訳:田中千春、創元推理文庫、2012年1月、ISBN 978-4-488-23605-2)(L'Homme à l'envers (1999))
参考文献
[編集]- フレッド・ヴァルガス『青チョークの男』(創元推理文庫、2006年3月24日 初版) 訳者あとがき(田中千春)