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帳票

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
電子帳票システムから転送)

帳票(ちょうひょう、帳表: business forms)は、帳簿伝票などの総称であり、記入するための空欄を設けた事務用紙をいう[1]。金銭や物品、役務(サービス)の取引や出入りを記録した、帳簿や伝票などの定型的な書類の総称と定義される[2]

情報技術の進展により、今日では紙以外の媒体も使用されるが、罫線といった見かけやページに基づく操作性など、紙に準じるものが想定されている。近年はユニバーサルコミュニケーションデザイン[注釈 1]として、ユーザビリティ視点が提起されている。

概要

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語源について、「帳簿」と「伝票」に由来する説明もある[3][注釈 2]。しかし実務においては、帳表とも表記される集計・管理レポート、顧客向けに送付される通知や連絡(コミュニケーション)、記入フォームなど、これ以外を指す意図でも使用されている。また一式の文書全体ではなく、これを構成する各々の書式(フォーム)を指すこともある[注釈 3]ため、注意が必要である。

今日では電子的な代替手段も存在するが、紙媒体が強く意識されている点が特徴である。また主として製作側で使用され、受取側では書類や資料として認識されていることが一般的である。

分類

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用途による分類

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一式としての書類を構成する意味での帳票については、さらに用途によって次のように分類することができる。

  • 管理/記録帳表[注釈 4]
  • 記入帳票
  • 通知/連絡帳票
  • 資料/説明帳票

また想定するターゲットによって、次のように分類することができる

  • 社内(組織内)、あるいはこれに準じる代理店等の社外関係組織
  • 社外(組織外) - 多くは顧客向け

それぞれの概要や例を次に示す。

管理/記録帳票(帳表) 記入帳票 通知/連絡帳票 資料/説明帳票
概要 データ、情報の可視化と確認のために使用される、古典的な帳票(帳表)

規制に準拠する記録として出力を保存

指示や説明が記載された書式上の記入欄に各種情報を記入

署名捺印による契約の発効、各種プロセスの開始

システムへのデータソースともなる

告知や連絡、情報提供により、理解やアクションを促す 理解を得るための商品特徴や制限の説明を行う

規制等に基づく注意事項等の提示やサービス内容の明示

各種一覧表

取引明細、入出庫明細

財務諸表、仕訳記録

申込書

契約書

同意書

利用明細、運用報告

保険証券、総合通知

納税通知、課税証明書

商品説明、チラシ

重要事項説明書

約款

ターゲット 社内(組織内)

準じる関係組織(代理店等)

顧客/見込み客や市民等の社外(組織外)
表示内容(例) データと見出し 記入を助けるガイド、データ

説明または契約内容を示す文書

説明文書、図

データ、データを可視化するグラフ

説明文書、図
使用方法 単体、あるいは複数の出力を目視 しばしば資料/説明帳票、時には通知/連絡帳票と組み合わせた一式の書類として使用される しばしば複数の通知連絡帳票を資料/説明帳票と組み合わせた一式の書類として使用される しばしば記入帳票や通知/連絡帳票を補完するために使用される
作成/生成 フォームベースの帳票ツールやレポートライターア、あるいはパッケージソフトウェアが備えるフォーム/レポート機能が使用される

過去のプログラム資産とオーバーレイツールの併用も行われている

Illustratorなどのグラフィックソフトウェアの他、ExcelWordなどのオフィスソフトウェアが使用されることもあるが、多くの項目をページ上に詰め込むレイアウトでは、専用に近いツールが適している場合もある

またOCRを前提として、OCRソフトウェアに付属するソフトウェアが使用される場合もある

フォームベースの帳票ツールが使用されることが多いが、CCMが対象とする領域でもある ExcelWordなどのオフィスソフトウェアが、原案を示すために使用され、Adobe Illustratorなどのグラフィックソフトウェア、Adobe InDesignなどの組版ソフトウェアが使用されることが多い
展開 PDF、TIFF等の形式で保存/保管する場合もある

電子帳票ツールを使用して、印刷を廃する方向も見られる

Excel形式など、データとして提供することで代替することも可能

タブレットアプリケーションなどで補完、代替する方向に向かっている Web、モバイル、Eメール、SNS等のクロスチャネルで提供する方向に向かっている ダウンロードや参照が可能な資料としてインターネットからのアクセスを提供し、印刷を削減する方向が見られる

タイミング/サイクルによる分類

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帳票を発行するタイミングやサイクルによって、大きく次のように分類される。

  • 定期(バッチ)
  • オンデマンド(都度、アドホック)
  • インタラクティブ
  • 一括、不定期
定期 オンデマンド(都度必要時、アドホック) インタラクティブ 一括、不定期
日/週/月/年など一定のサイクルで定期的に自動発行

バッチ帳表とも称される

出力量(ページ数)はさまざまだが、大量であることも一般的

必要なタイミングに、手動または自動で所定の内容を発行

オンライン帳票と称される場合もある

必要なタイミングでデータ等を組み込んだ初期状態を生成し、手動で編集・調整し、最終的な内容を発行

CCMの対象領域であるが、Word等を使った手作業に頼り、システム化の対象とされていないことが少なくない

最初に一定部数を印刷、発行し、在庫として保管

在庫が少なくなった際に、追加発行

使用する事業所等に配布、補充する場合もある

生成結果を待つ同期処理は、これを次のアクションで使用する場合に選択される

比較的少ない出力量(ページ数)を前提とすることが一般的

生成結果を待たない非同期処理は、しばしば比較的出力量が多い場合に選択される

デマンドバッチとも称される

ツール、ソフトウェア

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非常に多くのツールが存在しているため、一部のみを例示する。

フォーム系 レポートライター系 CCM系 バリアブル印刷系 オーバーレイ系 グラフィックス、組版、OCR系
データに対するフィールドを定義し、ページレイアウト上に配置する 主としてデータベースのデータをレイアウト上に配置する

顧客向け帳票に特化し、パーソナライゼーションやマルチチャネル対応などの高機能を備える

主として印刷会社で使用される 何らかのアプリケーションプログラムで印刷ストリーム(スプール)が生成されることを前提として、印刷時に罫線等を重ねて表示(オーバーレイ)することで、視認性を向上することを意図する 記入帳票や資料/説明帳票のような、アナログ印刷が適用できる固定レイアウトと内容の帳票で使用される
SVF

imageWARE Form Manager

Interstage List Creator

Finereport

OpenText Information Hub / BIRT

Crystal Reports

SQL Server Reporting Services (SSRS)

JasperReports

OpenText Exstream バリアブル印刷 ソフトウェア SVF for Mainframe Adobe Illustrator

Adobe InDesign

iPRO-DBS

TeleForm

ScanConnect

関連項目

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外部リンク

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注釈

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  1. ^ UCDAが提唱している概念
  2. ^ 出典や根拠は示されていない。また帳票という語自身は会計用語ではないため[要出典]、筆者による想像とも推定される。
  3. ^ 過去アナログ印刷では、個々のレイアウト/ページデザイン毎に「版」を製作していたことに由来したと推定される。今日のデジタル印刷では無版が特徴であり、印刷での制約はないが、文書全体ではなくページレベルのフォームデザインしかできない帳票ツールが少なくないことが、こうした意識が残る背景となっている
  4. ^ 帳表と表記される対象は、このケースを指すことがほとんどである

脚注

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  1. ^ 『日本国語大辞典 精選版』2006年、小学館
  2. ^ IT用語辞典 e-Words 帳票” (2019年7月4日). 2021年3月10日閲覧。
  3. ^ いまさら聞けない、日本の“帳票”入門--誰もが1度は見たことがある「帳票」のはじめて物語”. @IT (2008年3月6日). 2021年3月10日閲覧。