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克灰袋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
降灰袋から転送)
克灰袋

克灰袋(こくはいぶくろ)は、活火山である桜島噴火によって宅地内に飛来した火山灰を回収するために鹿児島県鹿児島市が各家庭に配布しているゴミ袋である[1]。桜島周辺の垂水市では同様の袋を「降灰袋」[2]霧島市では「集灰袋」として配布している[3]

鹿児島市では1985年(昭和60年)に「降灰袋」として導入[4]。「克灰袋」の名称は1991年(平成3年)より使用されており、由来について鹿児島市は「降灰に強い快適な都市を目指す、積極的に降服しようという意欲を示すためです。」と回答している[5][4]

配布と回収

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桜島の噴火によって大量の火山灰が周辺都市へ飛来する

活動火山対策特別措置法(昭和48年法律第61号)第22条の以下の規定に基づき、火山の爆発に伴い政令で定める大量の降灰[注釈 1]があった市町村が対象となる降灰除去事業の一環として宅地内の降灰を市町村長が指定した場所に集積するために配布が行われている[6][5]

第二十二条 国は、火山の爆発に伴い、年間を通じて、政令で定める程度に達する多量の降灰があつた道路で政令で定めるもの又は政令で定める程度に達する多量の降灰があつた市町村の区域内の下水道、都市排水路若しくは公園で政令で定めるもの若しくは宅地に係る降灰(宅地に係る降灰にあつては、市町村長が指定した場所に集積されたものに限る。)について、市町村が行う当該降灰の除去事業(国がその費用の一部を負担し、又は補助する災害復旧事業として行われるものを除く。)に要する費用については、政令で定めるところにより、その三分の二以内を補助することができる。

袋は1985年(昭和60年)年度より配布が行われている[5]。当初の名称は「降灰袋」であり、「降灰袋・鹿児島市章・鹿児島市」と印刷された降灰袋が町内会を通じて一般家庭へ配布された[7]1991年(平成3年)からは「克灰袋」という名称が使用されている[5]。鹿児島市から無料で配布(非売品)されており[8]、鹿児島市役所本庁や支所、地域福祉館などには常備されている[9]2013年(平成25年)には約370万枚が配布された[10]

袋には最大20キログラムの火山灰が入るようになっているが、宅地内降灰指定置場へ運搬の必要があることから12キログラムぐらいが適当であるとしている[11]。各家庭で収集された灰は克灰袋に入れられて鹿児島市の各地(吉田松元郡山谷山地域の一部を除く)の6,500箇所に設置されている「宅地内降灰指定置場」へ集積され[12][13]、鹿児島市から委託を受けた業者によって宅地内降灰指定置場から回収される[14][15]。回収された克灰袋は埋め立て処分されており、2011年(平成23年)には市街地区で約5,900立方メートル、桜島地区では約1,050立方メートルが処分された[16]

派生

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克灰袋をモチーフにしたトートバッグ、きんちゃくなどが販売されている[4][17]2022年(令和4年)8月1日には克灰袋の配布元である鹿児島市がGMOペパボのオリジナルグッズ販売サイトである「SUZURI by GMOペパボ」において公式アカウントを作成し、克灰袋をモチーフにしたTシャツなどの販売を開始した[18]

脚注

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注釈

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  1. ^ 大量の降灰の定義としては活動火山対策特別措置法施行令(昭和53年政令第274号)第二条「法第二十二条第一項の政令で定める程度は、二回以上降灰がある場合(連続する二月の期間において毎月一回以上降灰がある場合に限る。)において、国土交通大臣が定めるところにより測定した量が一平方メートル当たり千グラム以上であることとする。」として定められている

出典

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  1. ^ 克灰袋の提供”. 鹿児島市 (2020年12月15日). 2022年6月10日閲覧。
  2. ^ 広報たるみず”. p. 19 (2014年1月1日). 2022年6月10日閲覧。
  3. ^ 集灰袋の配布”. 霧島市. 2022年6月10日閲覧。
  4. ^ a b c 一番人気は「克灰袋」デザインのバッグ リアルなドカ灰が”広報支援” 桜島グッズの人気急上昇〈鹿児島国体〉、南日本新聞、2023年10月14日(2023年9月21日閲覧)
  5. ^ a b c d 長澤まき (2017年6月15日). “鹿児島市の灰専用ゴミ袋「克灰袋」が話題に!ネーミングの由来を聞いた”. IRORIO. マッシュメディア. 2017年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  6. ^ 降灰除去事業”. 国土交通省. 2022年6月11日閲覧。
  7. ^ かごしま市民のひろば”. 鹿児島市 (1985年4月1日). 2022年6月11日閲覧。
  8. ^ 火山防災トップシティ 鹿児島市の桜島火山防災対策”. 鹿児島市. p. 3. 2022年6月11日閲覧。
  9. ^ 克灰袋(こくはいぶくろ)・降灰袋がほしいのですが、どこでもらえますか。”. 鹿児島市. 2022年6月11日閲覧。
  10. ^ 南日本新聞 2015, p. 882.
  11. ^ 鹿児島市に聞く降灰の影響と対策Q&A”. 新建新聞社 (2016年7月13日). 2022年6月11日閲覧。
  12. ^ 宅地内の掃除をして、桜島の降灰が出て処分をしたいのですが、どうすればいいですか?”. 鹿児島市. 2022年6月11日閲覧。
  13. ^ 南日本新聞 2015, p. 881.
  14. ^ 火山灰が首都圏に!そのとき何が起きるのか? 徹底検証 富士山噴火(4)”. 日本放送協会 (2021年10月21日). 2022年6月11日閲覧。
  15. ^ 火山灰の処理について”. ⼤規模噴⽕時の広域降灰対策検討ワーキンググループ. p. 5. 2022年6月10日閲覧。
  16. ^ 火山灰とともに暮らす”. 建設コンサルタンツ協会. 2022年6月11日閲覧。
  17. ^ 【鹿児島の新定番 特集】鹿児島ならではの黄色い「あの袋」がかわいいグッズに”. 南日本出版 (2021年8月30日). 2022年6月11日閲覧。
  18. ^ このデザインに「!」ときたあなたはカゴシマ通 市のオンラインショップで販売”. 南日本新聞 (2022年8月2日). 2022年8月2日閲覧。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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