阿里山森林鉄路の蒸気機関車
阿里山森林鉄路の蒸気機関車(ありさんしんりんてつろのじょうききかんしゃ)では阿里山森林鉄路の蒸気機関車について述べる。
概要
[編集]1907年、阿里山森林鉄路の建設時にアメリカ合衆国のライマ機関車製造製13トン蒸気機関車(以下SLと略す)が1両輸入された。 このSLは一般的なSLと異なり、直立したシリンダーと傘歯車(ベベルギヤー)を使用し、ボギー台車を持った山岳用の特殊な設計である。 阿里山への開通後に続々とライマ社製の8両の18トンSLと12両の28トンSLが輸入された。 これらは全てシェイ式と呼ばれる直立シリンダーと傘歯車を持つSLである。ライマ社の分類では、18トンの2シリンダーSLがクラスA、28トンの3シリンダーSLがクラスBと呼ばれる大きさで、軌間は762mmである。 平坦区間(嘉義 - 竹崎)用である、川崎造船所兵庫工場(日本)製の1両のSLとバークレー(イギリス)製の2両のSL以外は全てライマ社製シェイ式蒸気機関であった。 18tシェイは2シリンダーで嘉義 - 竹崎間及び阿里山より先の林場線などで使われていた。28tシェイは阿里山線の主力機として使われていた。 阿里山のシェイはキャブ(運転室)の屋根上に大きなモニタが有るのが特徴である。
蒸気機関車データ
[編集]製造国と 製作会社 |
型式 | 製造年 | 使用開始年 | 車番 | 現況 | 存在箇所 | 備考 |
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米国LIMA | 18t SHAY型 (2シリンダー) |
1911 | 1912 | SL-12 | 静態保存 | 阿里山駅 | |
SL-13 | 静態保存 | 台北市中影文化城前 |
1977年に中国電影公司へ贈与 | ||||
SL-14 | 保存 | オーストラリアパッフィンビリー鉄道車庫内 | 1972年 オーストラリアに輸送 | ||||
SL-15 | 廃車 | 北門の大火災により焼損 | |||||
SL-16 | 静態保存 | 花蓮県池南森林遊楽区 | 1980年 花蓮行き | ||||
1912 | SL-17 | 静態保存 | 沼平駅 | ||||
1913 | SL-18 | 修理運休中 | 奮起湖車庫 | ||||
SL-19 | 未知 | 未知 | もともと香港にいた | ||||
28t SHAY型 (3シリンダー) |
SL-21 | 静態保存 | 嘉義市中山公園内 | 1975年移動 嘉義県政府 | |||
SL-22 | 静態保存 | 集集鎮 | 78年移動 三軍大学に献上 | ||||
1912 | SL-23 | 静態保存 | 阿里山駅 | ||||
SL-24 | 静態保存 | 沼平駅 | |||||
1913 | 1914 | SL-25 | 動態保存 | 嘉義車庫 | 軽油仕様(1995) | ||
SL-26 | 動態保存 | 嘉義車庫 | |||||
SL-28 | 静態保存 | 苗栗鉄道文物展示館 | |||||
SL-29 | 保管中 | 奮起湖車庫 | |||||
1915 | 1916 | SL-31 | 動態保存 | 嘉義車庫 | 軽油仕様(1993) | ||
SL-32 | 静態保存 | 竹崎親水公園 | 1999年竹崎 郷役場借用 |
関連商品
[編集]旧外地で近年まで活躍していた事もあって、阿里山のシェイは日本国内で人気が高い。 それを反映して鉄道模型として幾度も製品化された。
1/80ゲージ9mmで、鉄道模型社から18tシェイのバラキット、カツミからは18tシェイの塗装済み完成品が発売されていた。なお、カツミは16.5mmバージョンも作っていた。 Oスケール1/45ゲージ16.5mmで鉄道模型社から28tシェイのキット及び完成品、18tシェイの完成品が発売されていた。 アスターホビーからは45mmゲージで28tシェイのライブスチームが発売されていた。
ギャラリー
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嘉義市嘉義公園に保存されている28トンSHAY 21号機
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集集鎮に保存されている28トンSHAY 22号機
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阿里山駅に保存されている28トンSHAY 23号機
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沼平駅に保存されている28トンSHAY 24号機
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奮起湖に保存されている28トンSHAY 29号機
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檜木車両を牽引する31号機(沼平駅)
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31号機正面
外部リンク
[編集]- 阿里山森林鉄道18tシェイ式蒸気機関車 - YouTube 1976年・シェイが現役当時の動画(2分45秒)