地方整備局
地方整備局(ちほうせいびきょく、英語表記:Regional Development Bureau,または Regional Bureau)とは、国土交通省の地方支分部局のひとつ。直轄の道路、河川、ダム、砂防、港湾の整備および維持管理、空港基本施設の整備のほか、建設業や不動産業(宅地建物取引業)の許認可に関する業務や指導監督業務、建設関連の資格の取得に関わる行政機能などを所管している。
概要
[編集]全国を東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州の8地方整備局が管轄している。なお、北海道においては同省北海道開発局(農業土木も所管)、沖縄県においては、内閣府沖縄総合事務局開発建設部が所管している。
2001年(平成13年)1月、中央省庁再編にともない、運輸省(第一 - 第五港湾建設局)と建設省(東北、関東ほか計8地方建設局)の統合により、名称が港湾建設局・地方建設局から地方整備局に改編された。管轄区域は旧地方建設局とほとんど変わらない構成になっている。港湾空港部は管轄区域が微妙に異なる場合が見られ、北陸と四国を除いて本局所在地とは異なる所在地にある(平成18年、九州の港湾空港部本局は下関市から福岡市に移転、同一所在地となった)。各地方に設置されている国の各官庁の建築物の営繕(保守・管理)関連のほか、国土交通省直轄の道路・河川・ダム・砂防・港湾・住宅・下水道など社会資本(都市計画)関連の発注、技術管理、ネットワークの運用など、管轄地方の社会資本整備関連の行政においては、予算をどの工事に割り振るかを決定するいわゆる「箇所付」などの大きな権限を持っており、局予算規模は中規模都道府県の年間予算額に匹敵するという、巨大組織である。
旧建設省地方建設局時代は「地建(ちけん)」、旧運輸省港湾建設局時代は「港建(こうけん)」の略称があった。
組織
[編集]組織の部は全地方整備局共通である。
幹部
[編集]- 局長
- 副局長2人(北陸は1人、四国を除く。)
- 次長(北陸(1人)・四国(2人)に限る。)
- 主任監査官
- 入札契約監査官
- 監査官(2人。うち1人は充て職。)
- 広報広聴対策官
- 適正業務管理官
- 統括防災官
- 総括防災調整官
- 防災管理官
- 防災情報調整官(四国を除く。)
- 災害査定官(地方整備局を通じ16人以内。充て職。)
- 防災室
- 災害対策マネジメント室
- 建設専門官(地方整備局を通じて1717人以内。各部・事務所に設置。)
- 統括建設管理官(地方整備局を通じて3人。各部・事務所に設置。)
- 先任建設管理官(地方整備局を通じて93人以内。各部・事務所に設置。)
- 営繕技術専門官(地方整備局を通じて47人以内。各部・事務所に設置。)
- 保全指導・監督官(地方整備局を通じて62人以内。各部・事務所に設置。)
- 用地官(地方整備局を通じて23人以内。各部・事務所に設置。)
総務部
[編集]主に各地整の内部調整を所管。なお、中部・近畿・九州の総務部長は副局長の充て職、四国の総務部長は次長の充て職となっている。
- 総括調整官(2人)
- 調査官(近畿は2人)
- 人事計画官
- 人事企画官
- 予算調整官
- 契約管理官(2人)
- 財産管理官(関東に限る。)
- 福利厚生官
- 人事課
- 総務課
- 会計課
- 契約課
- 経理調達課
- 厚生課
企画部
[編集]地整管轄区域のプロジェクトの計画・推進はもちろん都市景観・都市空間の創出、研究開発、広報戦略、情報管理・処理、災害対策、機械の施工企画など、多岐にわたり所管。
- 企画調整官(北陸・近畿・四国を除く。)
- 企画調査官(北陸・近畿・四国に限る。)
- 技術企画官
- 環境調整官
- 技術調整管理官
- 技術開発調整官
- 事業調整官(東北を除く。)
- 工事品質調整官(東北・四国を除く。)
- 震災対策調整官(東北に限る。)
- 震災伝承推進官(東北に限る。)
- 総括技術検査官
- 技術検査官(地方整備局を通じ70人以内。うち37人は充て職。一局あたり10人以内。)
- 建設情報・施工高度化技術調整官
- 電気情報技術高度化調整官(関東に限る。)
- 企画課
- 広域計画課
- 技術管理課
- 技術調査課(関東・近畿に限る。)
- 施工企画課
- 情報通信技術課
建政部
[編集]国土交通省発足で新設した部署。主に建設業等の許可・登録、都市計画・整備、住宅事業を所管。
- 事業認定調整官(北陸・四国を除く。)
- 建設産業調整官
- 建設業適正契約推進官
- 不動産業適正化推進官
- 土地市場監視官(関東・中部・九州に限る。)
- 都市調整官
- 公園調整官(関東・中部・近畿、九州に限る。)
- 住宅調整官
- 計画・建設産業課(北陸・四国に限る。)
- 計画管理課(北陸・四国を除く。)
- 建設産業課(東北・中部・中国・九州に限る。)
- 建設産業第一課(関東・近畿に限る。)
- 建設産業第二課(関東・近畿に限る。)
- 都市・住宅整備課(東北・北陸・中国・四国に限る。)
- 都市整備課(関東・中部・近畿・九州に限る。)
- 住宅整備課(関東・中部・近畿・九州に限る。)
- 建築安全課(関東・近畿に限る。)
- 公園利活用推進センター(関東に限る。)
河川部
[編集]地整管轄区域の直轄河川の整備・管理の他、河川計画、河川整備・管理事業(河川、ダム、海岸)を所管。
- 河川調査官
- 水政調整官
- 地域河川調整官
- 総合土砂管理官(関東・中部に限る)
- 河川情報管理官
- 低潮線保全官(関東・九州に限る。)
- 河川保全管理官(北陸・四国を除く。)
- 広域水管理官
- 河川保全専門官(2人以内。うち1人は充て職。)
- 水災害対策専門官
- 上下水道調整官
- 水政課
- 河川計画課
- 地域河川課
- 河川環境課(北陸・四国を除く。)
- 河川工事課
- 河川管理課
- 水災害予報センター
- 水災害対策センター(関東・北陸・中部・中国に限る。)
道路部
[編集]地整管轄の国道整備のほか、管轄区域自治体との幹線道路網整備も所管。
- 道路企画官(関東・近畿に限る。)
- 道路調査官(関東・近畿を除く。)
- 路政調整官
- 交通拠点調整官(関東に限る。)
- 地域道路調整官
- 特定道路工事対策官(北陸・四国・九州を除く。)
- 道路情報管理官
- 道路保全企画官
- 高規格道路管制官(関東・北陸・四国を除く。)
- 道路構造保全官(地方整備局を通じて62人以内。うち46人は充て職。一局あたり17人以内。)
- 路政課
- 道路計画課(北陸・中部・中国・四国に限る。)
- 道路計画第一課(東北・関東・近畿・九州に限る。)
- 道路計画第二課(東北・関東・近畿・九州に限る。)
- 地域道路課
- 計画調整課(関東・中部・近畿に限る。)
- 道路工事課
- 道路管理課
- 交通対策課
港湾空港部
[編集]旧運輸省の各港湾建設局の事業を踏襲。管轄区域の直轄港湾・空港基本施設の整備事業(航空保安施設の整備と空港の維持管理、運営は地方航空局および空港管理者が所管)を所管。
- 港湾空港企画官
- 計画企画官
- 事業計画官
- 技術審査官
- 港湾危機管理官
- 統括港湾保安管理官(関東・北陸・近畿・九州に限る。)
- 港湾保安管理官(地方整備局を通じ16人。充て職)
- 事業継続計画官(関東・中部・近畿・九州に限る。)
- 港湾情報化推進官
- 港湾高度利用調整官
- 港政調整官
- 広域港湾管理官(九州に限る。)
- 品質検査官
- 東京国際空港対策官(関東に限る。)
- 補償管理官(関東・近畿に限る。)
- 土砂処分管理官(北陸・中部・近畿・九州に限る。)
- 港政課
- 港湾管理課
- 港湾計画課
- 港湾事業企画課
- 港湾空港整備・補償課(関東・九州を除く。)
- 港湾整備・補償課(関東・九州に限る。)
- 空港整備課(関東・九州に限る。)
- 海洋環境・技術課
- 港湾空港防災・危機管理課
- 特定離島港湾計画課(関東に限る。)
- クルーズ振興・港湾物流企画室
- 工事安全推進室
- 品質確保室
- 首都圏臨海防災センター(関東に限る。)
- 近畿圏臨海防災センター(近畿に限る。)
営繕部
[編集]地整管轄の新築、改修等の営繕工事、官庁施設に関する保全指導などを所管。
- 営繕特別事業管理官(関東に限る。)
- 営繕調査官
- 営繕調整官(関東に限る。)
- 営繕品質管理官(北陸・四国を除く。)
- 設備技術対策官(北陸・四国を除く。)
- 官庁施設管理官
- 官庁施設防災対策官
- 営繕設計審査官(2人以内。関東は4人以内、四国は1人。)
- 計画課
- 調整課(北陸・四国を除く。)
- 整備課
- 営繕技術管理課(関東に限る。)
- 技術・評価課
- 保全指導・監督室
用地部
[編集]河川、道路事業など関してとりわけ重要となる用地買収・補償などを所管。
- 用地調整官
- 用地調査官
- 用地計画官
- 用地補償・土地調整管理官
- 用地企画課
- 用地補償課
- 用地対策課
事務所
[編集]河川(水系管理〈調査・整備・管理〉、ダム〈調査、工事、管理〉、砂防)、国道、港湾空港、技術〈建設・港湾〉、官庁営繕、国営公園等の各事務所は地方整備局の下部組織となる。
- 契約事務管理官(河川国道事務所等を通じて72人以内。)
- 用地対策官(河川国道事務所等を通じて75人以内。)
- 工事品質管理官(河川国道事務所等を通じて61人以内。)
- 事業対策官(河川国道事務所等を通じて121人以内。)
- 総括地域防災調整官(河川国道事務所等を通じて17人以内。)
- 地域防災調整官(河川国道事務所等を通じて46人以内。)
- 総括保全対策官(河川国道事務所等を通じて46人以内。)
- 電気情報技術調整官(河川国道事務所等を通じて7人以内。)
- 保全対策官(河川国道事務所等を通じて173人以内。)
- 占用調整管理官(河川国道事務所等を通じて59人以内。)
- 技術開発対策官(技術事務所を通じて2人以内。)
- 構造物維持管理官(技術事務所を通じて2人以内。)
- 雪害対策官(技術事務所を通じて1人。)
- 地震津波対策官(技術事務所を通じて1人。)
- 総括技術情報管理官(技術事務所を通じて8人以内。)
- 技術情報管理官(技術事務所を通じて16人以内。)
- 契約調整官(港湾事務所等を通じて4人以内)
- 補償調整官(港湾事務所等を通じて45人以内。)
- 沿岸防災対策官(港湾事務所等を通じて39人以内。)
- 海洋利用調整官(港湾事務所等を通じて6人以内。)
- 建設監督官(所要の河川国道事務所に設置。)
- 出張所(通常、事務所の下部組織となる。主に、工事の監督、河川・道路の管理(維持や許認可の窓口)を実施)
地方整備局の一覧
[編集]地方整備局名 | 管轄地域 | 本局所在地 | 備考 |
---|---|---|---|
東北地方整備局 | 青森県、岩手県、宮城県、 秋田県、山形県、福島県 |
宮城県仙台市青葉区本町三丁目3-1 仙台合同庁舎B棟 |
荒川・阿賀野川水系を除く 勿来バイパスを含む |
関東地方整備局 | 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、 東京都、神奈川県、山梨県、長野県北部 |
埼玉県さいたま市中央区新都心 さいたま新都心合同庁舎2号館 |
利根川・富士川水系を含む 三国防災を含む |
北陸地方整備局 | 新潟県、富山県、石川県 福井県(港湾空港行政)、長野県(一部業務) |
新潟県新潟市中央区美咲町一丁目1番1号 新潟美咲合同庁舎1号館 |
荒川・阿賀野川・信濃川・ 関川・姫川・神通川水系を含む 八十里越・牛ノ谷道路を含む |
中部地方整備局 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、長野県南部 | 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目5番地1号 名古屋合同庁舎第2号館 |
神通川・富士川・淀川・新宮川水系を除く 名阪道路を含む |
近畿地方整備局 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、 奈良県、和歌山県、福井県(港湾空港行政を除く) |
大阪府大阪市中央区大手前三丁目1番41号 大手前同庁舎 |
淀川・新宮川水系を含む 冠山峠道路・新宮紀宝道路・奥瀞道路(III期)を含む |
中国地方整備局 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | 広島県広島市中区上八丁堀6番30号 広島合同庁舎第2号館 |
港湾空港行政は山口県下関市を除く |
四国地方整備局 | 香川県、徳島県、愛媛県、高知県 | 香川県高松市サンポート3番33号 高松サンポート合同庁舎 |
|
九州地方整備局 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、 大分県、宮崎県、鹿児島県 |
福岡市博多区博多駅東2丁目10番7号 福岡第二合同庁舎 |
港湾空港行政は山口県下関市を含む |