鐶
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鐶(かん)とは、環状の金属製部品(環状の金具)の総称。「釻」と表記することもある。
一般に、形状を表す語を前につけ、「-鐶(-カン)」と呼ばれる。また、特に大きさの小さいものには「豆」をつけて呼ぶことがある。
通常はばねの力で環は閉じており、力を加えると環が開くものが多い。
種類
[編集]- 丸鐶(丸カン、リングカン)
- 環状の金具。環が完全に閉じられているものと、一部に切れ目の入っているものとがある。
- 角鐶(手カン)
- 四角形のもの。鞄などの本体と持ち手部分を繋ぐ用途では、「手カン」と呼ばれる。
- 三角鐶(三角カン)
- 三角形のもの。
- 茄子鐶(ナスカン)
- 茄子のような形状のもの。環の一部を環の内側へ押し下げると環が開く。
- 鉄砲カン(鉄砲ナスカン)
- 環を開く際、つまみを銃のトリガのように引く。回転カンがついていることが多い。
- 蟹鐶(カニカン)
- カニのハサミのような形状のもの。環の外側に突き出たつまみを押し下げると環が内側へ開く。
- 小判鐶
- 小判状のもの。
- C鐶(Cカン)
- 丸カンよりも形状が楕円で、一端に切れ目が入っている。
- D鐶(Dカン)
- Dの字形のもの。
- S鐶(Sカン)
- Sの字形のもの。
- 樽鐶(タルカン)
- 樽のような形状のもの。
- マガタマフック
- 勾玉のような形状をしている。丸くふくらんだ側に穴があいており、また勾玉の先端へ向けてレバーがついている。ナスカンの様にレバーを環の内側へ押し下げると環が開く。
- 二重鐶(二重リング、ダブルリング)
- 環が二重になったもの。環の中へ別の環を通す際は、切り口の端の部分から中へ通すようにする。
- レバー鐶(レバーナスカン、レバースナップ、バレルスナップ)
- ナスカンの一種。環の外側に突き出たつまみを押し下げると環が外側へ開く。
- リングキャッチ(スクリュージョイント、スピードキャッチ)
- 環の開閉がねじ式になっているもの。形状は楕円形や三角形などがある。
- クイックキャッチ
- リングキャッチに似ているが、環の開閉がねじ式ではなく、スライド式になっているもの。
- コキ鐶(リュックカン、移動カン、くわえカン、ニフコキ、送りコキ、ベルトスライダー)
- ベルトの長さを調整するための金具。
- 吊り鐶(吊りカン)
- 絵画などをつるすための金具。
- 回転鐶(回転カン)
- 2つの環が互いに独立して回転できるようにしたもの。ナスカンには回転カンと一体となったものもある。
- 猿鐶(サルカン、よりもどし)
- 回転カンと同じ。釣り具としてはこの呼び方が用いられる。釣り糸のよじれによって絡まったり切れるのを防ぐ。英語では「スイベル」(Swivel)といい、外国発祥であるルアーフィッシングではこの呼び方が用いられる。
- 釜鐶(釜輪)
- 茶道具の一種。茶釜の外側につけられた2つの環状の突起(鐶付)につけ、茶釜を釣る際に用いる。