金田時男 (実業家)
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金田 時男(かねだ ときお、1937年4月16日[1] - )は、韓国の実業家。滋賀県出身[1]。韓国名は金時鐘(キム・シジョン、김시종)[2][note 1]。
2018年2月現在、神奈川韓国青年商工会青友会会長を務める[2][3]。
妻の金田知子[note 2][4]は演歌歌手としての活動も行っており、北野武と金田夫妻は十数年来の親交を有している[5]。
北野映画への出演経緯
[編集]金田は一般に、北野武監督の映画『アウトレイジ ビヨンド』『アウトレイジ 最終章』に出演した「東京在住の韓国フィクサー・張大成(チャン・テソン)」役として知られるが、本業は上記の通り実業家であって俳優ではない[note 3][6]。『アウトレイジ ビヨンド』出演時は、金田は在日韓国人向けの新聞「統一日報」の会長を務めていた[7]。
オフィス北野社長・森昌行のインタビュー記事[8]によると、実業家の金田が北野映画に出演することになった経緯は次のとおりである。
- たけしは金田の息子と個人的な知り合いであり、その関係で父親の金田時男とも十数年来の交友を有している。たけしは金田の息子と食事をともにするうちに、父親である金田時男が戦後の日本でどのように生きてきたか、という話に強い関心を持った[note 4]。
- 金田は松田優作[note 5]の自伝なども読んでいたという。森によると、金田がたけしに対して「お金はいくら稼いでも、いつかは消えてしまう。その点、俳優は映画にその姿を残すことができて羨ましい。とんでもないと思うかもしれないが、北野作品に自分の姿を刻みつける機会があればお願いできないか」と話したことが、映画出演のきっかけになったという。
- 森によれば「金田さんは顔つきがいいし、あの存在感は本職の俳優たちにも負けていない」と高い評価を得たことから、『アウトレイジ ビヨンド』『アウトレイジ 最終章』では、チェジュ島出身の在日韓国人実業家で、日韓両国に大きな政治力を有するフィクサーでもある張(チャン)会長という役柄で出演することになった。
受賞歴
[編集]- 第27回 東京スポーツ映画大賞 (2018年1月23日)
- 新人賞(『アウトレイジ 最終章』)
- 助演男優賞(『アウトレイジ 最終章』大杉漣、大森南朋、ピエール瀧、松重豊と共同受賞)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 詩人・朝鮮文学者の金時鐘とは同姓同名の別人である。
- ^ こちらも、声優で同音名の金田朋子とは同姓同名の別人である。
- ^ 東京スポーツ2017年5月10日付の上記記事には「俳優」と記載されているが、誤りである。
- ^ たけしは在日朝鮮人の壮絶な生き様を描いた映画『血と骨』(崔洋一監督、2004年)に主役の金俊平役で出演しており、そのような点から韓国系実業家である金田に対して関心を持った可能性はある。なお、『アウトレイジ』シリーズの出演俳優では塩見三省、松重豊、新井浩文、國村隼、仁科貴の5名が『血と骨』でたけしと共演している。
- ^ 松田優作も、母親が韓国人だったことから、在日韓国人として出生した。松田は、後に日本国籍を取得している。
出典
[編集]- ^ a b 「アウトレイジ最終章」公式パンフレット p.22
- ^ a b “神奈川青友会会長と面談”. 駐横浜大韓民国総領事館 (2018年2月6日). 2018年2月26日閲覧。
- ^ “神奈川青友会 青商活動を支援”. 統一日報. (2017年7月12日) 2018年2月26日閲覧。
- ^ “応援団長ビートたけし、金田知子に「森友学園の跡地と豊洲市場で歌おう」”. サンケイスポーツ. (2017年6月5日) 2018年2月26日閲覧。
- ^ “ビートたけしが金田知子に約束 紅白出場なら「オレと志村が乱入するから」”. 東京スポーツ. (2017年5月10日) 2018年2月26日閲覧。
- ^ “たけし「アウトレイジ 最終章」で話題の金田時男さんに新人賞をあげたい”. 東京スポーツ. (2017年10月31日) 2018年2月26日閲覧. "顔にみんな驚いて「あの役者誰だ?」って聞くんだけど、役者じゃないんだ"
- ^ “CINEMA VIEW アウトレイジ ビヨンド(日本)全員悪役。飛び交う怒号”. 統一日報. (2012年10月31日). オリジナルの2013年10月16日時点におけるアーカイブ。 2018年2月26日閲覧。
- ^ “『アウトレイジ 最終章』公開記念インタビュー 北野監督を支え続ける森昌行プロデューサーが語る『アウトレイジ』三部作の舞台裏と北野映画の今後(後編)”. 日刊サイゾー (2017年10月7日). 2018年2月26日閲覧。