出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
数学における重調和方程式(英: biharmonic equation)とは、次のように書かれる 4 階の偏微分方程式である:
ここで ∇4 は 4 階の偏微分作用素、またはラプラス作用素 Δ の自乗で、重調和作用素 (biharmonic operator) として知られている。
例えば、3次元デカルト座標系では重調和方程式は次の形になる。
重調和方程式の解は重調和関数 (biharmonic function) と呼ばれる。どんな調和関数も重調和であるが、逆は真ではない。
重調和方程式は連続体力学の分野(線型弾性理論における応力関数や流体力学におけるストークス流れの解など)において現れる。
2次元の場合の一般解は
ここで は調和関数で は の調和共役である。
2変数の調和関数は複素解析関数と深く関わりを持つが、2変数の重調和関数についても同じことが言える。2変数の重調和関数の一般形は次のように書ける:
ここで と は解析関数である。
2次元の極座標系では、重調和方程式は
となる。これは変数分離法によって解ける。その結果はミッシェル解(英語版)と呼ばれる。
n 次元ユークリッド空間において、
ただし
は、n = 3, 5 のときのみ、重調和方程式となる。
- Weisstein, Eric W. (2002), CRC Concise Encyclopedia of Mathematics, CRC Press, ISBN 1-58488-347-2 .
- Hayek, S.I. (2000), Advanced Mathematical Methods in Science and Engineering, Marcel Dekker, ISBN 0-8247-0466-5 .
- Den Hartog, J. P. (July 1st, 1987). Advanced Strength of Materials. Courier Dover Publications. ISBN 0-486-65407-9 .