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道路ストック総点検

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

道路ストック総点検(どうろストックそうてんけん)または道路ストックの総点検(どうろストックのそうてんけん)とは、2013年度(平成25年度)から2015年度(平成27年度)の間に実施された、日本の道路政策である。

概要

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2012年(平成24年)に発生した笹子トンネル天井板落下事故を受けて成立した「道路法等の一部を改正する法律」[1]に基づき、すべての道路管理者に指示された。

高度経済成長期に大量に整備されストックされている、道路構造物の総点検と老朽化対策検討を、約2年で全て実施することを目的とした。

実施の経緯

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高所作業車による鋼桁橋の近接目視点検

実施以前から、膨大な道路ストックの老朽化に自治体・高速道路会社などの道路管理者の一部は危機感を抱いていた[2]が、不況下での財政的困難もあり、放置されてきた。

笹子トンネルの事故により社会的な関心が高まり、社会資本のメンテナンスに緊急提言[3]がなされ、国庫補助の予算的措置をもって実施された。 点検の手法としては、従前行われてきた「遠望目視」は見落としや不適切な評価が頻発するため、「近接目視」を原則として実施することとなった。

このため、作業量が膨大となり、現場レベルでは点検技術者の不足、高所作業車等の点検補助車両の不足、期間の不足が問題となった。

点検対象

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点検対象とするのは、以下の構造物てある。

実施以後

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道路メンテナンス年報の一例

道路ストック総点検以降は、道路構造物は5年に1回のサイクルで点検することが求められている(定期点検)。5年に1回で点検・補修を実施した結果は、道路メンテナンス年報[10]として、毎年公表されている。

脚注

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  1. ^ 案文” (PDF). 国土交通省. 2018年12月22日閲覧。
  2. ^ 「荒廃する日本」としないための道路管理” (PDF). 国土交通省 (2007年3月8日). 2018年12月22日閲覧。
  3. ^ 社会資本整備審議会 道路分科会 (2016年4月14日). “道路の老朽化対策の本格実施に関する提言” (PDF). 国土交通省. 2018年12月22日閲覧。
  4. ^ 総点検実施要領(案)【橋梁編】 平成25年2月” (PDF). 国土交通省. 2018年12月31日閲覧。
  5. ^ 総点検実施要領(案)【道路トンネル編】 平成25年2月” (PDF). 国土交通省. 2018年12月31日閲覧。
  6. ^ 総点検実施要領(案)【舗装編】 平成25年2月” (PDF). 国土交通省. 2018年12月31日閲覧。
  7. ^ 総点検実施要領(案)【道路標識、道路照明施設、道路情報提供装置編】 平成25年2月” (PDF). 国土交通省. 2018年12月31日閲覧。
  8. ^ 総点検実施要領(案)【横断歩道橋編】 平成25年2月” (PDF). 国土交通省. 2018年12月31日閲覧。
  9. ^ 総点検実施要領(案)【道路のり面工・土工構造物編】 平成25年2月”. 国土交通省. 2018年12月31日閲覧。
  10. ^ 道路メンテナンス年報”. 国土交通省. 2018年12月31日閲覧。