道化師 (カバレフスキー)
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(道化師のギャロップから転送)
『道化師』(どうけし、露: Комедианты)作品26は、ドミトリー・カバレフスキーが作曲した全10曲からなる管弦楽のための組曲[1]。カバレフスキーの作品の中でも最も有名なものであり、特に第2曲の『ギャロップ』は一般に『道化師のギャロップ』(Comedians' Galop[2])の愛称で親しまれ、単独で演奏されることが多い。
概要
[編集]1938年(あるいは1939年)にカバレフスキーは、ダニエリ・M(Даниэль М.、本名:マルク・ナウモヴィチ・ミェエロヴィチ、1900年 - 1940年)の児童劇『発明家と道化役者』(Изобретатель и комедиант)のために、全16曲からなる劇付随音楽を作曲した。この劇はドイツの発明家ヨハネス・グーテンベルクと旅するサーカス団の物語で[3][4][5]、同年、モスクワの中央児童劇場で初演されたが、ダニエリ・Mが亡くなった[5]翌年にこの中から10曲を選んで組曲としたのが本作である。
組曲版の初演は、1940年にレニングラード(現・サンクトペテルブルク)で行われた。
楽器編成
[編集]フルート(ピッコロ持ち替え)、オーボエ(コーラングレ持ち替え)、クラリネット2、ファゴット、ホルン2、トランペット2、トロンボーン、チューバ、ティンパニ、シロフォン、トライアングル、タンブリン、スネアドラム、バスドラム、シンバル、ピアノ、弦五部。
曲の構成
[編集]全10曲、演奏時間は約16分。
- 第1曲「プロローグ」アレグロ・ヴィヴァーチェ
- 第2曲「ギャロップ」プレスト
- 第3曲「行進曲」モデラート
- 第4曲「ワルツ」モデラート
- 第5曲「パントマイム」ソステヌート・エ・ぺザンテ
- 第6曲「間奏曲」アレグロ・スケルツァンド
- 第7曲「叙情的小シーン」アンダンティーノ・センプリチェ
- 第8曲「ガヴォット」アレグレット
- 第9曲「スケルツォ」プレスト・アッサイ・エ・モルト・レッジェーロ
- 第10曲「エピローグ」アレグロ・モルト・エ・コン・ブリオ
出典
[編集]- ^ “DMITRI KABALEVSKY, RUSSIAN WHO COMPOSED 'COMEDIANS'”. The New York Times (1987年2月18日). 2024年10月18日閲覧。
- ^ “Dmitry Kabalevsky - The Comedians, suite for small orchestra, Op.26”. Classical Archives. 2024年10月18日閲覧。
- ^ “The Gramophone, December 1996”. home.wanadoo.nl. 2024年10月18日閲覧。
- ^ “Dmitry Kabalevsky - The Comedians, suite for small orchestra, Op.26”. Classical Archives. 2024年10月18日閲覧。
- ^ a b “Kabalevsky: The Comedians”. New Millennium Records. 2024年10月18日閲覧。
- ^ “カバレフスキー:ピアノための組曲《道化師》 (Kabalevsky: The Comedians Suite for Orchestra, Piano Arrangement)”. 全音楽譜出版社. 2024年10月18日閲覧。
参考文献
[編集]- 音楽之友社 編『最新名曲解説全集』 7(管弦楽曲IV)、音楽之友社、1980年9月。全国書誌番号:80038058。
- ドミトリー・カバレフスキー『カバレフスキー組曲《道化師》作品26』全音楽譜出版社〈Zen-on score〉、1996年10月。ISBN 4-11-892501-X。