親衛隊大佐
親衛隊大佐(しんえいたいたいさ)は国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス党)の親衛隊(SS)の階級「SS-Standartenführer」の訳語の一つである。
「Standartenführer」(シュタンダルテンフューラー、直訳すると連隊指導者)は親衛隊(SS)に限らず、突撃隊(SA)、国家社会主義自動車軍団(NSKK)、国家社会主義航空軍団(NSFK)といったナチス党組織に存在した階級である。ドイツ国防軍の大佐(Oberst)に相当する階級であるため、「(SS,SA,NSKK,NSFK)大佐」と訳されることが多い。
米英では訳さず原文を用いるが、敢えて訳す場合には陸軍の階級呼称を利用して SS (もしくはSA,NSKK,NSFK)SS Colonel と訳される。またドイツでも最近の研究書では陸軍の階級呼称を併記している。
親衛隊(SS)
[編集]親衛隊大佐(SS-Standartenführer)は一般親衛隊と武装親衛隊に存在した階級である。親衛隊中佐(SS-Obersturmbannführer)の上位、親衛隊上級大佐(SS-Oberführer)の下位に位置する。
警察業務にあたる親衛隊大佐は警察大佐(Oberst der Polizei) の階級も併せて持っていることが多い。
階級章
[編集]この階級から上は襟章の形が大きく異なり、左右対称の柏葉となる。
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襟章
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歩兵部隊の肩章
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医療部隊の肩章
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迷彩服の階級章
主なSS大佐
[編集]- レオポルド・グライム(ゲシュタポ・ユダヤ人課のポーランドにおける責任者。占領下ワルシャワで勤務。戦後エジプトに逃亡。同国の秘密警察組織「国家保安局」の育成にあたる。イスラームに改宗してアリー・アル=ナシャルと改名した)
- カール・オットー・コッホ(ナチス強制収容所所長。1945年親衛隊内部規則に反する不正で処刑される)
- ヴォルフラム・ジーヴァス(アーネンエルベの事務長。人体実験に関与)
- エルンスト=ギュンター・シェンク(親衛隊医師。映画『ヒトラー 〜最期の12日間〜』で著名。映画では人道的人物に描かれるが、実際には人体実験などおこなった)
- フランツ・ツィライス(ナチス強制収容所所長。)
- ヨアヒム・パイパー (パイパー戦闘団の指揮官。多大な戦果を挙げた軍人。)
- パウル・ブローベル(アインザッツグルッペン指揮官)
- ヴァルデマール・フェーゲライン(武装親衛隊将校。ヘルマン・フェーゲラインの弟)
- ヨーゼフ・マイジンガー (ワルシャワの虐殺者と渾名される。1941年5月駐日ドイツ大使館付警察武官として来日。リヒャルト・ゾルゲの身辺調査をする。)
- ヨハネス・ミューレンカンプ(第5SS装甲師団「ヴィーキング」の戦車隊司令官。多大な戦果を挙げた軍人。)
- ヴァルター・ラウフ …SD将校。「ガス殺トラック」の考案者。北アフリカにおけるユダヤ人問題の責任者。
突撃隊(SA)
[編集]突撃隊大佐(SA-Standartenführer)は突撃隊(SA)に存在した階級である。突撃隊中佐(SA-Obersturmbannführer)の上位、突撃隊上級大佐(SA-Oberführer)の下位に位置する階級である。
主なSA大佐
[編集]- ハンス・フォン・シュプレーティ=ヴァイルバッハ伯爵(Hans Joachim Graf von Spreti-Weilbach)…突撃隊幹部。「長いナイフの夜」の際に粛清。
- マルティン・ボルマン(ナチ党官房長官。突撃隊における最終階級)
- ハンス・ラウター(後のオランダ親衛隊及び警察高級指導者。突撃隊時代の階級)
国家社会主義自動車軍団(NSKK)
[編集]国家社会主義自動車軍団大佐(NSKK-Standartenführer)は国家社会主義自動車軍団(NSKK)に存在した階級である。国家社会主義自動車軍団中佐(NSKK-Oberstaffelführer)の上位、国家社会主義自動車軍団上級大佐(NSKK-Oberführer)の下位に位置する階級である。
階級章
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襟章
主なNSKK大佐
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国家社会主義航空軍団(NSFK)
[編集]国家社会主義航空軍団大佐(NSFK-Standartenführer)は国家社会主義航空軍団(NSFK)に存在した階級である。国家社会主義航空軍団中佐(NSFK-Obersturmbannführer)の上位、国家社会主義航空軍団上級大佐(NSFK-Oberführer)の下位に位置する階級である。
階級章
[編集]-
襟章
主なNSFK大佐
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フィクションでのSS大佐
[編集]フィクションでのSS大佐
[編集]- クラウス・イェーガー(Klaus Jäger)映画『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』に登場する戦車部隊司令官。
- エアハルト大佐(Col. Ehrhardt)映画『生きるべきか死ぬべきか(To Be or Not to Be)』、およびそのリメイク映画『メル・ブルックスの大脱走』に登場するワルシャワのゲシュタポ指揮官。
- ルドル・フォン・シュトロハイム 『ジョジョの奇妙な冒険 Part2 戦闘潮流』の登場人物
- ハインドリヒ大佐(Colonel Heindrich)映画『レディ・エージェント 第三帝国を滅ぼした女たち』(fr)に登場する。
- エルンスト・フォーゲル(Ernst Vogel)映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』に登場する聖杯を追うナチス親衛隊部隊の指揮官。
- ハンス・ランダ(Hans Landa)映画『イングロリアス・バスターズ』に登場する。異名は「ユダヤ・ハンター」。
関連項目
[編集]下位 親衛隊中佐 SS-Obersturmbannführer |
親衛隊階級 親衛隊大佐 SS-Standartenführer |
上位 親衛隊上級大佐 SS-Oberführer |