辻敏治
辻 敏治(つじ としはる、1947年10月2日 - )は、日本の指揮者[1]。
人物
[編集]1947年10月2日、神戸市に生まれる。1970年に大阪音楽大学音楽学部を卒業し、その後山田一雄、渡辺暁雄らに指揮を学ぶ。
経歴
[編集]1967年、大阪国際フェスティバル10周年記念バイロイト音楽祭引越公演ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」(ピエール・ブーレーズ指揮、ヴィルギット・ニルソン、ヴォルフガンク・ヴィントガッセン、ハンス・ホッター他)に合唱団員として出演。
1970年、大阪音楽大学音楽学部卒業。声楽を油井成行に師事。その後 渡辺暁雄、山田一雄らに指揮を学ぶ。大阪万博芸術公演、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団第九公演に合唱団員として出演。
1973年に神戸コンサートオーケストラ「オペラ・ハイライトの夕べ」でオーケストラ指揮者デビュー。
1973年から1984年まで神戸市民交響楽団正指揮者に就任。
1973年から1989年にかけてNHK大阪放送合唱団を指揮し、大阪厚生年金会館中ホール「空と水と太陽と」に出演(共演、アンサンブルレネット)。また、浄土真宗「佛教讃歌」の録音を指揮(2010年、CD全国発売)。以後、演奏会やNHK第2放送『音楽アルバム』等の放送番組に度々出演。
1975年、ドイツ・ブレーメン音楽大学指揮科に留学。ハンス・ヨアヒム・カウフマンに師事。
1977年にはオーストリアのザルツブルク・モーツァルテウム音楽院の指揮講習会に参加。ペーター・シュヴァルツ、オトマール・スウィートナーらに師事。
1980年から1988年まで尼崎市民音楽愛好会を主宰。市民を対象にプロの演奏家による無料コンサートを企画、主催し、尼崎市民サンデーコンサートなど26回の無料コンサートを開催。
1983年から1984年にかけて滋賀オペラ協会指揮者として創作オペラ『余呉の天人』、創作オペラ『比良八荒』の初演を指揮。
1985年から2009年にかけて尼崎市民交響楽団の設立に参画し、25年間常任指揮者を務める。その間1990年には尼崎市民による「第九」を演奏(ソプラノ:斉藤言子、アルト:竹本節子、テノール:西垣俊朗、バリトン:田中由也、合唱:尼崎第九を歌う会)。
1985年から2010年まで尼崎市文化団体協議会常任理事。2002年から会計を担当。
1987年から1993年、尼崎高原ロッジ・カラオケ大会審査委員長を務める。
1993年から1999年、神戸アーバンオペラハウス副指揮者として飯森範親、阪哲朗、松尾葉子らの元で「カルメン」「椿姫」「魔笛」「ボエ-ム」「蝶々夫人」などのオペラの副指揮者を務める。
1993年から2015年まで尼崎芸術文化協会会員。
1998年から2006年、大津労音合唱団(びわこアーベントロート合唱団)の指導者として黒岩英臣、藤岡幸夫、大友直人、山下一史、斎藤一郎、西本智実らの指揮によるベートーヴェン「第九」、モーツァルト「レクイエム」、フォーレ「レクイエム」、ハイドン「天地創造」「四季」「チェチーリアミサ」「ハルモニーミサ」、ブラームス「ドイツ・レクイエム」などの合唱指揮で高い評価を得る。
2006年、大津労音第九公演、大津労音合唱団と尼崎市民交響楽団による「第九」を指揮(ソプラノ:西垣千賀子、アルト:児玉祐子、テノール:西垣俊朗、バリトン:井原秀人)。
尼崎市制90周年記念 市政功労者表彰を受ける。
2008年から2013年まで尼崎市立公民館運営審議会委員。その間2010年から2011年には副委員長を務める。
2011年、京都府民ホールアルティに於いてオペラ「椿姫」全曲を指揮する(ヴィオレッタ:四方典子、アルフレード:木下紀章、ジェルモン:萩原寛明他)。
2013年、京都府民ホールアルティに於いてオペラ「椿姫」全曲を指揮(ヴィオレッタ:西垣千賀子、アルフレード:木下紀章、ジェルモン:福嶋勲他)。
2016年から2018年まで、コレギウム・ルネ京田辺音楽監督を務める。
2018年、大津市伝統芸能会館能楽ホールでのアマデウス合唱団 in 大津演奏会において自作の万葉集による混声合唱組曲第一巻「あかねさす」、京極黄門小倉山荘色紙和歌による混声合唱組曲第二巻「これやこの」によるコンサートを開催し独自の新境地を開き、作曲、演奏ともに好評を得る。
2018年、平成30年度尼崎市文化功労賞受賞。
現在、草の実コーラス、立花女声コーラス、夕陽丘混声合唱団の各指揮者、京田辺音楽家協会会員。
1992年からは尼崎市民大学の講師の他、公民館講座などの講師として尼崎をはじめ枚方市、交野市、大阪市、猪名川町などでも講座に招聘されている。
主要作品
[編集]オーケストラ作品
[編集]- バレエ「冥途の飛脚」0p.3(委嘱作曲、指揮 1988年11月3日 第3回国民文化祭 アルカイックホール)
- Atmosphäre 1 “Die Nacht” Op.5(委嘱作曲、指揮 1989年11月3日 ふれあいの祭典ひょうご88 アルカイックホール)
- ドラゴンクエスト組曲(委嘱編曲、指揮 すぎやまこういち作曲 1991年6月30日 サンケイリビングファミリーコンサート アルカイックホール)
- Verklärung−浄化− Op.8(作曲、指揮 1991年12月8日 尼崎市民交響楽団第6回定期演奏会 アルカイックホール)
- 交響幻想曲「茨木童子」 Op.9 (委嘱作曲、指揮 1993年5月16日 尼崎市立武庫公民館開館記念コンサート 尼崎市立武庫公民館ホール)
- Symphonietta Nr.1 Op.12(委嘱作曲、指揮 2000年9月10日 尼崎市民交響楽団第15回記念定期演奏会 アルカイックホール)
器楽作品
[編集]- フルート・ファゴットとピアノのための「古事記(ふることのふみ)弟橘比賣」Op.30 (2023年 作曲)
- フルート・ソナタ第1番二長調 Op.40 (2023年 作曲)
- ファゴットとピアノのための神話「天孫降臨」 Op.41 (2023年 作曲)
合唱作品
[編集]- 小さな花のたね(委嘱作詞、作曲、指揮 1986年5月 枚方市立樟葉公民館5月祭 枚方市立樟葉公民館大会議室)
- 女声合唱組曲「尼崎」全5曲(委嘱作詞、作曲、指揮 1986年10月10日 尼崎市制70周年レパシアター尼崎 ピッコロシアター)
- 牧歌−月の女神アルテーミスと羊飼−(女声 委嘱作詞、作曲、指揮 1991年11月3日 創作芸術への誘い アルカイックホール)
- 混声合唱組曲「ことばあそびうた」全7曲(作曲、指揮、谷川俊太郎作詞 1997年11月16日 東大阪市立青少年婦人センター合唱祭)
- 小さな星(女声 作詞、作曲、指揮 1998年3月8日 第28回レディースコーラスフェスティバル 明石市民会館)
- 混声合唱組曲「川と少年」全4曲(委嘱作詞、作曲、指揮 2002年 第33回大阪府合唱祭 コスモスシアター 女声版 2004年7月4日 立花女声コーラス3rdコンサート アイフォニックホール)
- 京極黄門小倉山荘色紙和歌による混声合唱組曲「はなのいろは」全7曲(委嘱作曲、指揮 2008年6月15日 第45回大阪府合唱祭 アゼリアホール)
- 京極黄門小倉山荘色紙和歌による混声合唱組曲第二巻「これやこの」全6曲(委嘱作曲、指揮 2017年6月25日 第54回大阪府合唱祭 アゼリアホール)
- 万葉集による混声合唱組曲「あかねさす」全4曲(委嘱作曲、指揮 2018年9月24日 アマデウス合唱団 in 大津能楽ホールコンサート 大津市伝統芸能会館能楽ホール)
- 万葉集による混声合唱組曲第二巻「みこもかる」全5曲 (2019年)
- 京極黄門小倉山荘色紙和歌による混声合唱組曲第三巻「いまこむと」全8曲 (2019年)
- 万葉集による混声合唱組曲第三巻「ますらをや」全4曲 (2019年)
- 京極黄門小倉山荘色紙和歌による混声合唱組曲第四巻「よもすがら」全5曲 (2020年)
- 京極黄門小倉山荘色紙和歌による混声合唱組曲第五巻「おもひわび」全6曲(2021年)
- 京極黄門小倉山荘色紙和歌による混声合唱組曲第六巻「もろともに」全6曲(2021年)
- 万葉集 大伴家持が詠める歌による混声合唱組曲「わがおかに」全6曲(2021年)
- 万葉集 梅の花に寄する歌による混声合唱組曲「うめのはな」全5曲(2021年)
- 万葉集による混声合唱組曲「太宰帥大伴卿の酒を讃むる歌」全5曲(2022年)
- 万葉集 山上憶良が詠める歌による混声合唱組曲「しらなみの」全5曲(2022年)
- 万葉集 山上憶良が七夕に詠める歌による混声合唱組曲「あまのがわ」全5曲(2022年)
- 万葉集 山部赤人が詠める歌による混声合唱組曲「むこのうらを」全5曲(2022年)
オペラ作品
[編集]- King Lear「流砂の果てに」 Op.14(委嘱作曲、指揮 2001年6月27~29日 Naka Culture World主催公演 アルカイックホール・オクト)
- オペラ「出世景清」(台本 1988年10月 尼崎市近松市民オペラ台本全国公募 124作品中第4位佳作に入選)
演劇
[編集]- うない物語(委嘱台本 1990年 劇団ホロスコープによって初演 くずは公民館)
- 女郎花物語(委嘱台本 1991年 劇団ホロスコープによって初演 男山文化会館ホール)