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軽軌愛河橋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
軽軌愛河橋
LRT Love River Bridge
ライトアップされた愛河橋(2017年)
地図
基本情報
中華民国の旗 中華民国台湾
所在地 高雄市塩埕区苓雅区
交差物件 愛河
用途 鉄道橋
路線名 (台鉄時代)高雄臨港線
(LRT時代)環状軽軌、歩行者、自転車
開通 臨港線高雄川橋:不明(1940年前後、終戦前)
LRT:2017年6月30日
遊歩道:2017年12月3日
座標 北緯22度37分10.0秒 東経120度17分24.6秒 / 北緯22.619444度 東経120.290167度 / 22.619444; 120.290167
構造諸元
形式 (台鉄時代)桁橋
(LRT時代)開腹式上路アーチ橋
材料 鋼橋
全長 112.266 m
地図
軽軌愛河橋の位置(台湾内)
軽軌愛河橋
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式
テンプレートを表示
 愛河橋 
exhKRZWaeq
遊歩道(旧・台鉄苓雅寮鉄橋)
真愛碼頭駅
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軽軌愛河橋(2017-) 高雄ライトレール
fhKRZWaeq
遊歩道

軽軌愛河橋[1](けいきあいがきょう、チングゥイ・アイフーチャオ、繁体字中国語: 輕軌愛河橋)、または単に愛河橋[2](あいがきょう)は台湾高雄市苓雅区塩埕区に跨る愛河(旧称:高雄川)に架かる高雄ライトレール鉄道橋光栄碼頭駅真愛碼頭駅の間にある。

愛河に架かる橋としては最も河口側にあり、遊歩道も併設されている。用途と時代の変遷により、俗称を含む名称は苓雅寮鉄橋、苓雅寮大橋、愛河旧鉄橋[注釈 1][4]と様々である。

前身となる台湾総督府鉄道時代に開通した台湾鉄路管理局(台鉄)高雄臨港線(廃線)の苓雅寮鉄橋(れいがりょうてっきょう、リンヤーリャオ・ティエチャオ、繁体字中国語: 苓雅寮鐵橋)あるいは苓雅寮大橋[5](れいがりょうだいきょう、リンヤーリャオ・ダーチャオ)についても本項で述べる。

沿革

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高雄臨港線苓雅寮鉄橋

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日本統治時代高雄港拡張と市内環状鉄道構想により高雄港駅からの貨物支線が入船線、あるいは「北裏岸壁線[6]」という名称で高雄川(愛河の旧称)西岸の入船町中国語版(現在の駁二芸術特区大義倉庫街に相当)まで伸びていた。高雄川河口に架橋し苓雅寮中国語版まで支線が延長された際に苓雅寮大橋として開通、戦後も2008年まで使用された。

形式はU字型桁3連の下路式桁橋[5][7](p7-24)

1936年に入船線を延伸する形での当鉄橋架設を含む「第三期高雄港拡張計画」が発表され[8][6][9]苓雅寮大橋として開通した[10]

竣工時期は不明だが、1940年前後と推定されている。1943年の地形図や米軍の地図には臨港線が掲載されている[11]

戦時中は鋼材が供出されたが、戦後1949年6月に橋は修復された[12]。1967年には桁が架け替えられた[7](p7-24)

2006年、高雄ランタン・フェスティバルのために木製の桟道となり、その後も列車は運転されることはなかった[3](p86)

米軍作成の戦前地図
(1944年頃)
苓雅寮鉄道橋(2013年)

自転車道

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その後、市工務局により西臨港線自転車道中国語版に組み込まれ、愛河旧鉄橋となる。

2008年11月19日、臨港線施設撤去[13]

2013年6月、高雄市政府文化局により暫定古蹟に登録される[14]

2014年1月11日、旧鉄橋撤去開始[15]。旧臨港線および自転車道の桁を撤去してから、既存橋脚を取り囲むようにライトレール用橋脚の設置とアーチ桁の仮設が行われた。

西臨港線自行車道 旧橋桁を撤去し再建中の橋
(2016年)

軽軌愛河橋

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映像外部リンク
旧鉄橋橋桁撤去
高雄愛河舊鐵道橋的歷史故事 PART1 - YouTube 高雄市政府捷運工程局 Jr.Chen(2016年1月9日)
映像外部リンク
旧鉄橋橋桁再架設
愛河橋縮時 - YouTube 高雄市政府捷運工程局 Jr.Chen(2017年1月11日)
  • 2015年10月14日、施工業者のゼネコン長鴻営造が破綻し、工期遅れの原因となった[16]
  • 2016年
    • 8月24日、橋桁連結[17]
    • 12月7日、台鉄の旧橋桁が元の位置に戻された[18][19][20]

仕様

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愛河高架橋
哈瑪星(西岸)
籬仔内(東岸) →
地上 高架橋 真愛碼頭駅 アーチ橋
旧・苓雅寮鉄橋/現・軽軌愛河橋
高架橋 地上
30.0
(m)
十三 30.0
(m)
十四 20.0
(m)
十五 20.0
(m)
十六 19.6
(m)
十七 40.0
(m)
十八 32.2
(m)
十九 40.0
(m)
二十 3x30.0
表中の漢数字は橋脚の番号を、アラビア数字はスパン長[25][26](p118)を表す。

ライトレール1期区間でこの橋の前後のみ高架橋となっており、その区間全体を「愛河高架橋」ともいう。ライトレール用の橋両側に遊歩道が併設されており、上流側には旧鉄橋の桁を戻したものが再活用されている。

アーチ橋部分の全長は112.266m[27]で、東側から40.057メートル、32.169メートル、40.0メートルの3連桁となっている[27]。軌道はフローティングスラブ軌道が用いられている[26](p119)

台鉄時代の橋脚は意匠をアーチ橋にも引き継ぐように配慮されたほか[28]、2001年から毎年高雄で開催されている旧暦元宵(小正月)高雄ランタン・フェスティバル中国語版は愛河が主会場であることから、各種イベント時に舞台装置となるようアーチ部をライトアップできる仕掛けになっている。国慶節には「青天白日満地紅旗の藍、白、紅」の3色が、クリスマスには赤と緑など、国定休日のテーマごとに色合いを変化させられる[29][30]。架け替えの事業費は約1.6億元[7](p9-20)

また、イベント時の見物客上流側に復元された旧鉄橋の東側は元あったガジュマルの樹の木陰をモチーフに高さ9mのスロープで地上と連結され、ライトレール乗客以外もアクセスできる[31]

脚注

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註釈

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  1. ^ 愛河上流、台鉄屏東線寿山駅三塊厝駅間にあり、1995年に撤去された三角線の橋梁も愛河鉄橋と称していた[3](p85)

出典

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  1. ^ (繁体字中国語)高雄市政府捷運工程局 (2018年4月12日). “高雄市議會第2屆第7次定期大會 交通部門業務報告”. 高雄市議会. p. 9. 2019年7月1日閲覧。
  2. ^ (繁体字中国語)高雄環狀輕軌C1-C14站有名字了!最快8月通車”. The News Lens (2015年3月30日). 2019年7月1日閲覧。
  3. ^ a b (繁体字中国語)鄧志忠、古庭維 (2010-08-11). [台灣舊鐵道散步地圖 台灣舊鐵道散步地圖]. 晨星出版. ISBN 9789861774015. 台灣舊鐵道散步地圖 
  4. ^ (繁体字中国語)施惠文 (2018年10月). 港灣高雄12載 一座宜居城市的打造紀實. 高雄市政府工程局. p. 13. ISBN 9789860571073. https://pwb.kcg.gov.tw/Web/FileDownLoad/Publications/20181024042014431/mobile/index.html 
  5. ^ a b (繁体字中国語)苓雅寮鐵路橋 河之窗”. 高雄市政府水利局. 2019年7月1日閲覧。
  6. ^ a b (繁体字中国語)陳凱雯 (2018-09-17). “臨港鐵道 從濱線到臨港線:見證高雄港百年歷史的臨港鐵路”. 臺灣學通訊 (国立台湾図書館) (第107期 /鐵道(三之二)─消失的鐵道): 頁14-15. ISSN 1999-1851. https://www.ntl.edu.tw/ct.asp?xItem=65818&ctNode=2217&mp=5. 
  7. ^ a b c (繁体字中国語)高雄都會區輕軌運輸系統 高雄環狀輕軌捷運建設 修正計畫書第二部份 計畫修正”. 高雄市政府捷運工程局. p. 7-24 (2012年11月26日). 2019年7月1日閲覧。
  8. ^ (英語)許乃懿(Nai-Yi Hsu) (2018年). “Kaohsiung LRT From a Freight Line To a Tramway”. シドニー路面電車博物館英語版. p. 17. 2019年7月1日閲覧。 Council of Tramway Museums of Australasia
  9. ^ 中山清、片山清夫 (1940). 躍進高雄の全貌. pp. 119-120. https://tm.ncl.edu.tw/article?u=008_001_0000351043  国家図書館
  10. ^ (繁体字中国語)國史館館刊編輯委員會 (2016-03-01). “日治時期鐵道與港口開發對高雄市區規劃的影響”. 國史館館刊 (国史館) (第47期): 23-24. ISSN 1016-2933. https://www.drnh.gov.tw/var/file/3/1003/img/10/519049090.pdf. 
  11. ^ (繁体字中国語)劉碧株 (2017年6月). “日治時期高雄港的港埠規劃與空間開發”. 成大歷史學報 (国立成功大学歴史学系) (52): 77-78. http://www.his.ncku.edu.tw/chinese/uploadeds/NCKUHIS5220170602.pdf. 
  12. ^ (繁体字中国語) 臺灣鐵路. 臺灣省新聞處. (1950年6月). pp. 頁18-19. https://tm.ncl.edu.tw/article?u=007_102_000049  国家図書館
  13. ^ (繁体字中国語)66年度~97年度軌道歷史 - ウェイバックマシン(2018年10月25日アーカイブ分) 台湾鉄路管理局 Rail Kid's
  14. ^ (繁体字中国語)〈南部〉愛河舊鐵橋 可望大規模保留”. 自由時報 (2013年9月26日). 2019年7月1日閲覧。
  15. ^ (繁体字中国語)高雄環狀輕軌捷運建設(第一階段)統包工程 大事紀要”. 高雄市政府捷運工程局/台灣世曦工程顧問股份有限公司 (2014年2月24日). 2019年7月1日閲覧。
  16. ^ (繁体字中国語)輕軌包商跳票 愛河橋面工程停擺”. 聯合報 (2015年10月14日). 2019年7月1日閲覧。
  17. ^ (繁体字中国語)〈南部〉輕軌愛河橋主結構串聯 目標年底完工”. 自由時報 (2016年8月25日). 2019年7月1日閲覧。
  18. ^ (繁体字中国語)台鐵舊鐵橋重返愛河”. 中華日報 (2016年12月7日). 2019年7月1日閲覧。
  19. ^ (繁体字中国語)今古融合 鐵橋與輕軌並列”. 人間福報 (2016年12月9日). 2019年7月1日閲覧。
  20. ^ <高雄LRT>愛河で鉄道橋工事進む 来年の開業に向け作業急ピッチ/台湾”. フォーカス台湾 (2016年12月8日). 2019年7月1日閲覧。
  21. ^ <高雄ライトレール>展覧館-駁二大義間が30日開業へ/台湾”. 中央社・フォーカス台湾 (2017年6月28日). 2019年7月1日閲覧。
  22. ^ (繁体字中国語)〈南部〉高雄輕軌愛河橋 公共工程金質獎土木類特優”. 自由時報 (2017年11月15日). 2019年7月1日閲覧。
  23. ^ (繁体字中国語)第17屆公共工程金質獎 一、公共工程品質優良獎”. 行政院公共工程委員会. 2019年7月1日閲覧。
  24. ^ (繁体字中国語)〈南部〉愛河舊鐵橋開放 變人行步道”. 自由時報 (2017年12月5日). 2019年7月1日閲覧。
  25. ^ (繁体字中国語)高雄環狀輕軌捷運建設(第一階段) 統包工程廠商說明會 (基本設計成果說明)”. 高雄市政府捷運工程局. pp. 24-28 (2012年6月8日). 2019年7月1日閲覧。
  26. ^ a b (繁体字中国語)王慶麟 、張思、鍾熙煜 (2017年1月). “輕軌軌道之設計與施工─以高雄輕軌為例”. 中華技術 (財團法人中華顧問工程司) (113期): 108-123. ISSN 18184464. http://www.ceci.org.tw/Upload/Download/986FE038-2D55-4A95-B08B-A7C719463BE3.pdf. 
  27. ^ a b (繁体字中国語)高雄環狀輕軌捷運建設(第一階段)統包工程 金質獎參選工程專屬網頁”. 高雄市政府捷運工程局/台灣世曦工程顧問股份有限公司 (2017年9月18日). 2019年7月1日閲覧。
  28. ^ (繁体字中国語)輕軌Q&A 4-4 高雄環狀輕軌如何再創舊臨港線風華?”. 高雄市政府捷運工程局 (2017年4月28日). 2019年7月1日閲覧。
  29. ^ (繁体字中国語)市長視察輕軌愛河橋燈光設計”. 壹凸新聞 (2017年1月25日). 2019年7月1日閲覧。
  30. ^ (繁体字中国語)高雄輕軌捷運愛河橋”. 永裕鋼鐵工程股份有限公司. 2019年7月1日閲覧。
  31. ^ (繁体字中国語)愛河舊鐵橋歷史軌跡再現”. 高雄市政府工務局 (2017年12月25日). 2019年7月1日閲覧。

外部リンク

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