コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

大沼駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
軍川駅から転送)
大沼駅
駅舎(2022年9月)
おおぬま
Ōnuma
地図
所在地 北海道亀田郡七飯町字大沼町4番地5[JR北 1]
北緯41度58分19.03秒 東経140度40分9.65秒 / 北緯41.9719528度 東経140.6693472度 / 41.9719528; 140.6693472座標: 北緯41度58分19.03秒 東経140度40分9.65秒 / 北緯41.9719528度 東経140.6693472度 / 41.9719528; 140.6693472
駅番号 H68
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
電報略号
  • クサ(改称前:軍川駅)
  • オマ(改称後:大沼駅)
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線[1]
開業年月日 1903年明治36年)6月28日
乗入路線 3 路線
所属路線 函館本線(本線)
キロ程 27.0 km(函館起点)
H69 仁山 (5.8 km)
(1.0 km) 大沼公園 H67
所属路線 函館本線(砂原支線)
キロ程 0.0 km(大沼起点)
(14.6 km) [* 1]鹿部 N68
所属路線 函館本線(藤城支線)
H71 七飯[* 2]
備考 無人駅[JR北 1][JR北 2][新聞 1]
  1. ^ この間に銚子口信号場有り(当駅から6.8 km先)。
  2. ^ 藤城支線は営業キロ設定なし
テンプレートを表示

大沼駅(おおぬまえき)は、北海道亀田郡七飯町字大沼町にある北海道旅客鉄道(JR北海道)函館本線である。駅番号H68電報略号オマ事務管理コードは▲140108[2]。当駅で七飯駅からの下り列車専用の別線(通称:藤城支線)が本線と合流し、加えて当駅 - 森駅間を海岸沿いに迂回する支線(通称:砂原支線)が分岐する。かつては急行特急の上り一部列車が停車していたが、現在は普通列車のみ停車する。

歴史

[編集]
1976年の大沼駅と周囲約1km範囲。下が函館方面。上は右が砂原支線鹿部・森方面、左が本線大沼公園・森方面。 国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

年表

[編集]

駅名の由来

[編集]

当駅の所在する地名より。地名は、アイヌ語の「ポロ・トー」(大きい沼)の和訳に由来する。大沼のことである[12][13][注 2]

旧駅名の軍川は、アイヌ語の「イクサップ」(渡し守)に由来する。渡し守が住んでいたとのことで、1858年安政5年)相馬藩がこの地方を開拓した際に付けられた[12]

駅構造

[編集]

単式ホーム1面1線(1番のりば)と島式ホーム1面2線(2・3番のりば)、計2面3線のホームを有する地上駅[1]。互いのホームは跨線橋で連絡している[14]木造駅舎を有する。

1・2番のりばの間に中線があり、貨物列車(砂原支線から函館方面)の待機線として使われていたが、現在は使用停止となっている。3番のりばの横にも待避線があり、こちらは森方面への貨物列車の待避に現在も使用されている。

七飯駅管理(夜間連絡先は五稜郭駅)の無人駅である[JR北 1][JR北 2][新聞 1]。無人化される前は社員配置駅駅長配置。早朝夜間駅員不在。冬季間当直勤務あり)で、みどりの窓口が設置されていた。また、本線(大沼公園駅赤井川駅)と砂原支線(鹿部駅渡島沼尻駅)を管理下に置いていた。

駅舎は構内の東側(旭川方面に向かって右側)に位置し、単式ホーム中央部分に接している。古い木造平屋建て(一部二階建て)の建物である[12]。駅舎内にトイレを有する。

「HOKKAIDO ONUMA」と記載された駅スタンプが設置されている[12]。1993年(平成5年)時点のスタンプには「駒ケ岳」と記載されていた[14]

のりば

[編集]
番線 路線 方向 行先 備考
1 函館本線 本線 上り 函館方面 渡島砂原方面からの列車
2 大沼公園方面からの列車
下り 長万部方面
砂原支線 森・長万部方面
3 本線 上り 函館方面 当駅始発
下り 森・長万部方面
砂原支線 森・長万部方面

利用状況

[編集]

乗車人員の推移は以下の通り。年間の値のみ判明している年度は日数割で算出した参考値を括弧書きで示す。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

乗車人員推移
年度 乗車人員(人) 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1912年(明治44年) 16,618 (45.5) [15]
1947年(昭和22年) 101,296 (276.8)
1948年(昭和23年) 128,334 (351.6)
1949年(昭和24年) 144,568 (396.1)
1950年(昭和25年) 133,107 (364.7)
1951年(昭和26年) 164,599 (449.7)
1952年(昭和27年) 234,040 (641.2)
1953年(昭和28年) 234,153 (641.5)
1954年(昭和29年) 224,874 (616.1)
1955年(昭和30年) 243,199 (664.5)
1956年(昭和31年) 235,663 (645.7)
1957年(昭和32年) 233,965 (641.0)
1958年(昭和33年) 234,968 (643.7)
1959年(昭和34年) 238,587 (651.9)
1960年(昭和35年) 245,676 (673.1)
1961年(昭和36年) 196,500 (538.4)
1962年(昭和37年) 182,210 (499.2)
1963年(昭和38年) 189,450 (517.6)
1964年(昭和39年) 198,262 (543.2)
1965年(昭和40年) 202,238 (554.1)
1966年(昭和41年) 186,808 (511.8)
1967年(昭和42年) 178,105 (486.6)
1968年(昭和43年) 181,378 (496.9)
1969年(昭和44年) 171,972 (471.2)
1970年(昭和45年) 165,819 (454.3)
1971年(昭和46年) 161,066 (440.1)
1972年(昭和47年) 158,920 (435.4)
1973年(昭和48年) 154,041 (422.0)
1974年(昭和49年) 165,453 (453.3)
1975年(昭和50年) 430.0 [16][注 3] 以下、『七飯町史 続刊』を出典とする数値はすべて概数。
1976年(昭和51年) 440.0
1977年(昭和52年) 400.0
1978年(昭和53年) 390.0 [17]
1979年(昭和54年) 380.0 [16][注 4]
1980年(昭和55年) 370.0
1981年(昭和56年) 331.0 1日乗降客数は331人[18]
1982年(昭和57年) 300.0
1983年(昭和58年) 270.0
1984年(昭和59年) 250.0
1985年(昭和60年) 240.0
1986年(昭和61年) 240.0
1987年(昭和62年) 240.0
1988年(昭和63年) 240.0
1989年(平成1年) 230.0
1990年(平成2年) 200.0
1991年(平成3年) 340.0
1992年(平成4年) 160.0 1日乗降客数は390人[14]
1993年(平成5年) 130.0
1994年(平成6年) 130.0
1995年(平成7年) 140.0
1996年(平成8年) 120.0
1997年(平成9年) 110.0
1998年(平成10年) 90.0
2017年(平成29年) 83.8 [19]
2018年(平成30年) 90.4 [20]

大沼だんご

[編集]

駅が開業してからしばらくの1905年(明治38年)より、「沼の家」が製造する元祖大沼だんごが駅で販売されてきた。だんごは、串を刺さないものをみたらしやこしあんとともに駅弁のような折り詰めに入れたもので、製造当日のみの賞味期限であった。駅での売れ行きが落ちたため、1993年(平成5年)頃に駅での立ち売りは打ち切られ、以降は本店でのみの販売となっていた。その後JR北海道から車内での販売を持ち掛けられ、隣接する大沼公園駅から特急列車に積み込んで、1日30個程度を販売してきた。これも2019年(平成31年)のJR北海道の車内販売全廃に伴い、打ち切りとなり、大沼だんごの鉄道とのかかわりが途切れることになった[新聞 2]

駅周辺

[編集]

隣の駅

[編集]

*打消線は廃駅および廃止信号場

北海道旅客鉄道(JR北海道)
函館本線(本線)
仁山駅 (H69) - *熊の湯信号場 - *小沼信号場[注 5] - 大沼駅 (H68) - 大沼公園駅 (H67)
函館本線(砂原支線)
(本線仁山駅方面/藤城支線) - 大沼駅 (H68) - *池田園駅 (N71) - *流山温泉駅 (N70) - (銚子口信号場) - *新本別信号場[注 6] - 鹿部駅 (N68)
函館本線(藤城支線・下り専用)
七飯駅 (H71) → 大沼駅 (H68) → (本線大沼公園駅方面/砂原支線)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ a b 事業は明治36年当線開通とともに開始され、当駅や大沼公園駅に接して氷庫が設けられて貨車積みされた。シーズン中は1日当り100tから200t、10t積み貨車にして10両から20両が出荷され、主に噴火湾沿岸の漁協へ送られたが、遠くは東京や鹿児島県まで運ばれたといわれる。氷柱を一杯に載せた無蓋車の列は、冬の風物詩として知られていた。戦後になって各地に冷凍庫や製氷設備が整い始めたため、徐々に出荷量が減っていった[4]
  2. ^ 駅舎の西側に湖が広がっているが、これは大沼ではなく、小沼である。(地名ではなく、湖沼としての)大沼は、当駅の北側にある、小沼よりやや広い湖のことである。
  3. ^ 降車を含むか記載がないが、他文献の数値から乗車のみと判断。
  4. ^ 降車を含むか記載がないが、他文献の数値から乗車のみと判断。
  5. ^ 1943年(昭和18年)9月30日開設、1948年(昭和23年)7月1日廃止
  6. ^ 1949年8月1日廃止

出典

[編集]
  1. ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 11号 函館駅・大沼公園駅・倶知安駅ほか72駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年10月21日、20頁。 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、214頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ a b c d e 今尾恵介 編『日本鉄道旅行地図帳 1号 北海道』新潮社、2008年、26頁。ISBN 978-4-10-790019-7 
  4. ^ 七飯町史 続刊 2001年6月発行 P.P387-390
  5. ^ a b c d e 『道南鉄道100年史 遥』 北海道旅客鉄道函館支社 2003年2月発行
  6. ^ a b 1920年4月29日『官報』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ a b c 宮脇俊三 編『鉄道廃線跡を歩く』 8巻(1版)、JTB、2001年8月1日、223頁。 
  8. ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、110頁。ISBN 978-4-10-320523-4 
  9. ^ a b 停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II JTB出版 1998年10月発行。
  10. ^ 北海道鉄道百年史 下巻、P56 及び巻末年表。
  11. ^ a b 『函館線の名列車』〈イカロスMOOK 新・名列車列伝シリーズ〉、第4号、イカロス出版、2004年8月20日、23頁。ISBN 978-4-87149-575-2
  12. ^ a b c d 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社2008年8月発行)16ページより。
  13. ^ 書籍『ミニブックシリーズ 北海道駅名』(発行出版社、発行年月日不明(1980年代))5ページより。
  14. ^ a b c 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館1993年6月発行)38ページより。
  15. ^ 七飯町 編『七飯町史七飯町、1976年11月2日、880, 888-892頁https://dl.ndl.go.jp/pid/95701272023年7月29日閲覧 
  16. ^ a b 七飯町史 続刊』七飯町、2001年6月、592頁。doi:10.11501/9572278https://dl.ndl.go.jp/pid/9572278/1/314 
  17. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、803頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  18. ^ 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)25ページより。
  19. ^ 函館線 函館・長万部間の状況について” (PDF). 函館線(函館・小樽間)について(北海道新幹線並行在来線対策協議会). [第6回ブロック会議(令和元年7月~8月)]. 北海道. pp. 4・5 (2019年8月2日). 2021年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月4日閲覧。
  20. ^ 函館線 函館・長万部間の状況について” (PDF). 函館線(函館・小樽間)について(北海道新幹線並行在来線対策協議会). [第7回ブロック会議(令和2年8月)]. 北海道. pp. 4・5 (2020年8月25日). 2021年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月4日閲覧。

JR北海道

[編集]
  1. ^ a b c d e 駅の無人化について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2023年2月24日。オリジナルの2023年2月24日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20230224072605/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/230224_KO_mujinoonuma.pdf2023年2月24日閲覧 
  2. ^ a b c d 大沼|駅の情報検索(時刻表・バリアフリー)|駅・鉄道・観光|JR北海道- Hokkaido Railway Company”. 北海道旅客鉄道. 2023年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月24日閲覧。
  3. ^ 駅番号表示(駅ナンバリング)を実施します』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2007年9月12日。オリジナルの2007年9月30日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20070930015220/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2007/070912-3.pdf2014年9月6日閲覧 
  4. ^ 函館線 大沼駅構内で発生した列車脱線事故について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2013年9月21日https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/130921-1-2.pdf2013年10月5日閲覧 

新聞記事

[編集]
  1. ^ a b c d “JR大沼駅、無人化 3月18日のダイヤ改正で”. 北海道新聞. (2023年2月22日). オリジナルの2023年2月22日時点におけるアーカイブ。. https://archive.md/aN5AR 2023年2月22日閲覧。 
  2. ^ a b c “「大沼だんご」車内販売終了へ 明治38年駅売りからの歴史に幕 JR函館線”. 毎日新聞. (2019年2月27日). https://mainichi.jp/articles/20190227/k00/00m/040/091000c 2019年2月28日閲覧。 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]