車いすアルティメット
車いすアルティメット(くるまいすアルティメット、英: Wheelchair Ultimate)は、フライングディスク競技のアルティメットを車いすユーザーでも楽しめるようにアダプトさせた競技。フライングディスクをパスで繋ぎ、相手のエンドゾーン内でキャッチすると得点となるチーム競技。
アメリカ、カナダ、ドイツなどで行われていて[1]、日本では2004年から横浜で行われている[2]。
競技ルール
[編集]国際大会ルール
[編集]世界大会では2021年12月に世界フライングディスク連盟(WFDF)が出版した『Flying Disc Parasport Wheelchair Ultimate』[3]の内容に準じたルールに則って行われる。
日本国内ルール
[編集]日本では2004年以前から体育大生の卒業論文作成過程などで競技ルールは試行錯誤されていた。
試行錯誤を重ね、その時点でのルールが初めて広く公開されたのは2005年5月に初版本が発行された『フライングディスクをやってみよう -アルティメットの基礎と応用-』(著:James Studarus、監修:日本フライングディスク協会、監訳:師岡文男、訳:長澤純一)のChapter8「いろいろなアルティメット」の項で競技紹介された時だった。[4]
翌年、2006年5月号の「ノーマライゼーション 障害者の福祉」で特集されていた障害者スポーツのニューウェーブでも競技紹介された。[2]
2007年11月には第6回あいち障害者フライングディスク競技大会で車いすアルティメットのデモンストレイション・ゲームが行われた。[5]
コートはバスケットボール・コートを使用することや、5人対5人のチーム戦であること、フライングディスクをパスで繋ぎ相手のエンドゾーン内でキャッチすると得点となり、審判を置かないセルフ・ジャッジ制とすることなど基本的なことは変わらないが、今なおルールを向上・改善中である。
第1回 世界 車いすアルティメット選手権大会
[編集]2023年9月29日~10月1日
世界フライングディスク連盟(WFDF)主催により「第1回 WFDF世界車いすアルティメット選手権大会」がイタリアのリニャーノ・サッビアドーロで開催された。[6]
日本からは、人数不足のため代表チームとしての参加はできなかったが、障害のある選手2名、障害のない選手2名の計4名がエントリーし、特別に編成されたインターナショナルチームに加わり大会に参加した。
日本選手の参加したインターナショナルチームは、2位を獲得した。[7]
世界フライングディスク連盟(WFDF)の動向
[編集]2023年9月29日~10月1日にイタリアで開催された「第1回 WFDF世界車いすアルティメット選手権大会」はイタリア Whiteチームが優勝。日本選手が参加したインターナショナルチームは2位だったと発表。(開催期間は当初の予定【 9/28~10/1 】から【 9/29~10/1 】に変更された。)[7]
2023年9月、初の「世界車いすアルティメット選手権大会」を主催したことを発表。[6]
2023年8月、2023年9月28日~10月1日にイタリアのリニャーノ・サッビアドーロで開催される「第1回 WFDF世界車いすアルティメット選手権大会」の計画がまとまったことを報告。また、寄せられた関心の表明を考慮し、各国の選手に機会を提供するため、個々の車いすアスリートに対して代表チームとは別に編成されている特別な国際チームに参加するためのチャンスを用意し招待することを発表。[8]
2023年3月、「第1回 WFDF世界車いすアルティメット選手権大会」が2023年9月28日~10月1日にイタリアのリニャーノ・サッビアドーロで開催されると発表。[9]
2022年3月、「第1回 WFDF世界車いすアルティメット選手権大会」の開催地を募集。[10]
2021年12月、『Flying Disc Parasport Wheelchair Ultimate』の電子書籍を公開。[3]
2014年、国際パラリンピック委員会(IPC)は世界フライングディスク連盟(WFDF)を公認団体とすることを決定。[1][11]
関連団体
[編集]神奈川県フライングディスク協会(KNFDA)のサイトでは、車いすアルティメットが紹介されており、日本フライングディスク協会(JFDA)が監修し、2005年に初版本が発行された『フライングディスクをやってみよう -アルティメットの基礎と応用-』にも車いすアルティメットは紹介されている。日本で車いすアルティメットが行われはじめた当初から各フライングディスク協会との関係はあったが、日本障害者フライングディスク連盟(JFFD)との関連はない。
脚注
[編集]- ^ a b “世界フライングディスク連盟(WFDF)が国際パラリンピック委員会(IPC)公認団体となりました。”. JFDA(一般社団法人日本フライングディスク協会) (2014年10月29日). 2023年2月7日閲覧。
- ^ a b “車椅子アルティメット”. www.dinf.ne.jp. 「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年5月号. 2023年2月27日閲覧。
- ^ a b WFDF (2021年12月15日). “WFDF publishes ebook on Parasport Wheelchair Ultimate” (英語). WFDF. 2023年5月20日閲覧。
- ^ “『フライングディスクをやってみよう -アルティメットの基礎と応用-』著:James Studarus、監修:日本フライングディスク協会、監訳:師岡文男、訳:長澤純一(2005年5月31日 第1版 第1刷)Chapter8「いろいろなアルティメット」”. 2023年11月3日閲覧。
- ^ “2007年11月「車いすアルティメット デモンストレイション」”. solbrewery.g1.xrea.com. 2023年5月29日閲覧。
- ^ a b WFDF (2023年9月30日). “WFDF Hosts Inaugural World Wheelchair Ultimate Championships” (英語). WFDF. 2023年10月18日閲覧。
- ^ a b WFDF (2023年10月3日). “Final Day of WFDF World Wheelchair Ultimate Championships features thrilling games with Team Italy – White winning gold” (英語). WFDF. 2023年10月18日閲覧。
- ^ WFDF (2023年8月9日). “Plans for the Inaugural WFDF World Wheelchair Ultimate Championships in Lignano Sabbiadoro from 28 September to 1 October 2023 coming together” (英語). WFDF. 2023年8月21日閲覧。
- ^ WFDF (2023年3月10日). “Inaugural WFDF World Wheelchair Ultimate Championships to be staged in Lignano Sabbiadoro, Italy, from 28 September to 1 October 2023” (英語). WFDF. 2023年5月20日閲覧。
- ^ WFDF (2022年3月30日). “WFDF seeks bids to host upcoming 2023 and 2024 Championship Events” (英語). WFDF. 2023年5月20日閲覧。
- ^ WFDF (2014年10月27日). “World Flying Disc Federation (WFDF) receives recognition by the International Paralympic Committee” (英語). WFDF. 2023年5月20日閲覧。