足羽黒葛
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足羽 黒葛(あすわ の くろふじ、生没年不詳)は、奈良時代後期の女官。姓は臣。官位は女孺・従五位下。
出自
[編集]足羽氏は越前国足羽郡の有力な豪族で、阿須波とも表記される。氏の名前は同国同郡の足羽郷(福井市足羽付近)の地名にもとづく。同郡を拠点とする生江氏と並ぶ有力豪族である。
経歴
[編集]光仁朝の宝亀5年(774年)7月、女孺で無位の黒葛を本位の外従五位上を復す、とあるが[1]、本位に叙された時期や、官位を剥奪された理由などは一切が不明であるが、淳仁天皇廃位事件に巻き込まれたのではないか、という説もある[2]その後、宝亀8年(777年)正月に、外従五位下から従五位下に昇叙した旨が記述されているので[3]、先の本位への復位は、実は外従五位下ではなかったのか、と見られている[4][5]。
足羽一族では、宝亀2年(771年)8月に足羽真橋が正六位上から従五位下に昇叙されており[6]、光仁天皇の後宮で足羽臣が勢力を持っていたことが推察される。
官歴
[編集]『続日本紀』による
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 『続日本紀4 (新日本古典文学大系15)』 岩波書店、1995年
- 『続日本紀5 (新日本古典文学大系16)』 岩波書店、1998年
- 宇治谷孟訳『続日本紀 (中)』講談社〈講談社学術文庫〉、1992年
- 宇治谷孟訳『続日本紀 (下)』講談社〈講談社学術文庫〉、1995年
- 『日本古代氏族人名辞典』p17、坂本太郎・平野邦雄監修、吉川弘文館、1990年
- 『日本古代氏族事典』【新装版】p19 - p20、佐伯有清:編、雄山閣、2015年
- 『日本古代人名辞典』1、p68、竹内理三・山田英雄・平野邦雄編、吉川弘文館、1958年
- 『日本女性人名辞典』p32、芳賀登・一番ヶ瀬康子・中嶌邦・祖田浩一編、日本図書センター、1993年