足糸
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足糸(そくし、英語:byssus [ˈbɪsəs])は、ハボウキガイ科、イガイ科などの二枚貝が岩や海底に固定する際に分泌する繊維である。
概要
[編集]主にタンパク質からなり、濡れた岩場、水中でも6種類のイガイ接着タンパク質で瞬時に接着し、微生物や酵素による分解に耐える高い耐久性と強度を持つ[1][2]。
古来、地中海世界では、ハボウキガイ科の貝、特にPinna nobilisから、シーシルクと呼ばれる繊維を採取した。
紀元前196年の記録とされるロゼッタ・ストーンにもシーシルクの記録が残っている[3]。
現代では、Pinna nobilis が保護されているため、シーシルク等の繊維製品を作ることはできない。
水場でも高い接着能力を持つことから、研究から水中用接着剤が開発されている[2][4]。
関連項目
[編集]- 天蚕糸
- en:Coa vestis - 南ヨーロッパに生息する蛾 Pachypasa otusから採られた繊維
出典
[編集]- ^ “ミドリイガイのゲノム解析からわかった足糸の耐久性の秘密”. 東京工業大学. 2023年9月2日閲覧。
- ^ a b “水に強い構造用接着剤の開発を目指す ~ムラサキイガイがやっかい者からお手本へ~(NIMS 内藤昌信)|CEMEDINE Style|セメダイン株式会社”. www.cemedine.co.jp. 2023年9月2日閲覧。
- ^ Translation of the Greek section of the Rosetta Stone.
- ^ “海洋生物の接着メカニズムにヒントを得て超強力な水中接着剤を開発”. 東京大学工学部 (2022年4月14日). 2023年9月2日閲覧。