超高速集積回路プログラム
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超高速集積回路プログラム(The Very High Speed Integrated Circuit(VHSIC)Program)は、1980年から1990年にかけて、アメリカ国防総省が遂行した研究プログラムである[1]。
アメリカ軍のための超高速集積回路を研究・開発することを目的としていた。
成果
[編集]VHSICは、1980年に三軍(陸軍/海軍/空軍)合同プログラムとして発足した。このプログラムは、集積回路の材料、フォトリソグラフィ、パッケージング、テスト、アルゴリズムの進歩につながり、多くのコンピュータ支援設計(CAD)ツールを生み出した。このプログラムの貢献でよく知られているのは、ハードウェア記述言語(HDL)であるVHDL(VHSIC Hardware Description Language)である。
また、このプログラムは、GaAs集積回路に対する軍の関心を、CMOS回路という商業的主流に方向転換させた[2][3]。
シリコン集積回路技術開発のためのVHSICプログラムには、総額10億ドル以上が費やされた。
VLSI プロジェクトとの比較
[編集]同時進行していた国防高等研究計画局(DARPA)のVLSIプロジェクトは、2年前の1978年に開始され、BSD Unix、RISCプロセッサ、MOSIS研究設計製造施設を提供し、VLSI設計自動化のミード・コンウェイ VLSI設計革命を大きく発展させた。これに対し、VHSICプロジェクトは、同時期に投資した資金に対する費用対効果が比較的低かったが、プロジェクトの最終目的は異なっており、そのために完全に比較することはできない。
脚注・参考文献
[編集]- ^ Alic, John A.; Brooks, Harvey; Branscomb, Lewis M. (1992). Beyond Spinoff: Military and Commercial Technologies in a Changing World. Harvard Business School Press. p. 269—270
- ^ David J. Creasey (1985). Advanced Signal Processing. IEE Telecommunications Series. ISBN 0-86341-037-5
- ^ John B. Shoven (1988). Government Policy Towards Industry in the United States and Japan. Cambridge University Press. ISBN 0-521-33325-3