超速宅急便
超速宅急便(ちょうそくたっきゅうびん)とは、ヤマト運輸が提供していた宅配便サービスの商標およびサービス名である。
2003年(平成15年)に、全日本空輸(ANA Cargo)が羽田-新千歳間の深夜貨物定期便(名称:「ONE」)の運行を開始したことに伴い、宅急便の新サービスとして開始された。貨物機による輸送を使用し、翌日中(概ね午前10時以降)に相手先へ配達を行っていた。
2004年には羽田-佐賀間の定期便就航により、首都圏-九州間での取り扱いも開始した。
書類に加え、小口の機械部品・生鮮食品類の配送にも使われていた。
全日本空輸より、2018年10月28日の冬ダイヤで、深夜貨物便の運休が発表されたため、サービスの安定的な提供が困難であるとの判断から、2018年10月31日をもってサービスを終了した[1]。なお、これに先立って、全日空のボーイング787のロールスロイス製ジェットエンジンの問題による欠航で、2018年7月21日より本サービスの荷受けが停止されていた[2][3]。
取り扱いエリア
[編集]- 首都圏(山梨県含む)発→北海道着(旧称:北海道超速宅急便)
- 北海道発→首都圏着、九州発→首都圏着(旧称:関東超速宅急便)
- 九州発は2008年7月から受け付けていない(宅急便タイムサービスが代替サービスとされている)
- 首都圏発→九州着(旧称:九州超速宅急便)
- 首都圏発→沖縄着
各地域とも、離島・島嶼部地域の発着は取り扱っていなかった。また、宅急便タイムサービスの付加が可能な地域も限定されていた。
東京都(伊豆諸島と小笠原諸島を除く)・神奈川県・千葉県・埼玉県発の場合は、集荷締切時間が夜(18時あるいは19時)であり、宅急便タイムサービスの締切時間(正午前後)後も発送することができた。ただし同サービスの『翌日10時までに配達』は適用されなかった(併用することは可能であるが割高となる)。荷物受け渡しの時間が早ければ、宅急便タイムサービスのみでも翌日10時までに配達された。
なお、本サービスが利用していた全日本空輸の佐賀空港発深夜貨物便(NH8554便)が2008年(平成20年)6月30日限りで運休(NH8553便は運行継続)となったため、同日をもって九州発東京行きのサービスは終了した。
留意事項
[編集]- クール宅急便、宅急便コレクトサービス、ゴルフ宅急便、スキー宅急便との併用も可能である。但し、ゴルフ・スキー便の往路は利用する2日前までに集荷する必要である。
- 着払いは受け付けていない。
- 貨物機による航空扱いとなるため、花火・ガスボンベ・燃料油・エンジン・磁石、特に電子精密機器(電池付きの携帯電話、プリンター、ゲーム機器、リチウム電池、リチウムイオン二次電池)、ジェットインクの引き受けは不可(航空法73条)。
超速料金
[編集]超速代金として、別途400円~増であった。 例)宅急便60サイズ(1)×400円=400円増。80サイズ(2)×400円=800円増となっていた。
出典
[編集]- ^ “超速宅急便のサービス終了について”. ヤマト運輸 (2018年10月4日). 2018年10月5日閲覧。
- ^ “超速宅急便の荷受け休止期間の延長について”. ヤマト運輸 (2018年7月12日). 2018年10月5日閲覧。
- ^ “ANAカーゴ、羽田-札幌運休 深夜貨物便、冬ダイヤから”. Aviation Wire (2018年10月3日). 2018年10月5日閲覧。
関連項目
[編集]- 宅急便
- 宅急便TODAYサービス(法人契約向けの当日配達サービス)
- クール宅急便
- 宅急便コレクトサービス
- 宅急便タイムサービス
- ゴルフ宅急便
- スキー宅急便
- ヤマト便
- ANA&JPエクスプレス(全日空と日本郵便・日本通運の合弁による航空貨物会社)
- スーパーペリカン便(日通航空による同種サービス)
- ギャラクシーエアラインズ(佐川急便系の航空貨物会社)
- 航空扱い(郵便)