超自宅警備少女ちのり
表示
『超自宅警備少女ちのり』(ちょうじたくけいびしょうじょちのり)は小幡休彌・著、しゅー・画のライトノベル作品。ソフトバンククリエイティブ・GA文庫刊。
ストーリー
[編集]瀧口譲は両親の離婚で父親と共に星見塚へ引っ越し、転校初日を迎える。そこで担任から譲の隣家に住む同級生で不登校の梅木ちのりにプリントを持って行くよう求められた。近所のコンビニへ買い出しに行く以外はほとんど外出しない真性の引きこもりであるちのりはだらしない格好で梅木家を訪れた譲を出迎え、譲が隣へ引っ越して当日に一目惚れしたと言いながらベタベタと甘えて来るがそんなちのりの態度に譲は当惑するばかりであった。
ちのりにプリントを渡した譲はトイレへ行こうとするがドアを開けると広大な空間が広がり、地底へ転落してしまう。そこで巨大なオケラ状のメカに襲われ、危機一髪の所を眼鏡を外してボディスーツに身を固めたちのりに助けられる。ちのり曰く、この地底空間には『ドデカヘドロン』と呼ばれる正十二面体の高エネルギー結晶が有り、梅木家は地底人による掠奪からドデカヘドロンを守る目的でこの場所に建てられているのだと言う。しかし、ドデカヘドロンの高エネルギーが近くの空間を歪曲させるために梅木家は本来の間取りがたびたび入れ替わり、ちのりの父は1年前から空間の狭間で行方不明になっているのだと言う。
結局、地底人は予算が底を突いた為にドデカヘドロン掠奪を諦めるが、譲の提案でドデカヘドロンの研究をちのりと地底人が共同で行うことになる。しかし、もう一つのドデカヘドロンを持つ勢力がこの休戦協定を察知し、実力行使で梅木家の制圧に乗り出そうとしていた。
登場人物
[編集]- 瀧口 譲(たきぐち ゆずる)
- 主人公。両親の離婚で文化財の発掘作業に携わり、家を空けることの多い父親に連れられて星見塚へ引っ越して来る。ところが、隣の梅木家と地底人のドデカヘドロンを巡る争いに巻き込まれて自宅を失い、やむなく梅木家に居候することになる。
梅木家
[編集]- 梅木 ちのり(うめき ちのり)
- ヒロイン。譲の同級生だが根っからの引きこもりで近所のコンビニへ買い出しに行くのを除いてろくに外出せず、成績は充足しているものの出席日数不足で留年している。趣味はコスプレ、オンラインゲーム、アニメ鑑賞、匿名掲示板荒らし。譲が梅木家を訪ねて来るより前に隣へ引っ越して来た譲を見て一目惚れし、初対面時にはだらしない格好で激しく取り乱していた。
- 梅木家の地下にある正十二面体の高エネルギー結晶・ドデカヘドロンを地底人による掠奪から守るため、ドデカヘドロンの力で超自宅警備少女ちのりに変身し、サスマタ・ザッパーを武器に闘う。
- 梅木 ちさき(うめき ちさき)
- ちのりの妹。姉と違って卓越した頭脳を持っている訳ではないが常識人で、特にちのりが譲を前に取り乱す時は暴力的に突っ込みを入れる。
- 梅木 千鶴(うめき ちづる)
- ちのり・ちさき姉妹の母。マイペース。
- 梅木 高史(うめき たかし)
- ちのり・ちさき姉妹の父。1年前からドデカヘドロンの高エネルギーによる空間歪曲で空間の狭間に迷い込み、行方不明となっている。
地底人
[編集]- ネムレル・サクネトゥ・マムナブラタスェ・シャヒネ
- 地底王国の王女。普段は深野(ふかの)と名乗り、パンの店「あなぼこや」で働いている。ドデカヘドロン掠奪に失敗して梅木家に捕虜として捕らわれるが、譲の提案によりドデカヘドロン掠奪を諦める代わりにちのりと地底王国でドデカヘドロンの共同研究を行う休戦協定が結ばれた。
- キリリナ
- 地底王国参謀長。普段は岩瀬(いわせ)と名乗り「あなぼこや」で働いている。ドデカヘドロン掠奪の総責任者であり、王女であるネムレルに対しても容赦無く失敗を糾弾する。
- マディスカ
- 地底王国親衛隊長。普段は谷(たに)と名乗り「あなぼこや」で働いている。肉弾戦には強いが頭の回転が遅く、ネムレルには頼り無いと思われている。
冥極寺家
[編集]- 冥極寺 碧子(みょうごくじ みどりこ)
- 譲の同級生で、政財界に絶大な影響力を持つ名家・冥極寺家の令嬢。校内では男女を問わず憧れの的となっているが本人は孤高を貫き、部活動にも所属していない。
- 当主である祖父・玄徹に早くからその才能を認められ、冥極寺家に代々伝わるもう一つのドデカヘドロンを安置した祭壇への出入りを許されている。梅木家と地底人の休戦協定が結ばれた後、梅木家の地下にあるドデカヘドロンを手に入れるために譲を軟禁状態に置き、自らもドデカヘドロンの力で変身してちのりと対決する。
- 曲直瀬(まなせ)
- 冥極寺家の執事。ネムレルら地底人に資金援助し、梅木家のドデカヘドロンを手に入れようとするが失敗に終わったことから強硬手段により私設部隊を動員して梅木家を襲撃させる。
- 冥極寺 徹太郎(みょうごくじ てつたろう)
- 碧子の父。当主である玄徹の実子であるが、目的の為には手段を選ばない玄徹と碧子の姿勢に疑問を抱いている。
その他の人物
[編集]- 湯本 健吉(ゆもと けんきち)
- 譲の同級生で、転校して最初に仲良くなった男友達。愛称はユモケン。
既刊一覧
[編集]- 超自宅警備少女ちのり 2008年11月30日初版 ISBN 9784797351774
- 超自宅警備少女ちのり2 エクストリーム・エグザミネイション 2009年3月31日初版 ISBN 9784797354157