貿易調節及通商擁護ニ関スル法律
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貿易調節及通商擁護ニ関スル法律 | |
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日本の法令 | |
通称・略称 | 通商擁護法 |
法令番号 | 昭和9年4月7日法律第45号 |
効力 | 失効 |
成立 | 1934年3月24日 |
公布 | 1934年4月7日 |
施行 | 1934年5月1日 |
主な内容 | 貿易調節および通商擁護 |
関連法令 | 貿易及関係産業ノ調整ニ関スル法律(貿易調整法)、貿易組合法、輸出入品等ニ関スル臨時措置ニ関スル法律、国家総動員法 |
条文リンク | 官報1934年04月07日 |
貿易調節及通商擁護ニ関スル法律(ぼうえきちょうせつおよびつうしょうようごにかんするほうりつ)は、かつて存在した日本の法律のひとつである。通商擁護法(つうしょうようごほう)とも。
概要
[編集]日本政府は、外国がとる、またはとろうとする措置に対応して貿易を調節し、または通商を擁護するため、特に必要があると認めるときは勅令が定めるところにより、関税調査委員会の議を経て、期間および物品を指定し、関税定率表別表輸入税表に定める輸入税のほか、その物品の価格と同額以下の輸入税を課し、もしくは輸入税を減免し、または輸出または輸入の禁止もしくは制限をすることができる(1条)。
本法は、昭和九年法律第四十五号(貿易調節及通商擁護ニ関スル件)施行期日ノ件(昭和9年4月30日勅令第117号)[1]によって、1934年(昭和9年)5月1日から施行された。
なお、本法は、朝鮮、台湾及び樺太についても施行されたほか[2]、南洋群島における貿易調節及び通商擁護に関しても、本法の規定によることとされた[3]。
また、本法は、3年間の時限立法として制定されたが、昭和九年法律第四十五号(貿易調節及通商擁護ニ関スル件)中改正法律(昭和11年5月23日法律第1号)[4]によって、3年間延長され、昭和九年法律第四十五号(貿易調節及通商擁護ニ関スル件)中改正法律(昭和15年4月2日法律第87号)[5]によって、さらに3年間延長された。
発動の例
[編集]1935年(昭和10年)、カナダは、日本に対してダンピング税でほとんど禁止的な制限策をとり、日本の外交交渉を肯んじなかったため、1935年(昭和10年)7月20日、本法に基づき向こう1年限りカナダからの輸入品に従価5割の付加税を課した。この結果、カナダの内閣更迭のためもあるが、翌1936年(昭和11年)1月1日から新協定が成立し、成功的結果を得たとされた。
1936年(昭和11年)5月、オーストラリアは、綿布および人絹布の輸入関税を引き上げるとともに、86品にわたる小品の輸入許可制を実施したため、日本もこれに対抗して1937年(昭和12年)6月、本法を発動し、オーストラリア産羊毛、小麦、小麦粉、屑羊毛、故羊毛に許可制を、そのほか6品に従価5割の付加税を実施した。これは、約半年ののち、同年12月26日、新協定を成立させ、通商関係を正常化するにちからあったとされた。
脚注
[編集]- ^ 官報1934年04月30日
- ^ 貿易調節及通商擁護ニ関スル法律(昭九法四五)ヲ朝鮮台湾及樺太ニ施行スルノ件(昭和9年4月30日勅令第118号)官報1934年04月30日
- ^ 南洋群島ニ於ケル貿易調節及通商擁護ニ関シ貿易調節及通商擁護ニ関スル法律(昭九法四五)ニ依ルノ件(昭和9年4月30日勅令第119号)官報1934年04月30日
- ^ 官報1936年05月23日
- ^ 官報1940年04月02日