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豊ヶ岡駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
豊ケ岡駅から転送)
豊ヶ岡駅
駅舎(2017年7月)
とよがおか
Toyogaoka
石狩月形 (4.7 km)
(2.5 km) 札比内
地図
所在地 北海道樺戸郡月形町豊ヶ丘
北緯43度21分59.87秒 東経141度42分50.48秒 / 北緯43.3666306度 東経141.7140222度 / 43.3666306; 141.7140222
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 札沼線(学園都市線)
キロ程 51.0 km(桑園起点)
電報略号 トヨ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1960年昭和35年)9月10日
廃止年月日 2020年令和2年)5月7日[報道 1]
備考 無人駅
路線廃止に伴う廃駅
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豊ヶ岡駅(とよがおかえき)は、北海道樺戸郡月形町字豊ヶ丘にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)札沼線(学園都市線)の廃駅)である。事務管理コードは▲130212[1]

概要

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1960年(昭和35年)9月に開業した、月形村豊ヶ丘地区(現在の月形町字豊ヶ丘)住民の要望により設置された請願駅である[2][3]。当時、駅から北西約5kmの山中にある月形炭鉱が1947年(昭和22年)に本格稼働するなど、駅周辺は発展していたが、炭質の低下や石炭需要の減少などで1963年(昭和38年)に閉山し、その後周辺に暮らす人も少なくなった[新聞 1]。駅は木々に挟まれ、細い砂利道の先に位置していることから、いわゆる「秘境駅」として人気が高まり、鉄道写真の撮影スポットとして知られていた[新聞 1][新聞 2][4]。廃線後も、ホームの保存が計画されている[5]

歴史

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1976年の豊ヶ岡駅と周囲約500m範囲。左が札幌方面。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来

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付近がゆるい丘陵性の地形で、ほとんどが農耕地であり、「五穀の豊かなみのりの地」であることを願って命名された[9]

駅構造

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単式ホーム1面1線(全長40m)を有していた地上駅[新聞 8]石狩当別駅が管理していた無人駅。開業当初はホームのみの駅であった[新聞 8]が、後に月形町により、広さ10ほどでトイレ付の木造待合室が設置され[新聞 3][新聞 4]、当駅の廃止まで使われた。

待合室に掲げられた木製駅名板は、1997年(平成9年)5月に北海道恵庭市に住む鉄道愛好家の男性が手作りし、設置したものである。「邪魔なら捨てられるだろう」とJR北海道には無断であったが、23年使われ続けた。廃止予定を知った男性がJR北海道を通じて月形町役場に連絡し、側面の署名から製作者本人と確認された。月形町役場は盗難を防ぐため最終運行後に取り外し、保存することを決めた[新聞 3][新聞 4]

2020年5月7日の北海道医療大学駅 - 新十津川駅間の廃止にあたって、同日未明にホームに設置されていた駅名標が撤去された[新聞 9]

利用状況

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  • 2011 - 2015年(平成23 - 27年)の乗降人員調査(11月の調査日)平均は「1名以下」[報道 5]
  • 2012 - 2016年(平成24 - 28年)の乗車人員(特定の平日の調査日)平均は1.2人[報道 6]
  • 2013 - 2017年(平成25 - 29年)の乗車人員(特定の平日の調査日)平均は1.0人[報道 7]
  • 2014 - 2018年(平成26 - 30年)の乗車人員(特定の平日の調査日)平均は1.2人[報道 8]、乗降人員調査(11月の調査日)平均は「3名以下」[報道 9]
  • 2015 - 2019年(平成27 - 令和元年)の乗車人員(特定の平日の調査日)平均は1.4人[報道 10]

駅周辺

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鉄道林に囲まれている。駅につながる道は未舗装の細い道である。駅への案内標識は、およそ1km離れた国道275号上に小さなものがあるだけで、付近の跨線橋からは駅を視認できるが、駅付近に標識は存在しない。

かつては近くに月形炭鉱が存在し、掘り出した石炭は、鉱口から当駅近くにある貯炭場まで運び、札沼線の貨車に載せていた[新聞 1]

廃止後

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札沼線の当駅を含む区間の路線廃止に伴い代替バス(月形浦臼線)が設定されたものの、同路線は札沼線の経路と異なり国道275号を直行するため、当駅付近には乗り入れていない[10]

レールが保存されている、当駅を含む石狩月形駅 - 札比内駅間7.2kmの区間を、地元有志によりトロッコとして整備する計画がある[11]

2021年(令和3年)2月に月形町が示した方針では、待合所を撤去し、ホームは保存する計画とされている[5]

隣の駅

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北海道旅客鉄道(JR北海道)
札沼線(学園都市線)
石狩月形駅 - 豊ヶ岡駅 - 札比内駅

脚注

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出典

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  1. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、220頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  2. ^ 札沼線豊ヶ岡駅【50代から始めた鉄道趣味】その84”. 鉄道チャンネル(株式会社エキスプレス). 2019年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月22日閲覧。
  3. ^ a b c 『週刊 JR全駅・全車両基地』、No.10、〈朝日新聞出版〉、2012年10月14日発行、pp.11。
  4. ^ “撮影目的? 線路内に立入、警笛が鳴っても応じず 98分列車を遅らせた男に怒りの声殺到”. エキサイトニュース. (2019年12月2日). オリジナルの2020年4月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200422110317/https://www.excite.co.jp/news/article/Real_Live_50489/ 2020年4月22日閲覧。 
  5. ^ a b 月形町札沼線鉄道跡地活用の基本方針(素案)” (PDF). 月形町. 2021年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月19日閲覧。
  6. ^ 「日本国有鉄道公示第430号」『官報』1960年9月2日。
  7. ^ 「通報 ●札沼線豊ヶ丘駅の設置について(営業局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1960年9月2日、3面。
  8. ^ a b 杉山茂「電化目前の学園都市線と専用気動車のこと」『鉄道ファン』第615号、交友社、2012年7月、27頁。 
  9. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、53頁。ASIN B000J9RBUY 
  10. ^ 月形浦臼線 全体路線図”. 月形町. 2020年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月9日閲覧。
  11. ^ 笑顔と笑顔のコンビネーション 札沼線トロッコ化計画”. レールネット北海道. 2020年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月22日閲覧。

報道発表資料

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  1. ^ a b 札沼線(北海道医療大学・新十津川間)の鉄道事業廃止届の提出について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2018年12月21日。オリジナルの2018年12月24日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20181224030823/http://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20181221_KO_Sassyoline.pdf2018年12月24日閲覧 
  2. ^ 札沼線(学園都市線)の電化について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2009年9月9日https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2009/090909-2.pdf2009年9月14日閲覧 
  3. ^ 札沼線(学園都市線)の電化開業時期について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2011年10月13日https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2011/111013-3.pdf2011年10月17日閲覧 
  4. ^ 札沼線(北海道医療大学・新十津川間)最終運行について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年4月16日。オリジナルの2020年4月16日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200416121422/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200416_KO_Sassyouline.pdf2020年4月16日閲覧 
  5. ^ 極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年12月10日閲覧。
  6. ^ 札沼線(北海道医療大学・新十津川間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道株式会社、2017年12月8日http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/senku/pdf/senku/01.pdf2017年12月10日閲覧 
  7. ^ 札沼線(北海道医療大学・新十津川間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、2018年7月2日。オリジナルの2017年12月31日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180704114928/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/01.pdf2018年7月4日閲覧 
  8. ^ 札沼線(北海道医療大学・新十津川間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  9. ^ 駅別乗車人員” (PDF). 全線区のご利用状況(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. 2020年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月20日閲覧。
  10. ^ 札沼線(北海道医療大学・新十津川間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人未満の線区(「赤色」「茶色」5線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月4日閲覧。

新聞記事

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  1. ^ a b c “札沼線 波乱の歴史 戦争で休止/炭鉱消え「秘境駅」に 廃止区間、地域支えた85年”. 北海道新聞. (2020年4月18日). オリジナルの2020年4月19日時点におけるアーカイブ。. https://archive.fo/FB56J 2020年4月22日閲覧。 
  2. ^ “線路で撮影?列車98分遅らす 札沼線・豊ケ岡駅 警笛にも立ち去らず”. 北海道新聞. (2019年12月1日). オリジナルの2019年12月1日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/HldlW 2020年4月25日閲覧。 
  3. ^ a b c “JR札沼線豊ヶ岡駅名板の作者判明 恵庭の佐藤さん、保存機に”. 北海道新聞. (2020年4月22日). オリジナルの2020年4月22日時点におけるアーカイブ。. https://archive.vn/NOlj4 2020年4月22日閲覧。 
  4. ^ a b c 紙面版:『北海道新聞』朝刊2020年4月23日(第4者海面)JR札沼線廃止区間の「秘境駅」豊ケ岡駅名板 作者は私です 恵庭の伊藤さん「さびしそう」23年前設置。
  5. ^ “札沼線・北海道医療大学-新十津川 20年5月7日に廃止”. 北海道新聞 どうしん電子版. (2018年12月8日). オリジナルの2018年12月17日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/qEpUj 2018年12月8日閲覧。 
  6. ^ “札沼線廃止、21日にも届け出 JR、沿線4町と覚書調印”. 北海道新聞 どうしん電子版. (2018年12月21日). オリジナルの2018年12月23日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/4BNpa 2018年12月23日閲覧。 
  7. ^ “JR札沼線、北海道医療大学-新十津川間が廃止へ 2020年5月、地元と合意”. 毎日新聞. (2018年12月20日). オリジナルの2018年12月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20181223073106/https://mainichi.jp/articles/20181220/k00/00m/040/147000c 2018年12月23日閲覧。 
  8. ^ a b "交通の不便、ようやく解消 札沼線の豊ヶ岡駅できる". 北海タイムス.(北海タイムス社). (1960年9月13日).
  9. ^ “札沼線静かに廃止 新十津川-道医療大 駅名標を撤去”. 北海道新聞. (2020年5月7日). オリジナルの2020年5月14日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/afj9M 2020年5月14日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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