諏訪地方連続放火事件
表示
諏訪地方連続放火事件(すわちほうれんぞくほうかじけん)とは、2006年(平成18年)4月から5月にかけて、長野県諏訪地方の諏訪市・諏訪郡下諏訪町で中学校の体育館・資材小屋・自動車が放火され全焼し、さらに茅野市でも放火が行われた連続放火事件。諏訪市在住の自称「熊田曜子ソックリさん」でくまぇりと名乗っていた当時20歳の女性(2016年に刑務所を出所)が、自身のブログで火災写真を掲載していたことでも注目された[1]。
概要
最初の事件は4月17日未明、女性宅近くにあった資材小屋。5月11日に諏訪市内の中学校体育館。26日には下諏訪町の自動車修理工場に駐車していた乗用車6台に火をつけ全焼させたほか、茅野市内のアパートの壁を焼いた。
女性は、自称ネットアイドルとしてブログを開設するなどしており、自ら放火した火災の様子を収めた写真を、近所で火災があったとして自身のブログに掲載していた。7月8日に女性が逮捕された後も関連サイトがすぐには閉鎖されなかったため、この事件はインターネット上でも「火事手伝い」として大きな話題となった[2]。
逮捕後の調べに対し女は、動機として「(いじめによる)母校への恨み」[3]や「地元(諏訪市)を有名にしたかった」などと供述していた[4]。
2007年4月9日、長野地方裁判所松本支部は、女性に対し懲役10年(求刑13年)の判決を言い渡した[4]。長野地方検察庁、女性双方が控訴しなかったため、この判決がそのまま確定判決となった。
その他
- 逮捕当日の2006年7月8日、女性は読者モデル「くまぇり」として総合週刊誌『SPA!』に掲載されるグラビアのため、水着姿による写真撮影をする予定になっていた。撮影に出向く直前に長野県警察の捜査員が自宅を訪れたが、撮影を行いたいという本人の意志が強く、女性捜査員が同行して撮影は予定通りに行われ、撮影終了直後に女性は逮捕された。このとき撮影された写真は、当初予定されていたグラビアアイドルの取り上げ方ではなく、ニュース写真として『SPA!』に掲載された[5][6]。
- 放火以外の事件に、道路に大きな石を置いて自動車の運転を妨害するという交通妨害をも行っていた[7]。
- 茅野警察署での勾留中に自殺を図ったが、自殺未遂に終わっていることが『創』2007年5月号に掲載された本人が判決前に綴った手記で明かされている[8]。
出典・脚注
- ^ 篠田博之 (2015年7月10日). “連続放火事件で服役中のくまぇりに8年ぶりに面会した”. Yahoo!ニュース. 2022年8月3日閲覧。
- ^ 須崎紅葉 (2006年7月11日). “熊田曜子似のブロガー”. アドネット. 2011年12月21日閲覧。
- ^ “体育館放火、認める 容疑者、諏訪の母校に「嫌なこと思い出した」”. 朝日新聞(東京朝刊・長野東北信): p. 27. (2006年7月28日)
- ^ a b “「くまぇり」懲役10年 連続放火「短絡的」”. 朝日新聞(東京夕刊): p. 17. (2007年4月9日)
- ^ 「今週の顔 People This Week」『SPA!』8月1日号、扶桑社、2006年、4頁。
- ^ “「くまぇり」が演じた 「ネットアイドル」とは何者だ”. J-CASTニュース (2006年7月13日). 2021年1月11日閲覧。
- ^ 光田宗義 (2006年7月31日). “諏訪連続放火:○○被告がほかに8件認める 再逮捕へ”. 毎日新聞. オリジナルの2006年8月6日時点におけるアーカイブ。 2014年8月8日閲覧。記事名に受刑者の実名が使われているため、その箇所を伏字とした。
- ^ “「くまぇり」獄中手記で激白 「本当人生終わりです」”. J-CAST ニュース (2007年4月9日). 2022年8月3日閲覧。