誕生殿
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誕生殿(たんじょうでん、マンミシ[1][2]、Mammisi, Mamisi)は、より大きな神殿に付属する小さな聖堂に用いられる用語で、エジプトにおいて神の誕生に関連する。マンミシという言葉は、「誕生の場所」(英: birth-place)および「誕生殿」(英: birth-house)を意味するコプト語に由来し、この単語の使用は19世紀のジャン=フランソワ・シャンポリオンによる[1]。誕生殿では、神と王との関係もよく示され、神の子である王の誕生において、ときにエジプト新王国の神殿でみられる「誕生の間」との関連も指摘される[2]。
エジプト末期王朝より配置された誕生殿において[1]、残存する最も重要な例はプトレマイオス朝およびローマ時代にある[3]。その時代に建てられた誕生殿の外壁にはよく、特徴的な柱間壁のある列柱廊が見られる[1][2]。その最も保存が良いものは、デンデラ神殿複合体にあるローマ時代の誕生殿であり、そこにはプトレマイオス朝時代の誕生殿もある[2]。また他の主な誕生殿としては、エドフ神殿、コム・オンボ神殿、フィラエ神殿、アルマント神殿のものがある[2]。
脚注
[編集]- ^ a b c d イアン・ショー&ポール・ニコルソン 著、内田杉彦 訳『大英博物館 古代エジプト百科事典』原書房、1997年、523-524頁。ISBN 4-562-02922-6。
- ^ a b c d e リチャード・H・ウィルキンソン 著、内田杉彦 訳『古代エジプト神殿大百科』東洋書林、2002年、73-74頁。ISBN 4-88721-580-0。(Richard H. Wilkinson. 2000. The Complete Temples of Ancient Egypt. 日本語訳)
- ^ Wilkinson, Richard H. (2000). The Complete Temples of Ancient Egypt. Thames & Hudson. p. 73