註釈学派
表示
註釈学派(ちゅうしゃくがくは、ドイツ語: Glossatoren)とは、11世紀から13世紀にかけて、古代ローマ法(とくにその集大成であるユスティニアヌス法典など)の主要文言に註釈をつけて解釈を行った法学者の一派。中心地はボローニャで、そのためまたの名をボローニャ学派とも呼ばれる。同様にその学説はイタリア学風とも呼ばれる。
富井政章・梅謙次郎が学んだフランス法の註釈学派は註釈学派 (フランス法)の項を参照。
解説
[編集]開祖はイルネリウス(Irnerius)で、彼らの研究成果の集大成である『標準註釈』(Glossa Ordinaria)はアックルシウス(Accursius)の手によるものである。
スコラ学を背景にユスティニアヌス帝によるローマ法大全を「書かれた理性」(ratio scripta)としてあたかも聖書のように絶対・完全無欠なものとみなして現在の法哲学のベースとなる哲学体系を確立した。
有名な学者としては、ブルガールス・デ・ブルガリニス(Bulgarus de Bulgarinis)、マルティーヌス・ゴシア(Martinus Gosia)、ヤコブス(Jacobus de Boragine)、フーゴ(Hugo de Porta Ravennate)の「法の百合」と称されたボローニャの四博士 (quattor doctores) がいる。また、次世代の学者にはヨハンネス・バッシアーヌス(Johannes Bassianus)と、その弟子であるアーゾ・ポルティウス(Azo Portius)がいるが、アーゾの『勅法彙纂集成』は実務を支配し、「アーゾを持たざる者は法廷に行くべからず」とまで言われた。
参考文献
[編集]関連項目
[編集]- 註解学派(バルトールス学派)
- 人文主義法学(フランス学風)
- 註釈学派 (フランス法)
外部リンク
[編集]- 日本大学貴重書・特別書コレクション(アゾ「勅法彙纂・法学提要集成」)