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西濃鉄道市橋線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
西鉄社章 市橋線
石灰石専用貨物列車を牽引するDE10形
石灰石専用貨物列車を牽引するDE10形
基本情報
起点 美濃赤坂駅
終点 乙女坂駅
駅数 2駅
開業 1928年12月17日 (1928-12-17)
所有者 西濃鉄道
使用車両 西濃鉄道#車両を参照
路線諸元
路線距離 2.0 km[1]
営業キロ 1.3 km[1]
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化方式 全線非電化
最高速度 30 km/h[2]
路線図

帰属:国土交通省「国土画像情報(カラー空中写真)」
配布元:国土地理院地図・空中写真閲覧サービス
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
exSTR
昼飯線
xABZg+l KDSTeq
西濃鉄道機関庫
ABZqr+r KBHFeq
0.0 美濃赤坂駅
STR2 STRc3
JR海東海道本線美濃赤坂支線
STRc1 STR+4
市橋線
eBHF
0.5 赤坂本町駅 -1945
DST
1.3 乙女坂駅
eKDSTxe
2.0 猿岩駅 -2022
exKDSTe
2.6 市橋駅 -2006

市橋線(いちはしせん)は、岐阜県大垣市美濃赤坂駅から乙女坂駅までを結ぶ、西濃鉄道鉄道路線である[1]

東海旅客鉄道(JR東海)東海道本線支線(通称、美濃赤坂線)の美濃赤坂駅を起点とする貨物線で、同駅構内の大垣方から分岐している。金生山から産出される石灰石を運ぶ貨物列車が運行されているが、戦前の1930年から1945年まで旅客営業を行っていたことがあり、大垣駅から市橋駅まで(のちに赤坂本町駅までに短縮)鉄道省ガソリンカー国鉄キハニ5000形、のちに国鉄キハ40000形)が直通運転していた[3]

路線データ

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運行形態

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乙女坂駅から名古屋臨海鉄道名古屋南貨物駅専用線が接続する日本製鉄名古屋製鉄所に向かう定期貨物列車が1日3往復運行されている[5]。出荷量によっては運休することがあるが、増発されることはない[3]。昼飯線については昼飯線の項を参照。

かつての旅客列車運行

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1930年(昭和5年)2月1日から、市橋駅 - 赤坂本町駅 - 美濃赤坂駅 - 国鉄大垣駅間で、国鉄キハニ5000形による直通運転を行っていた。のちに車両が国鉄キハ40000形に変更となるものの、機関は共にガソリンエンジンだったため、戦時中の燃料事情悪化に伴って1945年(昭和20年)4月に運転休止となった。以来、旅客のみを取り扱っていた赤坂本町駅も使われなくなり、廃止となった。現在は、一部が残されて駅があったことを示す石碑が建っている。[3]

なお、旅客営業区間は1935年(昭和10年)に赤坂本町駅 - 国鉄大垣駅間へと短縮されている[6]

歴史

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  • 1926年大正15年)12月6日:西濃鉄道が敷設免許取得[7]
  • 1928年昭和3年)12月17日:美濃赤坂駅 - 市橋駅間開業。貨物営業のみ[8]
  • 1930年(昭和5年)2月1日:美濃赤坂駅 - 市橋駅間で旅客営業開始。美濃赤坂駅 - 乙女坂駅間に赤坂本町駅開業。国鉄線からガソリンカー(国鉄キハニ5000形・のちにキハ40000形)直通運転[3][9][10]
  • 1935年(昭和10年)6月16日:赤坂本町駅 - 市橋駅間の旅客営業廃止[6]
  • 1945年(昭和20年)4月1日:全線の旅客営業廃止。赤坂本町駅廃止[3]
  • 2006年平成18年)3月31日:猿岩駅 - 市橋駅間廃止[11]
  • 2016年(平成28年)10月6日:美濃赤坂駅の東海道本線(美濃赤坂線)との分岐点から約700m北付近で、美濃赤坂駅へ向かっていた貨物列車が脱線(西濃鉄道市橋線脱線事故[12][13][14]
  • 2022年(令和4年)
    • 2月28日:乙女坂駅 - 猿岩駅間の廃止届提出[15]
    • 9月1日:乙女坂駅 - 猿岩駅間廃止[15]。同区間(美濃赤坂起点1.83 km - 2.0 km間)は乙女坂駅構内に編入される[16]

駅一覧

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  • 全駅岐阜県大垣市に所在。
  • ( )表記の駅は廃駅。総延長は全区間を[17]、営業キロは営業中の駅のみ記載[1]
駅名 営業
キロ

延長
接続路線・備考
美濃赤坂駅 0.0 0.0 西濃鉄道昼飯線(2006年廃止)[3]
JR東海東海道本線美濃赤坂線[3]
赤坂本町駅 - 0.5 1945年廃止(旅客駅)
乙女坂駅 1.3 1.3
猿岩駅 - 2.0 2022年廃止(廃止後、同駅地点までが乙女坂駅構内となる)[16]
市橋駅 - 2.6 2006年廃止

取扱貨物

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乙女坂駅では矢橋工業赤坂事業部(「金生山#金生山の鉱山・鉱脈」参照)が石灰石の発送を行っている[3]

猿岩駅はフタムラ化学向け二硫化炭素の名目上の着駅であったが、2008年(平成20年)頃に終了している。

脚注

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  1. ^ a b c d e f 西濃鉄道株式会社”. 西濃鉄道. 2023年7月17日閲覧。
  2. ^ a b 寺田裕一『データブック日本の私鉄』 - ネコ・パブリッシング
  3. ^ a b c d e f g h 松本典久「西濃鉄道」『貨物列車ナビ2013-2014』2013年、70頁、ISBN 9784056101010OCLC 857927216 
  4. ^ 鉄道統計年報平成28年度版 - 国土交通省
  5. ^ 石灰石を運ぶ貨物列車 西濃鉄道 岐阜・大垣市【現像】”. 岐阜新聞Web. 岐阜新聞社 (2022年11月13日). 2022年11月13日閲覧。
  6. ^ a b 「鉄道旅客運輸廃止実施」『官報』1935年6月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1926年12月9日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1928年12月24日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 『鉄道省年報. 昭和4年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 『地方鉄道及軌道一覧 : 附・専用鉄道. 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』 7 東海、新潮社、2008年、40頁。ISBN 978-4-10-790025-8 
  12. ^ “大垣の西濃鉄道で貨物列車3両が脱線”. 中日新聞 (中日新聞社). (2016年10月6日). オリジナルの2016年10月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161009125956/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016100690115745.html 2016年10月7日閲覧。 
  13. ^ “岐阜・大垣で貨物列車脱線 乗務員3人にけがなし”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2016年10月6日). オリジナルの2016年10月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161009132326/http://www.asahi.com/articles/ASJB6452TJB6OIPE00J.html 2016年10月7日閲覧。 
  14. ^ 鉄道事故調査報告書(RA2017-9-2)” (PDF). 運輸安全委員会 (2017年12月29日). 2018年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月8日閲覧。
  15. ^ a b 国土交通省鉄道局(監)『鉄道要覧 令和4年度版』電気車研究会、2022年、14頁。ISBN 978-4-88548-135-2 
  16. ^ a b 会社沿革”. 西濃鉄道. 2023年7月17日閲覧。
  17. ^ 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』 7号、新潮社、2008年、40頁。ISBN 978-4107900258 

関連項目

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外部リンク

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  • 廃線探索「市橋線」(歩鉄の達人) - 廃線区間のみならず全線に亘る各種設備の現状写真、および地図と空中写真