西太平洋海軍シンポジウム
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西太平洋海軍シンポジウム(WPNS、Western Pacific Naval Symposium)は、隔年(偶数年毎)で開催される、海軍の諸問題を討議するための太平洋諸国の会議。また、シンポジウムの合間となる奇数年には、WPNSワークショップが開催される。
歴史
[編集]1987年の国際シーパワーシンポジウムにおいて達した、「地域の海軍の指導者らが集い協力的なイニシアチブについて議論することができるフォーラムを設立する」との合意に基づき、1988年に最初の会議が開催された[1]。
2014年に中国山東省青島で開かれた会議では、海上衝突回避規範(CUES)が合意された[2][3]。なお、同時に開催された国際観艦式では海上自衛隊が招待されず、米国はこれに抗議して艦艇を派遣しなかった[4]。中国側は「シンポジウムと観艦式は別もの」と主張したが、その背景には尖閣諸島をめぐる対立があると見られる[5][6][7]。
2018年には、済州国際観艦式の一環として韓国ホストでWPNSが開催されたが、観艦式での旭日旗掲揚自粛を韓国側が求めたのに対し、海上自衛隊が護衛艦派遣を見合わせる措置をとった[8][9]。
日本は2022年にWPNSや国際観艦式を主催し当初は加盟国であるロシアも招待していたが、同国によるウクライナ侵攻を受け、各国海軍間の信頼醸成をはかるWPNSの前提条件が覆されたことを理由に6月に招待を取り消した[10]。
参加国
[編集]2021年10月21日現在、21の加盟国と8のオブザーバー参加国がある[11]。
加盟国
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オブザーバー参加国
[編集]脚注
[編集]- ^ “Fact Sheet: Background of the Western Pacific Naval Symposium, MCMEX, DIVEX and NMS”. Ministry of Defence (Singapore). (25 March 2011) 17 May 2015閲覧。
- ^ “日米中など21カ国、海上衝突回避規範で合意”. 日本経済新聞. (2014年4月22日) 2019年1月23日閲覧。
- ^ 「米国、中国観艦式に海軍艦船派遣せず=当局者」『Reuters』2014年4月4日。2022年3月16日閲覧。
- ^ “中国が日本を青島国際観艦式に招かない理由”. japanese.china.org.cn. 中国網_日本語 (2014年4月1日). 2022年3月16日閲覧。
- ^ “中国 国際観艦式に日本だけ招待せず”. j.people.com.cn. 人民網日本語版 (2014年4月1日). 2022年3月16日閲覧。
- ^ “中国、観艦式に海自招かず 米は艦船派遣見送り検討”. 日本経済新聞 (2014年3月30日). 2022年3月16日閲覧。
- ^ “韓国海軍「日本海上幕僚長、済州で開催のシンポジウム出席」”. 中央日報. (2018年10月18日) 2019年1月23日閲覧。
- ^ “【主張】旭日旗の掲揚 日本の「誇り」は譲れない”. 産経ニュース. (2018年10月11日) 2019年1月23日閲覧。
- ^ “日本開催の国際観艦式、ロシアの招待取り消し 防衛相”. 日本経済新聞. (2022年6月7日) 2022年6月7日閲覧。
- ^ “Who attends the Western Pacific Naval Symposium?”. フィリピン海軍. 2022年6月7日閲覧。