この項目「
補群 」は翻訳されたばかりのものです。不自然あるいは曖昧な表現などが含まれる可能性があり、このままでは読みづらいかもしれません。(原文:
19:22, 18 February 2022 )
修正、加筆に協力し、現在の表現をより自然な表現にして下さる方を求めています。
ノートページ や
履歴 も参照してください。
(2023年4月 )
この記事には
複数の問題があります 。
改善 や
ノートページ での議論にご協力ください。
信頼性について検証 が求められています 。確認のための情報源 が必要です。(2023年4月 )
補群 ( ほぐん 、( 英 : complement ) とは、数学 (特に群論 として知られる代数学 の分野) において、部分群 に対して定義される補集合 のような概念である。
群 G に於ける部分群 H の補群 とは、
G の部分群 K で以下の二条件を満たすものをいう[要検証 – ノート ]
H
K
=
G
,
{\displaystyle HK=G,}
H
∩
K
=
{
e
}
.
{\displaystyle H\cap K=\{e\}.}
ここで HK は部分集合 { hk | h ∈ H , k ∈ K } を、また e は単位元を表す。
なお、同じことであるが、
「任意の
g
∈
G
{\displaystyle g\in G}
が、
h
∈
H
,
k
∈
K
{\displaystyle h\in H,k\in K}
を使って
g
=
h
k
{\displaystyle g=hk}
と
一意的[ 訳注 1]
に表すことができる。」
と言い換えることができる。
この関係は対称性がある。すなわち、K が H の補群ならば、H は K の補群である
[ 訳注 2] 。
ここで、H および K については、必ずしも G の正規部分群 である必要はない。
補群は必ずしも存在するとは限らない。
もし補群が存在するとしても、それがただ一つとも限らない。すなわちG の相異なる部分群 K 1 および K 2 があって、ともに H の補群であるようなものが存在することもありうる。
もし K が G に於ける H の補群であるとき、K の要素は、H の (左右の) 剰余類 の完全代表系 を成す(下記補足説明も参照)。
H が正規部分群の場合は、補群 K は、商群 G /H と同型 である[ 訳注 3] 。補群が複数存在するならば、それらはすべて G /H と同型である。
シューア–ツァッセンハウスの定理 (英語版 ) は、有限群 の正規ホール部分群 の補群の存在を保証する。
三番目の性質について数式で書くと以下のようになる。
⋃
k
∈
K
H
k
=
G
{\displaystyle \bigcup _{k\in K}Hk=G}
かつ
この性質は以下のように簡単に証明できる。 [要出典 ]
最初の条件は、補群の定義の一番目の条件 G = H K より明らか。
二番目の条件は、もし
H
k
1
∩
H
k
2
≠
∅
{\displaystyle Hk_{1}\cap Hk_{2}\neq \emptyset }
ならば、ある
g
∈
G
{\displaystyle g\in G}
に対して、
h
1
,
h
2
∈
H
{\displaystyle h_{1},h_{2}\in H}
が存在して、
g
=
h
1
k
1
=
h
2
k
2
{\displaystyle g=h_{1}k_{1}=h_{2}k_{2}}
と二通りに表すことができる。
これは、最初の定義の所で述べた表し方の一意性 [ 訳注 1] に矛盾する。
この説明は、右剰余類のケースであるが、左剰余類についても同様である。
この節の
加筆 が望まれています。
(2023年4月 )
G
=
{
0
,
1
,
2
,
3
,
4
,
5
}
{\displaystyle G=\{0,1,2,3,4,5\}}
とし、群演算を6を法とする加法 とする。H と K をそれぞれ、
H
=
{
0
,
2
,
4
}
,
K
=
{
0
,
3
}
{\displaystyle H=\{0,2,4\},K=\{0,3\}}
とすると、H と K は G の部分群であり、互いに他方の補群になっている [ 注釈 1] 。
以下は、ある部分群に対して、補群が複数存在する例である。
群 G を、複素数全体に演算を加法とした
G
:=
(
C
,
+
)
{\displaystyle G:=(\mathbb {C} ,+)}
とする。実数全体
H
:=
R
{\displaystyle H:=\mathbb {R} }
は G の部分群である。ここで
K
1
:=
{
b
i
|
b
∈
R
}
{\displaystyle K_{1}:=\{bi|b\in \mathbb {R} \}}
(i は虚数単位)、つまり純虚数全体の集合とする。まず
K
1
{\displaystyle K_{1}}
が G の部分群であることはすぐに確かめられる。
H
∩
K
1
=
{
0
}
{\displaystyle H\cap K_{1}=\{0\}}
もすぐに分かるだろう。さらに、任意の複素数
c
=
a
+
b
i
(
a
,
b
∈
R
)
{\displaystyle c=a+bi\quad (a,b\in \mathbb {R} )}
に対して、
a
∈
H
,
b
i
∈
K
1
{\displaystyle a\in H,bi\in K_{1}}
であるから、
H
K
1
=
G
{\displaystyle HK_{1}=G}
も示される。従って、
K
1
{\displaystyle K_{1}}
は H の補群である。
K
2
:=
{
b
+
b
i
|
b
∈
R
}
{\displaystyle K_{2}:=\{b+bi|b\in \mathbb {R} \}}
とする。まず、これが G の部分群であることと、
H
∩
K
2
=
{
0
}
{\displaystyle H\cap K_{2}=\{0\}}
は容易に確かめられる。さらに、任意の複素数
c
=
a
+
b
i
(
a
,
b
∈
R
)
{\displaystyle c=a+bi\quad (a,b\in \mathbb {R} )}
に対して、
c
=
(
a
−
b
)
+
(
b
+
b
i
)
{\displaystyle c=(a-b)+(b+bi)}
と変形すれば、
a
−
b
∈
H
,
b
+
b
i
∈
K
2
{\displaystyle a-b\in H,b+bi\in K_{2}}
だから
H
K
2
=
G
{\displaystyle HK_{2}=G}
も満たす。
従って、
K
2
{\displaystyle K_{2}}
も H の補群である。(性質の二番目でも述べたが) 補群が複数存在する例である。
以下では逆に補群が存在しない例を示す。
整数全体の加法群
G
=
(
Z
,
+
)
{\displaystyle G=(\mathbb {Z} ,+)}
を考える。任意の部分群を
H
{\displaystyle H}
とし、その中から適当に元
a
{\displaystyle a}
を一つ取って固定する。すると、部分群の定義から
a
{\displaystyle a}
の倍数 [ 注釈 2] はすべて
n
a
:=
a
+
a
+
⋯
+
a
⏞
n
t
i
m
e
s
∈
H
{\displaystyle na:=\overbrace {a+a+\cdots +a} ^{ntimes}\in H}
でなければならない。
もし二つの部分群 H と K があれば、その中から適当に一元ずつ
a
∈
H
,
b
∈
K
{\displaystyle a\in H,b\in K}
を取り出せば
a
b
∈
H
,
b
a
∈
K
{\displaystyle ab\in H,ba\in K}
であり、明らかに
a
b
=
b
a
{\displaystyle ab=ba}
。従って (H か K のいずれかが
{
0
}
{\displaystyle \{0\}}
でない限り) 補群の条件に必要な
H
∩
K
=
{
0
}
{\displaystyle H\cap K=\{0\}}
を満たすことは決してない。よって、
(
Z
,
+
)
{\displaystyle (Z,+)}
の (非自明な) 部分群には対応する補群は存在しない。
補群は、直積 および 半直積 の一般化である。
一般の補群に対応する積を Zappa–Szép 積 (英語版 ) と呼ぶ。
H と K が非自明な場合
[ 注釈 3]
補群は、群 G を小さな部分群に分解する。 [訳語疑問点 ]
上に述べたように、補群は必ずしも存在するとは限らない。
p -補群(英 : p -complement )は、シロー p -部分群 の補群である。
Frobenius の定理や Thompson の定理によって、
群が正規 p-補群 (英語版 ) を持つ条件が示される。
Hall (英語版 ) は、有限群の中で可解群 を任意の素数 p に対して、p -補群を持つものとして特徴付けた。シロー系 の構成にも p -補群は利用される。
フロベニウス群 (英語版 ) に於けるフロベニウス核 (英語版 ) の補群はフロベニウス補群 (英語版 ) と呼ばれる。
Complemented group (英語版 ) とは、任意の部分群が補群を持つ群である。
^ 実際、
0
=
0
+
0
,
1
=
4
+
3
,
2
=
2
+
0
,
3
=
0
+
3
,
4
=
4
+
0
,
5
=
2
+
3
{\displaystyle 0=0+0,1=4+3,2=2+0,3=0+3,4=4+0,5=2+3}
であるから
H
K
=
G
{\displaystyle HK=G}
であり、明らかに
H
∩
K
=
{
0
}
.
{\displaystyle H\cap K=\{0\}.}
^ 今考えているのは環ではなく群であり、従って演算は加法しかない。倍数と言っても積 n a が (直接) 定義されているわけではないが、ここでは a を n 回足し算したものを n a と書くことにする。当然、通常の意味の掛け算と一致する
^ 一般に、G 自身と {e } を自明な部分群という。
この時、明らかに、
{
e
}
G
=
G
{
e
}
=
G
,
{
e
}
∩
G
=
{
e
}
{\displaystyle \{e\}G=G\{e\}=G,\{e\}\cap G=\{e\}}
であるから、
{e } と G は常に互いに補群の関係になる。
^ a b 実際、
h
1
,
h
2
∈
H
,
k
1
,
k
2
∈
K
{\displaystyle h_{1},h_{2}\in H,k_{1},k_{2}\in K}
が存在して
(
g
=
)
h
1
k
1
=
h
2
k
2
{\displaystyle (g=)h_{1}k_{1}=h_{2}k_{2}}
と書けたとすると、両辺に左から
h
2
−
1
{\displaystyle h_{2}^{-1}}
と右から
k
1
−
1
{\displaystyle k_{1}^{-1}}
を
掛けることにより、
h
2
−
1
h
1
=
k
2
k
1
−
1
{\displaystyle h_{2}^{-1}h_{1}=k_{2}k_{1}^{-1}}
となる。ここで、H も K も部分群であるから、演算で閉じているので
h
2
−
1
h
1
∈
H
{\displaystyle h_{2}^{-1}h_{1}\in H}
かつ
k
2
k
1
−
1
∈
K
{\displaystyle k_{2}k_{1}^{-1}\in K}
となるが、二番目の条件
H
∩
K
=
{
e
}
{\displaystyle H\cap K=\{e\}}
より
h
2
−
1
h
1
=
k
2
k
1
−
1
=
e
{\displaystyle h_{2}^{-1}h_{1}=k_{2}k_{1}^{-1}=e}
でなければならない。よって
h
1
=
h
2
,
k
1
=
k
2
{\displaystyle h_{1}=h_{2},k_{1}=k_{2}}
が成立。
^
実際、K が H の補群とする
任意の
g
∈
G
{\displaystyle g\in G}
に対して、群の定義から
g
−
1
∈
G
{\displaystyle g^{-1}\in G}
であるから、
補群の定義の一番目の式によって、ある
h
∈
H
,
k
∈
K
{\displaystyle h\in H,k\in K}
が存在して、
g
−
1
=
h
k
{\displaystyle g^{-1}=hk}
と書ける。
従って
g
=
k
−
1
h
−
1
,
k
−
1
∈
K
,
h
−
1
∈
H
{\displaystyle g=k^{-1}h^{-1},k^{-1}\in K,h^{-1}\in H}
であるから、
G
⊂
K
H
{\displaystyle G\subset KH}
となる
(
G
⊃
K
H
{\displaystyle G\supset KH}
は明らか)。
また、第二式については
K
∩
H
=
H
∩
K
=
{
e
}
{\displaystyle K\cap H=H\cap K=\{e\}}
より自明。
^ 実際、
∀
k
∈
K
{\displaystyle \forall k\in K}
に対して、
φ
(
k
)
=
k
H
{\displaystyle \varphi (k)=kH}
と対応させれば
φ
(
k
1
)
φ
(
k
2
)
=
φ
(
k
1
k
2
)
{\displaystyle \varphi (k_{1})\varphi (k_{2})=\varphi (k_{1}k_{2})}
(つまり群準同型) であるがすぐに示せる。さらに、三番目の性質を使えば、
φ
{\displaystyle \varphi }
が全単射であることも証明できる