補体第1成分
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補体第1成分(英: complement component 1、C1)またはC1複合体(英: C1 complex)は、補体系に関与するタンパク質複合体である。古典的補体経路における1番目の構成要素であり、C1q、C1r、C1sと呼ばれるサブコンポーネントから構成される[1][2][3]。
構造
[編集]C1複合体のサイズは約790 kDaである。1分子のC1q、2分子のC1r、2分子のC1sから構成され、C1qr2s2とも表される[2][3][4]。
機能
[編集]古典的補体経路は、C1の活性化によって開始される。C1の活性化は、C1qが抗原抗体複合体に結合することで引き起こされる。抗原と複合体を形成したIgM抗体もしくは特定のサブクラスのIgG抗体が補体経路を開始することができる。五量体型IgMは1分子で経路を開始することができるが、単量体型IgGによる開始には数分子のIgGが必要である[3]。C反応性蛋白などのペントラキシンへの結合や、病原体表面への直接的結合など、他の方法でもC1qは活性化される場合がある[1][2]。
こうした結合によってC1qにはコンフォメーション変化が生じ、結合しているC1r分子が活性化される。活性型C1rは、C1sを切断して活性化する。活性型C1sはC4、その後C2を切断し、C4aとC4b、C2aとC2bを生み出す。古典経路のC3転換酵素(C4bC2b複合体)が形成されることで、C3の切断が促進される[1]。
出典
[編集]- ^ a b c Janeway, CA Jr (2001年). “The complement system and innate immunity”. Immunobiology: The Immune System in Health and Disease. New York: Garland Science. 29 December 2017閲覧。
- ^ a b c Abbas, Abul (2015). Cellular and molecular immunology. Philadelphia, PA: Elsevier Saunders. pp. 70–71. ISBN 978-0-323-28645-9
- ^ a b c A., Owen, Judith (2013). Kuby immunology. Punt, Jenni., Stranford, Sharon A., Jones, Patricia P., Kuby, Janis. (7th ed.). New York: W.H. Freeman. pp. 190–194. ISBN 9781429219198. OCLC 820117219
- ^ Venkatraman Girija, Umakhanth; Gingras, Alexandre R.; Marshall, Jamie E.; Panchal, Roshni; Sheikh, Md. Arif; Harper, James A. J.; Gál, Péter; Schwaeble, Wilhelm J. et al. (20 August 2013). “Structural basis of the C1q/C1s interaction and its central role in assembly of the C1 complex of complement activation” (英語). Proceedings of the National Academy of Sciences 110 (34): 13916–13920. Bibcode: 2013PNAS..11013916V. doi:10.1073/pnas.1311113110. ISSN 0027-8424. PMC 3752233. PMID 23922389 .
関連文献
[編集]外部リンク
[編集]- Complement C1 - MeSH・アメリカ国立医学図書館・生命科学用語シソーラス