ジャノメ
本社外観 | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
本社所在地 |
日本 〒193-0941 東京都八王子市狭間町1463 |
設立 | 1950年(昭和25年)6月27日 |
業種 | 機械 |
法人番号 | 7010101008876 |
事業内容 |
ミシン製造・販売 産業機器製造・販売 |
代表者 | 齋藤真(代表取締役社長CEO) |
資本金 | 113億72百万円[1] |
発行済株式総数 | 19,521,444株[1] |
売上高 |
単体 309億95百万円 連結 438億39百万円 (2021年3月期)[1] |
純資産 |
単体 214億88百万円 連結 303億16百万円 (2021年3月期)[1] |
総資産 |
単体 417億44百万円 連結 536億74百万円 (2021年3月期)[1] |
従業員数 |
単体 596名、連結 3,445名 (2021年3月31日現在)[1] |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
大栄不動産(株) 7.95% 日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口) 6.46% (株)りそな銀行 3.92% (株)日本カストディ銀行(信託口) 2.00% (2021年3月31日現在)[1] |
主要子会社 |
ジャノメダイカスト(株) 100% (株)ジャノメクレディア 97% (株)ジャノメサービス 100% |
関係する人物 |
加藤澄一(元社長) 眞壁八郎(元社長) 大場道夫(元社長) |
外部リンク |
janome |
株式会社ジャノメ(英: JANOME Corporation)は、東京都八王子市狭間町に本社を構える、日本のミシンメーカーである。日本初の国産ミシンメーカーであり、日本ではブラザー工業、JUKIとともに大手3大ミシン会社として名が知れ渡っている。
2021年9月30日までの商号は蛇の目ミシン工業株式会社(じゃのめミシンこうぎょう、英: JANOME SEWING MACHINE CO., LTD.)。
概要
[編集]世界で最初に家庭用刺繍ミシン「グラフイカ」を開発・販売したメーカーであり、ミシンのほかに、かつては24時間風呂「湯名人」でも有名であったが、現在は製造販売を終了[2]している。
ミシン業界は伝統的に訪問販売が多く、更に女性向け商品が多いため、販売支店では母子家庭の人間の採用に積極的である。最近では羽毛布団・整水機・鋳造(航空宇宙、レース用バイク等)・産業機器・印刷など、ミシン以外の分野にも幅広く手を伸ばしている。りそな銀行(旧・埼玉銀行)をメインバンクとしており、後述の光進事件の影響により現在も埼玉銀行の不動産部門から独立した大栄不動産が筆頭株主となっている。
社名の「蛇の目」は自社で販売していたミシンの糸巻の形の形式が蛇の目式と呼ばれていたことから[3]、自社ブランドにしたもの(但し、加藤龍之他編の「社史」によれば、「糸巻」の見た目が「蛇の目」紋に似ていたからで、同様の「弦巻」も候補にあったという)。日本国外ではエルナニューホームブランドとしてのミシンの販売も行っている。
第二次世界大戦中は沖電気工業の傘下に入ったが、安田財閥の一員だった同社は戦後に財閥解体の対象となって事業分割を行い、1949年に蛇の目ミシンが復活した。これに先立つ1947年には旧経営陣の復帰運動が起こり、この時は実現しなかったが、その際に旧経営陣が設立した「リッカーミシン株式会社」から1952年に旧経営陣が復帰し、その後の経営の中核となった。
1988年にミシン外機器製造を分社化し、「ジェー・シー・エル」という子会社を設立したが、直後に「蛇の目ミシン工業恐喝事件」の迂回融資の舞台となり(仕手集団「光進」の小谷光浩による蛇の目株買占めで300億円を恐喝・更に1850億円の債務を肩代わりした)、1992年1月23日に特別清算した。同社の当期純利益は1990年度と1991年度の2年合計で323億円の損失となり、[注 1]、1994年度までの5年間では累計で423億円の当期純利益損失となった[4]。
もともと埼玉銀行出身者が代表権のある社長・会長に就任していたが、この事件により役員を協和埼玉銀行から追加派遣される事態となっている。
また、女性の就業構造の変化により家庭用ミシンの需要が低下したことで、同社は24時間入浴が可能な循環式風呂「湯名人」を1988年から販売を開始し、第二の主力事業としてテレビCMの出稿など積極的な宣伝を行ったが、1997年以降に大きく社会問題化したレジオネラ症問題で大きな打撃を受け、その後継商品も2021年3月限りの在庫で販売を終了した[5][注 2]。
その結果、売上高は最高値だった1990年度の934億円が1998年度にはほぼ半減の487億円へと急落し、リーマン・ショックの影響を受けた2009年度には連結決算導入後最低の357億円となった。
この経営危機と負債処理のために同社は京橋の本社ビルなどを売却し、2009年には工場内の再開発を終えた八王子市の東京工場内に本社機能を京橋の本社ビルから移転した。また、2021年の創業100周年を契機に社名を現在の「株式会社ジャノメ」へ変更した。
沿革
[編集]- 1921年(大正10年)10月16日 - 小瀬與作、龜松茂、飛松謹一により「パインミシン裁縫機械製作所」として北区滝野川に創業[1][6]。
- 1935年(昭和10年)11月 - 社名を「帝国ミシン株式会社」に変更[1]。
- 1936年(昭和11年)8月 - 本社を当時の中野から日本橋(現在の江戸橋1丁目12番地)へ移転。
- 1944年(昭和19年)4月 - 社名を「帝国精機製造株式会社」に変更。沖電気工業の傘下に入り、潜水艦を補足するための「音響兵器」としてソナー(水中電波探知機)を製作。
- 1945年(昭和20年)
- 3月 - 東京大空襲により日本橋の本社ビルが焼失。
- 9月 - 社名を「帝国ミシン株式会社」へ回帰。
- 1949年(昭和24年)1月 - 社名を「蛇の目ミシン株式会社」に変更[1]。
- 1950年(昭和25年)6月 - ドッジライン不況による経営悪化の対策として「蛇の目産業株式会社」設立[1]。
- 1954年(昭和29年)4月 - 社名を「蛇の目ミシン工業株式会社」と変更[1]。
- 1960年(昭和35年)9月 - 米国フリーソーイングマシン社のミシン部門の営業および子会社のニューホームミシン社(現・ジャノメアメリカ)を買収[1]。
- 1962年(昭和37年)9月 - 東京証券取引所市場第二部へ株式を上場[1]。
- 1963年(昭和38年)11月 - 東京証券取引所市場第一部へ指定替え[1]。
- 1965年(昭和40年)9月 - 本社を中央区京橋3丁目2番地に構える[1]。
- 2006年(平成18年)8月 - エルナインターナショナル株式会社を買収[1]。
- 2009年(平成21年)7月6日 - 本社を八王子市狭間町の東京工場(通称:八王子地区事業所)内へ移転[1]。
- 2012年(平成24年)3月4日 - 吉祥寺に直営店「Bobinage(ボビナージュ)」を開店。
- 2021年(令和3年)10月1日 - 創業100周年を機に社名を「株式会社ジャノメ」に変更[7][8]。
- 2022年(令和4年)9月30日 - 2023年3月末をもって訪問販売から撤退し、全ての営業支店(68店)を閉鎖することを発表[9]。
製品
[編集]所在地
[編集]- 本社、研究開発本部、生産本部(東京都八王子市)
グループ会社
[編集]日本国内
[編集]日本国外
[編集]- 販売会社
- ジャノメアメリカ株式会社
- ジャノメUK株式会社
- ジャノメオーストラリア株式会社
- ジャノメニュージーランド株式会社
- ジャノメカナダ株式会社
- ジャノメヨーロッパ株式会社
- エルナスイス株式会社
- ジャノメドイツ有限会社
- ジャノメメキシコ有限会社
- ジャノメラテンアメリカ有限会社
- ジャノメブラジル有限会社
- Janome Industrial Equipment USA, Inc.
- Janome Industrial Equipment Europe GmbH
- 車楽美機械設備(上海)有限公司
- 台湾車楽美縫衣 機股份有限公司
- 生産会社
スポンサー活動
[編集]いずれも過去スポンサーをした番組。現在行っているスポンサー活動はない。
- 日本テレビ系列『スターハイライトショー』(一社提供)、『スター誕生!』(1976年10月から1981年3月まで)、『火曜サスペンス劇場』
- TBS系列『日本一のおかあさん』『JNNニュースデスク』
- フジテレビ系列『ヘッケルとジャッケル』(一社提供)、『3時のあなた』→『タイム3』→『タイムアングル』→『TVクルーズ となりのパパイヤ』→『3時ヨこい!』→『ビッグトゥデイ』
- テレビ朝日系列『海江田万里のパワフルサタデー』(朝日放送制作、唯一の在阪準キー局制作番組)
- テレビ東京系列『いい旅・夢気分』
関連項目
[編集]- 光進事件
- 東京スクエアガーデン - 京橋の本社跡地。
- 武蔵小金井駅 - かつて小金井市にも工場がありその最寄駅であった。今でも駅から工場跡へ通じる商店街に「蛇の目通り」の名前が残る[10]。
- ハッピージャパン - シンガーミシンの製造・販売を行う同業企業。帝国ミシン時代の協力会社だった。
- 小山武明 - 「タケ小山」の名前で活動するゴルフ評論家。一時期、当時の蛇の目ミシン工業の子会社、「蛇の目ミシン開発」が経営していた「蛇の目ミシン高尾スポーツクラブ」(現・本社所在地)所属のレッスンプロとして活動[11]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r “有価証券報告書-第95期”. 蛇の目ミシン工業. 2021年9月19日閲覧。
- ^ ジャノメの24時間風呂 2021年4月4日閲覧
- ^ “蛇の目ミシン工業|社名の由来”. 2021年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月3日閲覧。
- ^ 『ジャノメ100年史』2022年6月、8頁。
- ^ “24時間風呂「湯名人」「湯あがり美人」販売終了のお知らせ”. 株式会社ジャノメ. 2022年10月30日閲覧。
- ^ “社名変更のお知らせ/会社紹介ムービー - ニュース・トピックス | JANOME コーポレートサイト”. www.janome.co.jp. 2023年10月1日閲覧。
- ^ “TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ”. www.tsr-net.co.jp. 2023年10月1日閲覧。
- ^ 『社名変更のお知らせ』(プレスリリース)株式会社ジャノメ、2021年10月1日 。2021年10月1日閲覧。
- ^ “ミシンのジャノメ、時代の変化で訪問販売からの撤退へ”. 東京商工リサーチ (2022年9月30日). 2022年9月30日閲覧。
- ^ ★蛇の目通り商店会 小金井商工会議所 2017年12月8日閲覧
- ^ “講師派遣NAVI「タケ小山」”. 講師派遣NAVI. 2022年10月30日閲覧。