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祖別命

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
落別王から転送)

祖別命(おおじわけのみこと/おおぢわけのみこと、生没年不詳)は、記紀等に伝わる古代日本皇族

第11代垂仁天皇皇子である。『日本書紀』『古事記』とも事績に関する記載はない。

名称

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表記は次のように文書によって異なる。本項では表記を「祖別命」に統一して解説する。

系譜

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(名称は『日本書紀』を第一とし、括弧内に『古事記』ほかを記載)

第11代垂仁天皇と、山背大国不遅(山代大国之淵)娘の苅幡戸辺(かりはたとべ、苅羽田刀弁)との間に生まれた皇子である。同母弟には五十日足彦命(いかたらしひこ、五十日帯日子王)、胆武別命(いたけるわけ、伊登志別王<いとしわけ>)がいる。

先代旧事本紀』「天皇本紀」では命を産んだ垂仁天皇の妃を丹波道主王娘の真砥野媛(まとのひめ)とし、同母兄に磐撞別命(磐衝別命:記紀では異母兄弟)があると異伝を記す[原 3]。また「国造本紀」では、三世孫として武伊賀都別命(たけいがつわけのみこと)の名を伝える[原 5]

妻・子について史書に記載はない。

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衣之君落別王命陵碑
愛知県豊田市

祖別命の墓に関して史書に記載はなく、宮内庁から公式に治定された墓はない。

伝承として、愛知県豊田市久保町の児ノ口社北緯35度5分22.14秒 東経137度9分39.16秒 / 北緯35.0894833度 東経137.1608778度 / 35.0894833; 137.1608778 (児ノ口社(伝・祖別命墓)))境内には命の墓という前方後円墳があったといわれ[1]、「衣之君落別王命陵」の石碑が建てられている。

後裔

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氏族

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小槻神社滋賀県草津市
小槻山君氏神として、命を祀る。

祖別命の子孫について、『古事記』では「小月之山君・三川之衣君」[原 1]、『新撰姓氏録』では「小槻臣」が記される[原 4]

  • 三川衣君(みかわのころものきみ)
    三河国賀茂郡挙母郷(現・愛知県豊田市)を拠点としたとされる豪族[2]。当地には児ノ口社が残り、伝承を伝える。関連して、『古事記』では同じく垂仁天皇皇子の大中津日子命の子孫として「許呂母之別(ころものわけ)」の記載が見える。

国造

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脚注

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原典

  1. ^ a b 『古事記』垂仁天皇記。
  2. ^ 『日本書紀』垂仁天皇紀。
  3. ^ a b 『先代旧事本紀』「天皇本紀」垂仁天皇条(『国史大系 第7巻』(経済雑誌社、1897年-1901年、国立国会図書館デジタルコレクション)183コマ参照)。
  4. ^ a b 『新撰姓氏録』小槻臣条(『群書類従 第十六輯』(経済雑誌社、1898年-1902年2版、国立国会図書館デジタルコレクション)75コマ参照)。
  5. ^ a b c 『先代旧事本紀』「国造本紀」伊賀国造条(『国史大系 第7巻』(経済雑誌社、1897年-1901年、国立国会図書館デジタルコレクション)216コマ参照)。

出典

  1. ^ 児ノ口社境内の由緒書。
  2. ^ a b 本居宣長『古事記伝』二十四之巻(『古事記伝 第3』(日本名著刊行会、1930年、国立国会図書館デジタルコレクション)248コマ)。
  3. ^ a b 『国造制の研究 -史料編・論考編-』(八木書店、2013年)p. 164。

参考文献

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  • 『日本古代氏族人名辞典 普及版』(吉川弘文館、2010年)阿保氏項、小槻氏項

関連項目

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