コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

茂木弘行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
彫刻家 茂木 弘行 (もぎ ひろゆき)
W.ウェストン像を制作する作家本人
生誕 新潟県
国籍 日本の旗 日本
出身校 東京藝術大学大学院
著名な実績 彫刻(専業)
代表作 雪椿の乙女, ゆめ, かげ, はな, おはなし(乙女と鳩)
公式サイト mogi.handcrafted.jp
影響を受けた
芸術家
舟越保武, 山本豊市

茂木 弘行(もぎ ひろゆき、1945年 - )は、日本の彫刻家である。東京藝術大学大学院修了。新樹会展招待出品。無所属。

来歴

[編集]

新潟県出身。新潟県立巻高等学校卒業。東京藝術大学美術学部彫刻科(山本豊市教授に師事)を経て、東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。舟越保武教室。1966年より新樹会展に出品(日本橋三越本店。以降毎回)。1969年にサロン・ド・プランタン賞受賞。1971年より同大学助手。1973年に同大学を退官し、彫刻制作専業の道へと進む。1977年にヨーロッパを巡遊し、イタリア・ローマに滞在する。制作に専念できる環境を求めて、1983年にアトリエを東京・世田谷から郷里の新潟に移す[1]

いずれの公募展にも出品せず、一貫して個展・グループ展のみを発表の場とするとともに、国内外からモニュメントなどの制作依頼を数多く受けるなど、昭和~平成~令和にわたり、具象彫刻界の第一線で活動している[2]

作風

[編集]

凛とした佇まいの女性を中心としたブロンズ像は、都市空間の中で共生している。その作品群の多さは、多岐にわたる依頼主による厳選した評価として検証できる[3]

一点一点のフォルムを納得ゆくまで追求し続けられる厳しい眼と、人一倍深い情念から生まれる作品は、清楚で、優しく、若さと躍動感に満ち溢れている[2]

主な彫刻作品の設置場所

[編集]

作品は、海外の国際機関をはじめ、国内各地のパブリックスペース(駅コンコース、キャンパス、公園、美術館、行政庁舎など)に設置されている[1]

海外

[編集]

WHO(世界保健機関)などから制作依頼を受けて、1979年にスイス・ジュネーヴのWHO本部、ニューヨークドレイパー世界人口基金ロビーに作品が設置される[1]

国内

[編集]
鉄道駅
旅客を迎える「雪椿の乙女」(新潟駅新幹線コンコース)
「雪椿の乙女」の案内サイン
  • 東急田園都市線・青葉台駅コンコース[北口](横浜市)
  • JR東日本上越新幹線・新潟駅新幹線コンコース
その他のパブリックスペース
  • 横手市学校橋・橋上公園(秋田)
  • 銀座花椿通り(東京・銀座7-8丁目)
  • 有楽町マリオン(旧TOHOシネマズ日劇)(東京)
  • 立川市役所(東京)
  • 相鉄ライフ南まきが原(神奈川)
  • 新潟市役所本館
  • 新潟市西川ふれあい公園 - 水道記念公園
  • 親不知コミュニティロード(新潟・糸魚川市)
  • 袋井市役所(静岡)
  • 栄NOVA(名古屋)
  • 舞鶴市松島公園(京都)
  • 舞鶴市明倫緑地(京都)
  • 姫路市大手前通り(兵庫)
  • 呉市美術館通り(広島)
  • 広島市幟町中学校前「文化の道」
  • 北九州市立美術館「美術の森公園」
  • 佐伯市野岡緑道(大分)
住居施設
  • 三菱地所「パークハウス多摩川」(東京)
  • 相鉄・三井不動産「ステージ星川」(横浜市)
  • 相鉄「箱根エグゼクティブコート」(神奈川・強羅)
  • 東急ドエル鎌倉ビレジ
文教施設
  • 青森公立大学
  • 東北文化学園大学(仙台市)
  • 城西大学(埼玉・坂戸市)
  • 日本社会事業大学(東京・清瀬市)
  • 新潟県立新潟中央高等学校
  • 新潟県立巻高等学校
  • 新潟市立西川中学校
  • 新潟市西川図書館
  • 長岡赤十字看護専門学校(新潟)
  • 愛知芸術文化センター「愛知県図書館」(名古屋)
社屋ほか
  • ケアハウス「ボナール十和田」(青森)
  • 株式会社武蔵野(埼玉・朝霞市)
  • テルモ株式会社湘南センター(神奈川)
  • アクシアル リテイリング株式会社 - 原信ナルスHD元社長、旧全国スーパーマーケット協会元理事長 原信一氏胸像(新潟・長岡市)
  • 上村工業株式会社中央研究所(大阪・枚方市)
  • 株式会社コーダ(大阪)
  • 日本製鉄株式会社大阪支社(旧住友金属工業株式会社本社)- 第8代関西経済連合会会長 日向方齊氏胸像
  • 株式会社タコー(岐阜)
  • 淡路カントリー倶楽部(兵庫)
  • 北六甲カントリー倶楽部(兵庫)

褒章・メダル

[編集]
  • 一般財団法人日本科学技術連盟「日本品質管理賞(現デミング賞大賞)」
  • NHK山形放送局「NHK東北ふるさと賞」
  • 大成建設株式会社
  • 日野自動車株式会社
  • マツダ株式会社
  • 三菱自動車工業株式会社

主な作品

[編集]
  • 1982年「雪椿の乙女」JR東日本上越新幹線・新潟駅新幹線コンコースほか
  • 1987年 日本赤十字社新潟県支部創立100周年記念モニュメント「玲瓏」長岡赤十字看護専門学校(新潟)
  • 1984年「雪椿の乙女Ⅱ」広島市幟町中学校前「文化の道」
  • 1988年 日本近代登山の父・イギリス人宣教師「ウォルター・ウエストン像」[4]親不知コミュニティロード(新潟・糸魚川市)
  • 1989年「雪椿の乙女'82」北九州市立美術館「美術の森公園」
  • 1991年「ゆめ[5]呉市美術館通り(広島)、東急田園都市線・青葉台駅コンコース[北口](横浜市)
  • 1992年「かげ」姫路市大手前通り(兵庫)
  • 1993年「はな」[6]銀座花椿通り(東京・銀座7-8丁目)
  • 1995年 終戦50年記念平和祈念像「おはなし(乙女と鳩)」[7]立川市役所(東京)
  • 2000年「水辺」新潟市西川ふれあい公園 - 水道記念公園
  • 2005年「空の音色」新潟市西川図書館
「空の音色」(新潟市西川図書館)

主な出版物

[編集]
  • 「茂木弘行」『国際彫刻展 : ロダンにはじまる創造の軌跡 : 近代から現代まで』、岩手日報社、1980年。
  • 「茂木弘行」『国際巨匠彫刻展 : 小倉玉屋開店45周年記念』、小倉玉屋、1983年。
  • 「茂木弘行」『11-show '85 : 遊象展』、ギャラリーせいほう、1985年。
  • 「茂木弘行彫刻展」、西武百貨店、1986年。
  • 「茂木弘行彫刻展 HIROYUKI-MOGI」、松坂屋本店美術部、1988年。
  • 「今月のこの作家・この作品(彫刻)/茂木弘行」『月刊美術』、実業之日本社、1986年、p65~67。
  • 「現代彫刻4人展 : 具象の熱きかたち : 島田勝吾、茂木弘行、杉山惣二、笹戸千津子」、西武アート・フォーラム、1991年。
  • 「茂木弘行」『今日の素描展 : デッサン・フォーラム』、有楽町西武、1992年。

関連項目

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c 彫刻家 茂木弘行 Web Gallely”. 彫刻家 茂木弘行 公式ウェブサイト. 2024年5月1日閲覧。
  2. ^ a b 『茂木弘行彫刻展 HIROYUKI-MOGI』松坂屋本店美術部、1988年。 
  3. ^ 活躍するOB 昭和38年(1963年)卒 彫刻家 茂木弘行さん”. 巻タリアンニュース. 2013年3月16日閲覧。
  4. ^ 第2章 登山普及の双璧”. 「本の万華鏡」第18回「登山事始め―近代日本の山と人」. 国立国会図書館デジタルコレクション. 2024年5月15日閲覧。
  5. ^ ゆめ”. 文化遺産オンライン. 文化庁. 2024年5月15日閲覧。
  6. ^ 銀座花椿通りとは”. 銀座花椿通り公式ウェブ. 2024年5月15日閲覧。
  7. ^ 作品一覧 GALLERY LIST”. - まち全体が美術館 - Tachikawa Art Collection. 2024年5月15日閲覧。

外部リンク

[編集]