若尾圭介
若尾 圭介(わかお けいすけ、1962年4月19日 - )は、日本のオーボエ奏者。1990年よりボストン交響楽団準首席オーボエ奏者、およびボストン・ポップス・オーケストラ首席オーボエ奏者を務める[1]。
ボストン・ポップスの桂冠指揮者でもある作曲家ジョン・ウィリアムズはオーボエ協奏曲 (Oboe Concerto for Keisuke Wakao) を若尾のために作曲しており、2011年5月にウィリアムズ指揮のもと、若尾の独奏とボストン・ポップスによって世界初演された[2][3]。現在アメリカ、日本を中心に演奏活動[4]、また数々のコンサートの企画を行い、そしてボストンのニューイングランド音学院、ロンジー音楽院で教鞭を執っている[5][6]。
来歴
[編集]東京都出身。中学1年生より日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者であった新松敬久の下、オーボエを始める。他に、元NHK交響楽団首席の小島葉子、佐藤順子、元ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団首席のジョセフ・ロビンソン、元シカゴ交響楽団首席のレイ・スティル、元ボストン交響楽団準首席のアルフレッド・ジェノヴェーゼ、そしてタングルウッド音楽センターのフェロー時には、元ボストン交響楽団首席のラルフ・ゴンバーグに師事した。1979年、タングルウッド・ヤングアーティストのオーディションに合格する。
1981年マンハッタン音楽院に入学、1987年の音楽院卒業後は、教員アシスタントとして後進の指導を始める[7]。
キャリア
[編集]1985年、小沢征爾率いる新日本フィルハーモニー交響楽団でオーボエ奏者として演奏、1988年マイケル・ティルソン・トーマス率いるニューワールド交響楽団に設立初年に初代首席奏者として入団、同年、東京と河口湖で若尾圭介オーボエキャンプ開講。1989年には秋山和慶の指揮のもと東京交響楽団とオーボエ協奏曲を共演[8]。1997年、東京でリサイタルデビュー、1998年には札幌のパシフィックミュージックフェスティバルでリサイタルを開催、ピアニストのクリストフ・エッシェンバッハと共演する[9][10]。また、代官山ヒルサイド・テラス音楽祭の音楽監督を務め、マサチューセッツ州チェスナットヒルのリディーマー教会コンサートシリーズを立ち上げている[11]。さらに、日本を始め、海外の音楽家をボストンに招聘する日本アメリカ交流コンサートを主催。豊嶋泰嗣、水谷上総、エマニュエル・アックス、クリストフ・エッシェンバッハ、山本正治、モーリス・ブールグらが出演している[12][13]。
2020年、若尾はTED(会議)トーク「Playing for Life」を行なった[14]。
主なディスコグラフィー
[編集]- 若尾圭介 、クリストフ・エッシェンバッハ「Abendlied」(1997)、デノン[15]
- Keisuke Wakao Plays Music of John Williams」(1999)、デノン[16]
- 「ボストン・ポップス・オーケストラ、若尾圭介、ジョン・ウィリアムズによるオーボエ協奏曲」(2013)、 デノン[17]
- 若尾圭介 パリ· フランス· オーボエ作品集」(2014)、 ワーナークラシックス[18]
- モーリス・ブールグ 若尾圭介「オーボエの世界」(2016)、ワーナークラシックス[19]
私生活
[編集]妻はピアニストの若尾美絵[20]、娘の圭良(2006年ボストン生まれ)は2021年にユーディ・メニューイン国際コンクールジュニア部門で優勝[21][22]、プロのソリストとして活躍している[23]。
脚注
[編集]- ^ “Keisuke Wakao” (英語). BSO. 2024年7月23日閲覧。
- ^ “Keisuke Wakao – Loree – Paris” (英語). 2024年7月23日閲覧。
- ^ “東京・春・音楽祭-東京のオペラの森-|春祭ジャーナル”. www.tokyo-harusai.com. 2024年7月31日閲覧。
- ^ “An Evening of Elegance and Expression: Hilary Hahn Shines with the BSO | Arts | The Harvard Crimson”. www.thecrimson.com. 2024年7月29日閲覧。
- ^ “Keisuke Wakao” (英語). NECMusic. 2024年7月23日閲覧。
- ^ “Keisuke Wakao” (英語). Longy. 2024年7月23日閲覧。
- ^ “若尾圭介 プロフィール | Warner Music Japan”. ワーナーミュージック・ジャパン | Warner Music Japan. 2024年7月23日閲覧。
- ^ “Keisuke Wakao (若尾圭介) - オーボエ奏者 | 演奏家データベース Musician Clippy”. dukesoftware.appspot.com. 2024年7月23日閲覧。
- ^ “若尾圭介 プロフィール | Warner Music Japan”. ワーナーミュージック・ジャパン | Warner Music Japan. 2024年7月23日閲覧。
- ^ “Keisuke Wakao (Oboe) - Short Biography”. www.bach-cantatas.com. 2024年7月29日閲覧。
- ^ Koven, Vance R. (2012年3月5日). “Long Collaboration Showed with Eschenbach, Wakao” (英語). The Boston Musical Intelligencer. 2024年7月29日閲覧。
- ^ “若尾圭介(オーボエ)”. ぶらあぼONLINE | クラシック音楽情報ポータル. 2024年7月29日閲覧。
- ^ “Keisuke Wakao – Loree – Paris” (英語). 2024年7月29日閲覧。
- ^ TEDx Talks (2020-03-18), Playing for Life | Keisuke Wakao | TEDxBeaconStreet 2024年7月29日閲覧。
- ^ “シューマンおたく学会DB 【R・シューマンのCD / 指揮・ピアノ / クリストフ・エッシェンバッハ】”. robert-schumann.com. 2024年7月29日閲覧。
- ^ “Keisuke Wakao”. www.jw-collection.de. 2024年7月29日閲覧。
- ^ “Boston Classical Review » Blog Archive » John Williams’ 81st birthday marked with release of his Oboe Concerto”. bostonclassicalreview.com. 2024年7月29日閲覧。
- ^ “若尾圭介「若尾圭介 ~フランス・オーボエ作品集~」 | Warner Music Japan”. ワーナーミュージック・ジャパン | Warner Music Japan. 2024年7月29日閲覧。
- ^ “若尾圭介「モーリス・ブルグ&若尾圭介 with フレンズ オーボエの世界~オーボエ室内楽曲集~」 | Warner Music Japan”. ワーナーミュージック・ジャパン | Warner Music Japan. 2024年7月29日閲覧。
- ^ “最年少ゲスト! 若手バイオリニスト若尾圭良さん | TBSラジオ”. TBSラジオ ときめくときを。 (2022年12月25日). 2024年7月31日閲覧。
- ^ “15歳・若尾圭良さん、メニューイン国際コンクールV…若手バイオリニストの登竜門”. 読売新聞オンライン (2021年5月24日). 2024年7月31日閲覧。
- ^ 2021-05-23T11:00:00+01:00. “Menuhin Competition Richmond 2021 announces this year’s Prizewinners” (英語). The Strad. 2024年7月31日閲覧。
- ^ “第32回青山音楽賞 受賞者が決定”. ぶらあぼONLINE | クラシック音楽情報ポータル (2023年1月30日). 2024年7月31日閲覧。