花園遊廓
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花園遊廓(はなぞのゆうかく)は長崎県佐世保市花園町にかつて存在した遊廓。
概要
[編集]長崎県佐世保市花園町の花園遊廓は、長崎線早岐駅で佐世保線に乗り換え、佐世保駅で下車すれば、駅から東北へ約10町位の所にあった[1]。此の所は軍港地として鎮守府が設置されると同時に廓の入用を感じ、1910年(明治43年)2月に遊廓地の免許となった[1]。貸座敷は総計47軒あって、娼妓は340人位いたが、全部居稼ぎ制であった[1]。店は陰店制で、自由に娼妓と接見して交渉できるようになっていた[1]。
時間制もあるが、午後6時から翌朝8時迄と8時から午後6時迄の仕切遊び制もあった[1]。1仕切3円80銭、遊興税30銭であって、1時間遊びが1円であった[1]。廻し部屋と本部屋の区別なく、各娼妓は部屋を持っていて一夜家庭的の情味があった[1]。
遊楼は丸新楼、新松楼、山月楼、幸昇楼、一軒屋、三盛楼、大阪楼、丸加楼、若月楼、國明支店、國明本店、新高砂、三國楼、蜂龍、新開楼、吾妻楼、鶴鳴楼、一福楼、大明楼、國華楼、一楽第二芳華楼、櫻屋、鶴の屋、第三吉津楼、昇進楼、第一鶴鳴楼、丸一楼、此花楼、尾ノ道楼、音羽屋、春雨楼、芙蓉楼、高砂楼、山海楼、大黒楼、吉津楼、開明楼、松月楼、梅屋松島楼、花園楼、高砂楼支店、萬屋、第一吉津楼等があった[1]。
ちなみに花園町の町名由来については『佐世保志 上巻』に「本町は遊郭地だったため、単に派手な名称を付けたに過ぎない」とある[2]。