花びらめくり
花びらめくり | ||
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著者 | 花房観音 | |
イラスト | 池永康晟 | |
発行日 | 2016年10月1日 | |
発行元 | 新潮社 | |
ジャンル | 小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 文庫判 | |
ページ数 | 247 | |
公式サイト | 花房観音 『花びらめくり』 新潮社 | |
コード | ISBN 978-4-10-120581-6 | |
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『花びらめくり』(はなびらめくり)は、日本の作家である花房観音による小説。
2016年10月1日に新潮社〈新潮文庫〉より刊行された。カバー装画は、池永康晟が担当している[1]。著者の花房は「東雅夫の文豪怪談アンソロジーで川端康成の短編『片腕』を読んだときに、何とエロティックな話なんだろうと思い、近代文学を代表する文豪たちの名作を、現代が舞台の官能小説にアレンジした」と語っている[2][3]。『片腕』の他に、芥川龍之介『藪の中』、谷崎潤一郎『卍』、夏目漱石『それから』、三島由紀夫『仮面の告白』をモチーフにしている[3]。フリーライターのさゆは、短編『それからのこと』について、「女性独特のドロドロとした性が描かれており、心を揺さぶられる」と述べている[4]。
あらすじ
[編集]藪の中の情事
[編集]サラリーマンの多丸は、上司である金沢の家に呼ばれるようになる。金沢の妻の真砂子が作った料理を多丸が美味しく食べると、真砂子は嬉しそうだった。しばらくして多丸は、真砂子に欲情を覚えるようになる。
片腕の恋人
[編集]〈私〉は、妻のいる〈あなた〉と付き合っている。ある日、〈あなた〉から「僕の片腕をあげよう」といわれた〈私〉は、「左腕がほしい」と答える。片腕をもらった〈私〉は、〈あなた〉と一緒に夜を過ごせることに狂喜する。
卍の女
[編集]園江は、京都の北山にある絵画教室で、蜜子というイラストレーターに出会う。ある日、園江は蜜子に、「絵のモデルになってほしい」と声をかけられ、大原にあるアトリエに行く。
それからのこと
[編集]三千子は、アーティストである大輔にも、会社員である平丘にも惹かれていた。あるとき、大輔は仲人気取りで三千子を平丘に押しつける。その流れで、三千子は平丘と結婚する。しかし、大輔は度々、三千子のところに訪ねてくるようになる。
仮面の記憶
[編集]小説家である〈私〉は、都心の高層マンションの一室で、腹に短刀を突き立てて、自らの命を絶つことを決意する。しかし、いざそれを実行する段になったとき、思いがけないことが起きる。
登場人物
[編集]- 藪の中の情事
-
- 多丸
- サラリーマン。
- 金沢
- 多丸の上司。
- 真砂子
- 金沢の妻。
- 片腕の恋人
-
- 〈私〉
- 女性。
- 〈あなた〉
- 妻のいる男性。
- それからのこと
-
- 大輔(だいすけ)
- アーティスト。男性。
- 平丘
- 会社員。男性。
- 三千子(みちこ)
- 女性。
- 仮面の記憶
-
- 〈私〉
- 小説家。
- 柏木君雄(かしわぎ きみお)
- 〈私〉の同級生。
収録作品
[編集]タイトル | 初出 |
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藪の中の情事 | 『オール讀物』2014年4月号 |
片腕の恋人 | 『小説新潮』2014年3月号 |
卍の女 | 『小説新潮』2015年11月号 |
それからのこと | 『きみのために棘を生やすの』 2014年6月 |
仮面の記憶 | 書き下ろし |