芦原妃名子
芦原 妃名子 | |
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本名 | 松本 律子(まつもと りつこ)[1] |
生誕 |
1974年1月25日[2][3] 日本・兵庫県[2] |
死没 |
2024年1月29日(50歳没) 日本・栃木県日光市[4] |
国籍 | 日本[2] |
職業 | 漫画家 |
活動期間 | 1994年[3] - 2024年 |
ジャンル | 少女漫画 |
代表作 | 『砂時計』 |
受賞 |
芦原 妃名子(あしはら ひなこ、1974年〈昭和49年〉1月25日[2][3] - 2024年〈令和6年〉1月29日[4][1])は、日本の漫画家。兵庫県出身[2]。血液型O型[3]。本名は松本 律子(まつもと りつこ)[1]。
略歴
[編集]漫画家デビュー
[編集]『別冊少女コミック』(小学館)1994年10月号に掲載された「その話おことわりします」でデビューした[2][3]。
2005年、「砂時計」で第50回(平成16年度)小学館漫画賞少女向け部門を受賞[5]、単行本発行部数が累計700万部を超えた。2007年には、同作品がTBS系「愛の劇場」枠でテレビドラマ化され、2008年4月26日には、キャストを一新させて東宝系で映画が公開された。
2012年10月、日本テレビにて中山優馬主演で「Piece」がテレビドラマ化された。
2013年、「Piece」で2度目となる小学館漫画賞を受賞する[2]。同作の連載終了後、『Cocohana』(集英社)2013年11月号より「Bread & Butter」の連載を開始[6]。
セクシー田中さん問題
[編集]2023年10月、日本テレビにて木南晴夏主演で『セクシー田中さん』がテレビドラマ化[7]。この際、9話・10話の脚本を自ら担当した[注 1]。脚本家からは脚本から外れることになったことについては原作者たっての要望があったと聞いて困惑し「二度と繰り返されませんように」と12月の最終放送前に自身のSNSで表明された[8]。
これに関し、2024年1月26日には原作者からはそのブログとXで[注 2]ドラマ『セクシー田中さん』について原作から大きく改変されるなど制作陣と意見対立があり9話・10話の脚本を自ら担当した経緯が、小学館と文章内容を確認した上で説明された[9]。ところが、これを読んだ第三者からはそれぞれの推測に基づいて責任者を見立て、SNS上で脚本家やプロデューサーらに批判が集中することになった[8][9]。
同年1月28日、芦原は自身の一連の投稿を削除し、「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」という謝罪のコメントだけを残し、同日そのまま行方不明となった[9][10][11]。同日午後4時頃、関係者から行方不明届が出され、栃木県に行っているらしいとの情報で警視庁が栃木県警と協力して行方を捜した[12][1]。
死去
[編集]29日に栃木県日光市の川治ダムで遺体が発見された[12]。50歳没。自宅で遺書のようなものも発見されており、現場の状況などから、自殺とみられている[1][4][10]。
小学館は、2月6日に社員向けの説明会を開催し、その中で「芦原の急死に関する経緯などを社外発信する予定はない」としていたが[13]、6月3日、小学館は特別調査の報告書を公表した[14][15]。また、日本テレビは2月外部の弁護士2人を加えた社内特別調査チームを設け[16]、5月31日その結果を公表した[17][18][19]。
作品リスト
[編集]特記する作品以外全て小学館から刊行されている。
- Girls Lesson(全3巻)
- Homemade Home
- 家に帰ろう
- 星降る部屋で
- 夏にごようじん
- 犬になった私。
- 天使のキス(別冊少女コミック、全4巻)
- プリンセス・ライン
- Derby Queen(1999年 - 2000年、別冊少女コミック、全3巻)
- Miss(別冊少女コミック、全2巻)
- 天然ビターチョコレート(全3巻)
- ユビキリ(2002年、Betsucomi)
- SOS
- 砂時計(2003年 - 2006年、Betsucomi、全10巻)
- 蝶々雲(2002年、Betsucomi)
- 月と湖(2007年、Betsucomi)
- Piece(全10巻)
- Bread & Butter(集英社、2013年 - 2020年、マーガレットコミックス、全10巻)
- セクシー田中さん(2017年 - 2023年[注 3]、『姉系プチコミック』連載[21]、全8巻、未完)
その他の出版物
[編集]- 砂時計イラスト集
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e “漫画家・芦原妃名子さんが死亡 「セクシー田中さん」など連載|日テレNEWS NNN”. 日テレNEWS NNN (2024年1月29日). 2024年1月29日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “プレスリリース 小学館からのお知らせ 速報 第58回小学館漫画賞が決定いたしました!!”. 小学館広報室. 小学館 (2013年1月23日). 2016年2月28日閲覧。
- ^ a b c d e “ベツコミ まんが家Webトーク 芦原妃名子Vol.35”. 小学館 (2014年9月13日). 2020年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月29日閲覧。
- ^ a b c “女性死亡、漫画家芦原妃名子さんか 「砂時計」作者、栃木のダムで発見―警視庁”. 時事通信 (2024年1月29日). 2024年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月29日閲覧。
- ^ a b “小学館漫画賞 現在までの受賞者ならびに受賞作品”. 小学館. 2016年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月29日閲覧。
- ^ “芦原妃名子、集英社初登場!アラサー女がパン屋に出会う”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2013年9月28日). 2013年11月16日閲覧。
- ^ “セクシー田中さん”. 日本テレビ. 2024年1月30日閲覧。
- ^ a b 「春秋」『日本経済新聞』2024年6月7日、朝刊。
- ^ a b c “漫画「セクシー田中さん」作者、実写ドラマ版制作陣とのトラブル明かした一連のポスト削除し謝罪”. 日刊スポーツ. (2024年1月28日) 2024年1月30日閲覧。
- ^ a b “漫画家・芦原妃名子さん死去 作品ドラマ化、脚本巡りトラブルか”. 毎日新聞. (2024年1月29日) 2024年1月30日閲覧。
- ^ “芦原妃名子さん訃報に「のだめ」作者が悲痛叫び「辛い…辛すぎる」投稿に理解示していた”. 日刊スポーツ. (2021年6月20日) 2024年1月30日閲覧。
- ^ a b “脚本トラブル「セクシー田中さん」原作者・芦原妃名子さん《突然の死》訃報の直後に日テレ報道フロアでは「えーっ!」と悲鳴が…芦原さんが「やっぱり怖い」と漏らした数年前の“ある被害””. 文春オンライン. 株式会社文藝春秋. 2024年6月7日閲覧。
- ^ 「小学館 芦原妃名子さん急死の経緯、社外発信の予定なし 説明会受け、社員からは反発の声も」『Sponichi Annex』2024年2月7日。2024年2月7日閲覧。
- ^ “ドラマ「セクシー田中さん」 小学館が特別調査の報告書公表website=NHK”. 日本放送協会 (2024年6月3日). 2024年6月7日閲覧。
- ^ “特別調査委員会による調査報告書公表および映像化指針策定のお知らせ”. 2024年6月3日閲覧。
- ^ “『セクシー田中さん』 原作者急死,日本テレビによる調査始まる”. NHK放送文化研究所. 2024年6月8日閲覧。
- ^ “ドラマ「セクシー田中さん」社内特別調査チームの調査結果について”. 2024年5月31日閲覧。
- ^ “「セクシー田中さん」問題、日テレ調査報告公表「やりとりで不一致」”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2024年6月8日閲覧。
- ^ “ドラマ「セクシー田中さん」調査報告書を公表 日本テレビ”. 日テレNEWS. 日本テレビ. 2024年6月8日閲覧。
- ^ “芦原妃名子さん死去 連載中「セクシー田中さん」未完のまま終了 小学館「12/5発売号が最後の作品」”. スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社). (2024年1月30日) 2024年2月2日閲覧。
- ^ “地味な40歳OLの秘密とは?芦原妃名子が女性の夢と恋描く「セクシー田中さん」”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2018年4月10日). 2018年4月27日閲覧。
外部リンク
[編集]- 芦原妃名子 (@ashihara_hina) - X(旧Twitter)
- 芦原妃名子 ブログ - ウェイバックマシン(2024年1月27日アーカイブ分)