航空支援隊
航空支援隊 Air Support Operations Squadron | |
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創設 | 1985年(昭和60年) |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 航空自衛隊 |
部隊編制単位 | 隊 |
兵科 | 空地作戦 |
人員 | 9名[注釈 1] |
所在地 | 福岡県築上町 |
編成地 | 青森県三沢市 |
上級単位 | 航空戦術教導団 |
航空支援隊(こうくうしえんたい、英称:Air Support Operations Squadron:ASOS[1])は、福岡県築上町の築城基地に所在する航空戦術教導団直轄部隊の一つ。航空自衛隊唯一の空地作戦部隊であり、陸上自衛隊などの地上部隊との協同作戦における統制や、協同作戦に関する教育等を任務としている[2]。部隊のモットーは「俺たちがやらねば誰がやる」[3]。
概要
[編集]本部隊の隊員には、攻撃目標に近づいて味方戦闘機に飛行経路や爆弾投下のタイミングを指示する「爆撃誘導員」「終末誘導員」としての任務が期待されている。陸上自衛隊など地上部隊との協同作戦(空地作戦)では、火力や空域などの統制といった調整を行う[3][4][5][6][7]。部隊内には統合末端攻撃統制官(JTAC)の隊員も所属する[2][8]。
協同作戦の調査研究も主任務で、練成訓練では日米共同演習に毎年参加している。また、航空自衛隊のみならず陸上自衛隊・海上自衛隊の3自衛隊の隊員に対して「航空支援活動(FAC=前線航空管制)」などの技術を教育しており、上級組織の航空戦術教導団が具体化した内容をもとに育成や訓練が行われる[4][5]。
編成規模は「隊」だが、航空戦術教導団への隷属替え時点で隊員数は僅か9名であり、編成規模に対してかなりの少数である[3]。しかし警備射撃訓練[9]、水泳訓練[10]、車両操縦訓練[11]及び長距離車両操縦訓練[12]など様々な訓練を実施しており、特に同じ航空戦術教導団隷下の基地警備教導隊とは共同訓練を重ね[13]、同じ航空自衛隊の航空救難団及び救難教育隊の支援のもとでラぺリング降下の訓練を行ったこともある[14][注釈 2]。
陸上自衛隊に対しては特殊作戦群との間で技術交流に関する協定を結んでいるほか[15]、陸上自衛隊富士学校などへの教育支援を行っている[16]。
実施されている教育
[編集]- 協同戦術課程:操縦士や空地作戦に関わる幹部自衛官に対して行われる教育課程で、空地作戦、陸海空での各作戦、航空支援組織の概論、図上研究、装備の運用、体育、実習など多岐に渡る教育を行う。教育期間は約10~11週間近くに渡り、全国各地の基地や施設を回りながら行われる[5][17]。
- 終末誘導員講習:終末誘導に従事する者と従事予定者に対して行われる準課程講習で、空自が実施する近接航空支援等に係る終末誘導員として必要な知識と技能を修得させる。教育期間は約6週間[17]。
沿革
[編集]- 1967年(昭和42年)9月- 第4航空団飛行群(松島基地)に前身となる「空地作戦講習教育班」が発足[5]。
- 1985年(昭和60年)- 第3航空団飛行群(三沢基地)に「航空支援隊」として創設[5]。
- 2014年(平成26年)8月1日 - 航空戦術教導団隷下に隷属換え[4]。
- 2021年(令和3年)- 三沢基地から築城基地へ移転[18]。
主要幹部
[編集]隊長は2等空佐。
官職名 | 階級 | 氏名 | 補職発令日 | 前職 |
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航空支援隊長 | 2等空佐 |
装備
[編集]以下は主に2024年11月24日の築城基地航空祭[19]での展示にて確認されたもの[6][7][20]。
- 高機動車[注釈 3]
- 64式7.62mm小銃[注釈 4]
- ブーニーハット[注釈 4]
- ハイカットヘルメット
- プレートキャリア
- DAGR
- MarkVII(測距機器)
- PRC-6809(無線機)
- GLTD-III(誘導レーザー照射機器)
- HF無線機
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ @nana416C (2024年11月24日). "ラスト。". X(旧Twitter)より2024年11月25日閲覧。
- ^ a b @jasdf_tsuiki (2024年11月18日). "✈答え合わせ(#9)✈". X(旧Twitter)より2024年11月19日閲覧。
- ^ a b c みさわ新聞 2014年 10月号 at the Wayback Machine (archived 2017年3月23日) (PDF, 航空自衛隊 三沢基地)
- ^ a b c INC, SANKEI DIGITAL. “空自に今夏「航空戦術団」 敵基地攻撃能力を研究 北ミサイル念頭に”. 産経ニュース. 2020年12月5日閲覧。
- ^ a b c d e 長谷川 1999.
- ^ a b c @kh840124 (2024年11月24日). "航空支援隊". X(旧Twitter)より2024年11月24日閲覧。
- ^ a b c @himasaiun_bot (2024年11月24日). "陸自さんについて行って航空支援の終末誘導をする専門部隊、航空支援隊さんです". X(旧Twitter)より2024年11月24日閲覧。
- ^ @jasdf_tsuiki (2024年11月15日). "✈わかるかな?(#9)✈". X(旧Twitter)より2024年11月19日閲覧。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「警備火器射撃訓練の実施に関する航空支援隊一般命令(平成30年度)」で検索。同命令は航空自衛隊航空総隊 航空戦術教導団 航空支援隊長作成、起算日:2019年4月1日。保存期間満了日:2020年3月31日。満了後廃棄予定。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「水泳訓練の実施に関する航空支援隊一般命令」で検索。同命令は航空自衛隊航空総隊 航空戦術教導団 航空支援隊長作成、起算日:2024年4月1日。保存期間満了日:2025年3月31日。満了後廃棄予定。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「車両操縦訓練の実施に関する航空支援隊一般命令」で検索。同命令は航空自衛隊航空総隊 航空戦術教導団 航空支援隊長作成、起算日:2023年4月1日。保存期間満了日:2024年3月31日。満了後廃棄予定。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「長距離車両操縦訓練の実施に関する航空支援隊一般命令」で検索。同命令は航空自衛隊航空総隊 航空戦術教導団 航空支援隊長作成、起算日:2018年4月1日。保存期間満了日:2019年3月31日。満了後廃棄予定。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「現地訓練の実施に関する基地警備教導隊一般命令」で検索。2021年度から2023年度に渡り3度同名の命令が出されているが、いずれも航空自衛隊航空総隊 航空戦術教導団 航空支援隊長作成、保存期間満了後廃棄予定。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「航空支援隊のラぺリング訓練の支援に関する航空救難団一般命令及び救難教育隊一般命令」で検索。同命令は航空自衛隊航空総隊 航空戦術教導団 航空支援隊長作成、起算日:2023年4月1日。保存期間満了日:2024年3月31日。満了後廃棄予定。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「特殊作戦群と航空支援隊との技術交流に関する協定」で検索。同協定は航空自衛隊航空総隊 航空戦術教導団 航空支援隊長作成、保存期間満了日:未定。満了後廃棄予定。
- ^ 「e-Gov文書管理(デジタル庁)」でキーワード「陸上自衛隊富士学校に対する教育支援に関する航空支援隊一般命令」で検索。陸上自衛隊富士学校に対する教育支援に関する航空支援隊一般命令は航空自衛隊航空総隊 航空戦術教導団 航空支援隊長作成、起算日:2024年4月1日。保存期間満了日:2025年3月31日。満了後廃棄予定。
- ^ a b 航空自衛隊の教育訓練に関する訓令 防衛省 訓令・達・通達等 情報公開サービス (PDF)
- ^ “基地紹介|航空自衛隊について|防衛省”. 防衛省. 2024年11月24日閲覧。
- ^ @himasaiun_bot (2024年10月31日). "皆様、大変お待たせしました!!「 #築城基地 航空祭2024」のプログラムが完成しました。". X(旧Twitter)より2024年12月1日閲覧。
- ^ @himasaiun_bot (2024年11月24日). "終末誘導用のレーザーと車両". X(旧Twitter)より2024年11月24日閲覧。
- ^ CPS-V23220 航空自衛隊 補給本部 調達情報 (PDF)
参考文献
[編集]- 長谷部憲司「自衛隊ルポ 多次元交戦へどうぞ 航空自衛隊第3航空団航空支援隊」『セキュリタリアン』第489号、防衛弘済会、30頁、1999年9月。 NAID 40004951357。