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舟山島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
舟山島
舟山島の位置(中華人民共和国内)
舟山島
舟山島 (中華人民共和国)
所在地 中華人民共和国の旗 中国 浙江省
所属諸島 舟山群島
座標 北緯30度 東経122度 / 北緯30度 東経122度 / 30; 122座標: 北緯30度 東経122度 / 北緯30度 東経122度 / 30; 122
面積 476.1653 km²
最高標高 100 - 400 m
最高峰 黄楊尖(503.6m)
最大都市 舟山市
プロジェクト 地形
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舟山島(しゅうざんとう、中国語: 舟山岛拼音: Zhōushāndǎo)は、中国杭州湾の東南方、浙江省東北部の海域に位置する島。第一次海南島調査時の面積は、476.1653平方キロメートルで、舟山群島の主たる島、浙江省では最大、中国沿海の島としても3番目に大きな島であり、南に寧波市を望む。寧波のみならず、上海市などとも船便で結ばれている[1][2]。東港周辺に広がる遠浅の海の開発で干拓工事が進んだため、梁横山中国語版など近傍の小さな島々が連結され、舟山島の一部となっており、現在の舟山島の面積は500平方キロメートルほどに拡大しているものと思われる。

西側の長白島中国語版のフェリー乗り場から、長白海峡ごしに眺めた舟山島、2010年。
臨城新区、2014年。

この島は、周囲のごくわずかな沖積平野を別にすれば、ほとんどが標高100メートルから400メートルほどの山地丘陵である。標高が最も高いのは、黄楊尖の503.6メートルである。

舟山島の気候は、「周淑貞気候分類法中国語版」によれば「副熱帯季風気候中国語版」、ケッペンの気候区分によれば温暖湿潤気候であり、東シナ海からの海洋気流の影響を受けるため、冬季の気温は、上海市杭州市など、大陸側の都市よりも高くなる。

島内には、およそ5000年前に遡るとされる稲作文化遺跡があり、日本への稲作伝来の経路のひとつとする説もある[3]。また、遣隋使遣唐使の経由地でもあり[2][3]、南側の沖合にある小島、普陀山には、入唐僧慧萼が開基した霊場がある[1]

アヘン戦争中にイギリス軍が戦略の拠点として駐屯した[4]イギリス清国が戦後の賠償金(総額2700万ドル)を完済する1846年まで、舟山を占領し続けた[4]

1949年国共内戦に敗北した蔣介石ら国民党の一団は、舟山島から海路で台湾に逃れた[2]

その後、舟山島周辺は、中国人民解放軍海軍の基地などが設けられており[2]、周辺海域で大規模な演習が行なわれることもある[5]

舟山市の行政区分図。舟山島は普陀区(桃色)と定海区(青色)に塗り分けられている。

舟山島は行政上、東部が舟山市普陀区、西部は舟山市定海区に属しており、島の中部に位置する臨城新区(临城新区)と称される地区は、舟山市の行政中心地となっている。

2004年、舟山市は、海峡を跨ぎ、舟山本島と大陸を結ぶ橋を建設する「舟山大陸連島工程(舟山大陆连岛工程)」に着工し、2008年に竣工、2009年12月25日に「G329国道(杭瀋線)」/「甬舟高速道路中国語版」が開通した。

脚注

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  1. ^ a b 近藤妙子 (1986年7月23日). “邦人開祖の寺でにぎわう島 中国浙江省・舟山群島をみる”. 朝日新聞・夕刊: p. 3. "寧波から船で3、4時間。上海からの航路もある。...普陀山はこの島の南端沖合にあり、1周32キロの小さな島だ。日本僧、慧鍔がここに庵(いおり)を建てたことが始まりで、中国3大霊場の1つに発展していったと伝えられる。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  2. ^ a b c d “[フロント・ライン]開放進む舟山群島 漁業も密貿易も…水揚げは中国全土の1割”. 毎日新聞・東京朝刊: p. 6. (1983年12月22日). "舟山群島は、遣唐使の時代から日本との縁が深い。蔣介石の国民党軍が台湾へ逃げた浜辺もあり、現在は台湾漁船の往来や、密貿易も活発化。湾内には潜水艦も浮上し、中国海軍の最前線基地でもある。"  - 毎索にて閲覧
  3. ^ a b “稲作伝来ルーツ求め旅 遺跡や類似伝説で中国・舟山群島に目星”. 朝日新聞・朝刊・東京: p. 3. (1992年12月11日). "稲作文化遺跡があり、約5000年前にはこの島にも稲作が伝わっていたことが分かった。この島は、遣隋使、遣唐使の時代からの通路でもあった。"  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  4. ^ a b 加藤祐三川北稔『世界の歴史 25:アジアと欧米世界』中央公論社、321頁。 
  5. ^ 大江志伸 (1997年7月21日). “中国・東海艦隊が大規模演習 台湾をけん制?”. 読売新聞・東京朝刊: p. 6. "東海艦隊の演習は上海市沖合の舟山島付近の海域で実施され、艦艇八隻と九百人の将兵が参加し、操艦技術やミサイル、ロケット、魚雷発射の練度向上をテーマに、「過去三十年では最大規模の演習」を展開した。"  - ヨミダス歴史館にて閲覧