興山丸
興山丸 | |
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基本情報 | |
船種 | セメント運搬船 |
所有者 |
山機運輸 鉄道建設・運輸施設整備支援機構[1] |
運用者 | 宇部興産海運[2] |
建造所 | 神田造船所 |
航行区域 | 沿海区域 |
IMO番号 | 9510826[3] |
MMSI番号 | 431001729[3] |
経歴 | |
進水 | 2010年4月2日[4] |
竣工 | 2010年8月[1] |
就航 | 2010年9月[1] |
現況 | 現役 |
要目 | |
総トン数 | 14,902トン[2] |
載貨重量 | 20,000トン[2] |
全長 | 160.9m[2] |
垂線間長 | 153.7m[1] |
幅 | 27.8m[2] |
深さ | 12.8m[2] |
喫水 | 8.90m[2] |
主機関 | 3,850kW×520/127.1min-1×1台[4] |
推進器 | 1,500kW×121min-1×1台[4] |
速力 | 13ノット[2] |
興山丸(こうざんまる)は、日本の宇部興産海運が運航するセメント運搬船である。ディーゼルエンジンと電気推進を組み合わせたハイブリッド方式を持つ。
特徴
[編集]従来のディーゼルエンジン駆動に電気ポッド推進器を組み合わせた、タンデム・ハイブリッド方式のスーパーエコシップである。ポッド推進器は繭型の回転楕円体の中にモーターを内蔵し、船内に収めた旋回装置で回転させることができる推進装置で、運航中に負荷が大きく変わる船舶を中心に、1990年代から主にヨーロッパで採用実績が増加した[5]。本船では、エンジンにより駆動する従来型のスクリュープロペラの後方に、タンデム型(直列)にポッド推進のプロペラを配置し、二つのプロペラの回転方向を逆にすることで2重反転プロペラの効果を得る。ポッド推進のプロペラを操舵装置として用いることにより、港内の離着桟が格段に容易になる利点もある。前部プロペラには4翼可変ピッチプロペラ、後部プロペラにはナカシマプロペラの5翼固定ピッチプロペラが装備されている。同様のハイブリッド方式を持つ船舶には、カーフェリーの「はまなす」「あかしあ」の実績がある[4]。
本船には航海支援システムが搭載され、日本沿岸の気象情報と、海洋研究開発機構のJCOPEの研究成果に基づく定量化された海流予測情報をもとに、航路・船速計画を立案する。これにより更なる省エネルギー運航に寄与する[6]。
建造
[編集]鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の一環として、下関菱重エンジニアリング(現 MHI下関エンジニアリング)より設計・建造の技術支援を受け、広島県呉市の神田造船所で建造された。2010年4月2日に進水式・命名式が行われ、鉄道・運輸機構と山機運輸の共有による「興山丸」と命名された。同年8月16日から17日にかけて伊予灘で行われた海上公試運転では在来船に比べ20%以上、公試前の推定値に比べても5%ほどの推進性能の向上が見られた[4]。
本船は日本マリンエンジニアリング学会主催の「マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー2010」[7]、2012年度には日本物流団体連合会主催の第13回物流環境大賞を受賞した[8]。
脚注
[編集]- ^ a b c d “興山丸概要”. 山機運輸. 2020年8月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “興山丸”. 宇部興産海運. 2020年8月19日閲覧。
- ^ a b marinetraffic.com
- ^ a b c d e 加納敏幸, 今澄敏夫「タンデム型(ハイブリッド型)電気推進船」『マリンエンジニアリング : 日本マリンエンジニアリング学会誌』第46巻第1号、日本マリンエンジニアリング学会、2011年1月、38-43頁、doi:10.5988/jime.46.38、ISSN 13461427、NAID 10028238342、2020年8月19日閲覧。
- ^ “ポッド推進システム”. 海上技術安全研究所. 2020年8月19日閲覧。
- ^ 加納敏幸「フリートマネージメントにおける運航支援の研究」『マリンエンジニアリング』第49巻第5号、日本マリンエンジニアリング学会、2014年、654-659頁、doi:10.5988/jime.49.654、ISSN 1346-1427、NAID 130005112491、2020年8月25日閲覧。
- ^ “船舶に関する受賞実績”. 鉄道・運輸機構. 2020年8月19日閲覧。
- ^ 『第 13 回物流環境大賞 受賞者決定』(PDF)(プレスリリース)日本物流団体連合会、2012年5月25日 。2020年8月19日閲覧。