至聖三者
表示
至聖三者(しせいさんしゃ、ギリシア語: Αγία Τριάδα, ロシア語: Пресвятая Троица, 英語: Most Holy Trinity)は、キリスト教における三位一体の神を表す正教会用語であり、日本正教会で用いられる訳語。祈祷文においては単に「聖三者」「三者」と訳されるケースも少なくないが、説教・文章・日常生活においては「至聖三者」が用いられる事が殆どである。正教会においては、正教会における定義を元に作られた神学用語を「代用となる語」に置き換える事は望ましくないことであり、至聖三者を三位一体という語に限定するのは誤りであるとされる[2]。
また、日本正教会では"the Father"・"the Son"・"the Holy Spirit"に、「父・子・聖霊」ではなく「父・子・聖神(せいしん)」の訳語を用いる。
用例
[編集]祈祷文では「三位にして分かれざる」「一体にして分かれざる聖三者」といった言葉は頻繁に現れ、日本ハリストス正教会も「三位」「一体」という言葉そのものの使用を忌避している訳ではない。ただし「三位一体」「三位一体の神」のようにセットで用いられることは、日本ハリストス正教会にあっては日常の文章ではほぼ皆無であり、祈祷文でも極めて稀である。「三位」「一体」は別々に修飾語として正教会祈祷文において用いられるものの、主語や呼びかけとしては用いられない。
祈祷文「至聖三者」
[編集]時課経などの祈祷書で「至聖三者」と略して記述されている箇所において、誦経者は以下の祈祷文を詠む。
至聖三者や我等を憐れめよ、主や我等の罪を潔くせよ、主宰や我等の愆(あやまち)を赦せ、聖なる者や臨みて我等の病を癒し給え、悉く爾の名による。 — 『時課経』1頁・2頁、明治十七年七月]
この祈祷文は、各種奉神礼の冒頭に、「天の王」「聖三祝文」「至聖三者」「天主経」の組み合わせの一部として組み込まれている。
脚注
[編集]- ^ 参照:至聖三者(三位一体)のイコン - 大阪ハリストス正教会内のページ
- ^ 高橋保行『ギリシャ正教』291頁 - 292頁、講談社学術文庫、1980年。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 参照:至聖三者(三位一体)のイコン - 大阪ハリストス正教会内のページ
- ―至聖三者のドグマがもつ死活的な意義 ― - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)(主教アレクサンドル・セメノフ・チャン・シャンスキー著、「正教会のカテヒジス」、パリ、1981年)
- 至聖三者の神 - 名古屋ハリストス正教会内のページ