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自然脱落

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

自然脱落(しぜんだつらく、: Autoamputation)とは、付属器官や臓器が身体から自然に切り離されること(切断)を指す[1]。自らの意思による自己切断(: Self-amputation)とは異なる。通常、器官末端に栄養を送る血管が塞栓されることが原因である。

概要

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血管が塞栓されて血流が滞ると、組織は酸素不足に陥って壊死に至り、しばしば壊疽を起こす。自然脱落は特発性指趾離断症英語版クリオグロブリン血症[2]閉塞性血栓性血管炎の特徴である。1881年、Thorntonが自然脱落の症例を発表した[3]。自然脱落は、凍傷等の慢性創傷が重症化した結果として起こる可能性がある。このような慢性創傷は、バージャー病レイノー現象のような血管性の病態に起因している可能性がある[4]。また、糖尿病がコントロールされていないと、自然脱落を起こしやすくなる[4]。しかし、自然脱落は自然発生的なものであるとされている[5]。自然脱落はしばしば手指や足指に生じるが[6]、身体の他の部位にも生じることがある。卵巣の自然脱落が新生児[7]や成人[3]の卵巣で発生した症例が報告されている。慢性的な捻転や急性付属器捻転の診断の遅れが自然脱落に繋がるとされている[3]

自然脱落の分類

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自然脱落は急性、亜急性、慢性に分類される[3]。急性の自然脱落は組織の壊死を特徴とする。慢性または亜急性の自然脱落は、組織を取り囲む他の細胞との癒着で明らかになる[3]。稀に腫瘍が茎から離脱し、他の部位に癒着している場合がある[8]

関連項目

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出典

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  1. ^ Dorland's Medical Dictionary for Health Consumers”. Saunders, an imprint of Elsevier (2007年). 23 December 2009閲覧。
  2. ^ Cryoglobulinemia: Digital Gangrene, Hands, Rheumatology Image Bank”. 9 March 2012閲覧。
  3. ^ a b c d e Lee, Keun; Song, Min; Jung, In; Lee, Yong; Park, Eun (2016). “Amputation of an ovarian mature cystic teratoma: a case report and a review of the literature”. World Journal of Surgical Oncology 14 (1): 217. doi:10.1186/s12957-016-0981-7. PMC 4989355. PMID 27535361. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4989355/. 
  4. ^ a b Cryer, Sian. (July 2016). “The use of manuka honey to facilitate the autoamputation of fingertip necrosis”. Wounds Journal: 66. 
  5. ^ Kaushik, R; Stree, B. S.; Attri, A.K. (2002). “Spontaneous autoamputation of the foot in a case of diabetes, atherosclerosis and gangrene”. Journal of Indian Medical Association 100 (9): 573–4. PMID 12455391. 
  6. ^ Behera, Biswanath; Gochhait, Debasis; Thappa, DevinderMohan (2017). “Pseudoainhum and autoamputation associated with lamellar ichthyosis” (英語). Indian Journal of Dermatology, Venereology and Leprology 83 (6): 728. doi:10.4103/ijdvl.IJDVL_56_17. ISSN 0378-6323. https://ijdvl.com/pseudoainhum-and-autoamputation-associated-with-lamellar-ichthyosis/. 
  7. ^ Koike, Yuhki; Inoue, Mikihiro; Uchida, Keiichi; Kawamoto, Aya; Yasuda, Hiromi; Okugawa, Yoshinaga; Otake, Kohei; Kusunoki, Masato (2009-07). “Ovarian autoamputation in a neonate: a case report with literature review” (英語). Pediatric Surgery International 25 (7): 655–658. doi:10.1007/s00383-009-2396-9. ISSN 0179-0358. http://link.springer.com/10.1007/s00383-009-2396-9. 
  8. ^ 中村 菫, 村上 望美, 荒金 太, 三好 潤也, 井手上 隆史, 堀 新平, 宮崎 聖子, 福松 之敦「Autoamputationした卵巣腫瘍に対して腹腔鏡下手術を施行した1例」『日赤医学』第71巻第1号、2019年9月1日、214頁。