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自撮りスタジオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

自撮りスタジオ(じどり スタジオ : Selfie studio)とは娯楽施設の一種で、2015年前後から世界各地でよく知られるようになった。日本でセルフ写真館[1]と呼ぶ。自分撮りができる施設の機能は従来の写真スタジオと似ており、カメラとプロップ、照明で構成する[要出典]。違いは、従来と異なり撮影者は職業人ではなく被写体となる人自身である[2]。撮影の手順は自分でコントロールし、Bluetooth経由でリモコン操作でシャッターを切る[3]。顧客は自撮りスタジオが提供する私的な空間[4]で自己表現ができ、予算も比較的安い[5]

沿革と開発

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 この業態は初めニューヨーク市に2009年6月に出店した「TakaPhotoo」(テイカフォトゥー)という商号が第1号とされる[6]。これをフランチャイズ展開した2013年以降、アメリカ以外にも進出して耳目を集めるようになった[7]北京上海バンクーバーなどで営業を開始、ヨーロッパへも波及しつつある[要出典]。香港には2013年末に開店している[8]

機能

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従来型の写真スタジオと同様、撮影ブースにはプロ仕様のカメラ1台、画像確認用の大型モニタ2台、照明器具が揃う[2]。通常は1店舗に3室から4室を組み合わせて、それぞれに個別のテーマを設定する。顧客は背景画、小道具やアクセサリー類を選択する[9]。顧客には少額の使用料を払ってもらい、グループの人数に応じて料金が設定してある[10]

入室するとコスチュームが用意されていて、漫画のキャラから動物まで、ウェディングドレスから伝統衣装まで顧客は好みの衣装を選ぶ。想定する顧客の母集団は10台の女性、家族連れである[2]

他の業者との競争力を発揮し、既存の顧客に対してノベルティを訴えるには、顧客の好みや希望に応じて定期的に撮影ブース内のテーマを変更していく。新しい舞台装置や背景画を提供、人気があるテーマはお祭りや外国の風景で、中には新規サービスの提供によってビジネスチャンスの拡大を図る業者もいる。一例として、貸し切りパーティー用にスタジオを使えたり、料金の割引制度、あるいは自撮りの写真コンテスト開催などがある[10]

波及効果

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顧客は自分の好みのコスチュームを着て満足するまで撮影し、写真の枚数にも制限はない。そのため、撮影した写真を FacebookInstagram へ投稿することが社会現象にまでなった。こういう行為をよく目にするようになると、香港で非常に人気が高まった[要出典]。自撮りスタジオでは収容人数を2-10名に拡張して集合写真が撮れるようにするところも現れた。単独の活動からグループ活動へ転換し、友だちとの交流の機会になった[11]。自撮りスタジオで照明装置やプロ仕様のカメラを使うと、写真の画質はスマートフォンで撮影するよりも質が高くなる[12]

顧客は何種類もの画像を自分で演出でき、各人が創造性をのびのびと発揮できるばかりか、自分の理想型を自撮りで実現することが可能になった[13]

脚注

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  1. ^ 原田曜平. “Z世代が韓国式「セルフ写真館」「プリ機」に殺到するワケ”. 日経クロストレンド. 原田曜平の若者発ヒット講座 第3. 日本経済新聞社. 2023年1月27日閲覧。
  2. ^ a b c Anonymous (2014年2月23日). “朝拜自拍體驗館” (粤語). 【都市面相】玉置浩然. 新報 (香港) (Hong Kong Daily News). 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月27日閲覧。
  3. ^ “British Columbia — Selfies with a twist available at Richmond, B.C. photo studio [ブリティッシュコロンビア州 - ヒネリを利かせた自撮りスタジオ、リッチモンドで利用可能に]” (英語). CBC ニュース. (January 8, 2015 2015-01-07). 2015-01-07. http://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/selfies-with-a-twist-available-at-richmond-b-c-photo-studio-1.2893255 2023年1月27日閲覧. "New business is likely the first of its kind in the Lower Mainland. [新ビジネスはこの業態でカナダ南部初の出店か]" 
  4. ^ “八九十後開業創自拍體驗館 [1980年代から90年代にかけて自撮り体験館をオープン]” (中国語). hk.news.yahoo.com. (2014年6月8日). https://web.archive.org/web/20220331132050/https://hk.news.yahoo.com/%E5%85%AB%E4%B9%9D%E5%8D%81%E5%BE%8C%E9%96%8B%E6%A5%AD%E5%89%B5%E8%87%AA%E6%8B%8D%E9%AB%94%E9%A9%97%E9%A4%A8-220118847.html 2023年1月27日閲覧。 
  5. ^ Armstrong (2015年2月19日). “Take your selfie skills to the next level at Selfies Toronto” (英語). thestar.com. 2020年6月28日閲覧。
  6. ^ 【自拍密室】根據香港文化改造炮製K-Pop主題背景” (中国語). 蘋果日報 Next Digitalhk.apple.nextmedia.com. Internet Limited.. 2018年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月27日閲覧。
  7. ^ Vuong Zen (2015年1月18日). “Selfie Photo Studio opens in downtown Arcadia” (英語). www.pasadenastarnews.com. Daily News. Pasadena Star-News . 2020年6月28日閲覧。
  8. ^ Lee, J. (2015年1月7日). “Richmond selfie studio takes the phenomenon beyond arm’s length” (英語). Vancouver Sun. オリジナルの2015年1月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150116021551/https://vancouversun.com/entertainment/Richmond+selfie+studio+takes+phenomenon+beyond+length/10710240/story.html (Professional camera and lighting make it suitable for family portraits, wedding parties) 
  9. ^ : Teledifusão de Macau, S.A. (2014年10月7日). “財經故事-自拍館 [Video file]” (中国語). http://new.tdm.com.mo. 澳門早晨. 澳門廣播電視股份有限公司. 2017年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月27日閲覧。
  10. ^ a b Sylvia Chang (2014年5月23日). “The selfie’s journey of self-discovery” (英語). (Focus Hong Kong).. China Daily Hong Kong. 2018年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月27日閲覧。
  11. ^ Yip (February 4, 2014). “Lifting selfie assurance” (英語). Young Post. 2020年6月28日閲覧。
  12. ^ “A history of the selfie” (英語). BBC News. (2013年6月7日). https://www.bbc.com/news/magazine-22511650 2020年6月28日閲覧。 
  13. ^ 請選擇 自拍照相館 潮玩裝扮引客” (中国語). Qoos > 新聞 >. 澳門日報 (2014年8月18日). 2017年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月27日閲覧。