自動車の電源電圧
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自動車の電源電圧とは自動車で使用される電源電圧。
概要
[編集]フォルクスワーゲン・ビートルの初期型をはじめ、1920 - 1950年代までは、電装品が少なく、バッテリの用途はヘッドライトやウインカー、始動用ぐらいだったので車載バッテリの電圧は6ボルトだった。1950年代後半から電力を使ったパーツ(補機類)が多くなり、12ボルトへの移行が始まり、現在まで50年ほどの間、乗用車の電圧は12ボルトが定着している。近年ではパワーステアリング等に電力が必要とされ、年々、電気化の割合が増えつつある。2000年代初頭には42ボルトの車種が一部で発売された[1][2]。近年では48ボルトへの高電圧化が模索される。高電圧化する事により、オームの法則により、同じ電力を送電する場合に電流が少なくて済む為、電流値に比例する送電損失を低減可能で、同じ電力量を細いハーネスで送電可能で、同じ出力のオルタネータや電動機を小型化可能なため、金属資源の節約、軽量化、燃費向上に貢献する。
高電圧化をめぐる動き
[編集]2000年代初頭に42ボルト化が模索されたものの、普及には至らなかった。当時は42ボルトに対応した補機類が不十分だったため、12ボルトに降圧して従来の補機類を使用したので12ボルト系と42ボルト系が混在する結果となり、効果が限定的だった。その後、環境規制の強化とパワーエレクトロニクスとリチウムイオン電池の改良により、欧州を中心として車載電源電圧の高圧化の機運が高まり、2011年にフォルクスワーゲン、ポルシェ、アウディ、ダイムラー、BMWによって48ボルトの電源規格であるLV148が策定された[3]。
主な電圧
[編集]- 6ボルト
- フォルクスワーゲン・ビートル等、1950年代末まで使用された[4]。
- 12ボルト
- 1960年代以降、現在まで一般的に使用される
- 24ボルト
- トラック、バスで使用される
- 42ボルト
- 2001年8月に発売されたクラウン マイルド ハイブリッドやマーチe-4WDで採用されたものの、普及には至らなかった。42ボルト車のバッテリ電圧は36ボルトだった[4]。
- 48ボルト
- マイルドハイブリッドへの適用を視野に欧州で進められる。鉛蓄電池を使用する場合のバッテリ電圧は42ボルトとなる[5]。
脚注
[編集]- ^ “車載LANと42ボルト電源系の動向 ――高性能化,高機能化が求められる車載機器の開発”. 2016年11月22日閲覧。
- ^ “車両電源の42ボルト化” (PDF). デンソーテクニカルレビュー 8 (1). (2003) 2016年11月22日閲覧。.
- ^ “48V電源、2016年に実用化へ”. 日経Automotive Technology. (2014年1月号) 2016年11月22日閲覧。.
- ^ a b “自動車の42ボルト化――そのメリットと課題”. 2016年11月22日閲覧。
- ^ 古川, 淳「自動車用バッテリー(鉛電池)の概要と動向」(PDF)『JAMAGAZINE』第50巻、一般社団法人 日本自動車工業会、2016年2月15日、12頁、2016年12月20日閲覧。
参考文献
[編集]- 電気学会・42V電源化調査専門委員会 (2003年10月号). 自動車電源の42V化技術. オーム社. ISBN 4-274-03612-X
- 寺谷 達夫 (2001). “21世紀の車と42V電源” (PDF). 電気学会論文誌D(産業応用部門誌) 121 (4): 433-434. doi:10.1541/ieejias.121.433 2016年11月22日閲覧。.