股関節の骨折
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股関節の骨折 | |
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X線写真。青い矢印の部分に骨折が見られる。 | |
概要 | |
症状 | 臀部の痛み、脚の短縮[1] |
原因 | 転倒、落下事故、交通事故など[2][3] |
危険因子 | 骨粗鬆症、多剤併用、飲酒習慣、がんの骨転移[1][2] |
診断法 | X線撮影、MRI、CT、骨シンチグラフィー[1][3] |
鑑別 | 変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、大腿ヘルニア、大転子滑液包炎など[3] |
予防 | 転倒や落下事故の防止対策、運動、骨粗鬆症の治療[2] |
使用する医薬品 | 鎮痛薬投与、神経ブロック[2] |
治療 | 手術[2] |
分類および外部参照情報 |
股関節の骨折(こかんせつのこっせつ)とは、何らかの原因で大腿骨の上端部分が骨折した状態のことである[1]。症状は腰の痛み、特に脚を曲げたり動かしたりした時に生じる[1]。通常、股関節を骨折した場合は歩くことができない[3]。
原因と診断
[編集]この骨折の最も多く挙げられる原因は転倒によるものである[3]。リスク要因には骨粗鬆症[注釈 1]、多数の医薬品の服用、飲酒習慣、転移性癌が挙げられる[1][2]。診断には通常、X線が使われる[1]。しかし、磁気共鳴画像法やCTスキャンや骨シンチグラフィーなどが診断に必要になることもある[1][3]。
予防と処置
[編集]痛みの緩和にオピオイドや神経ブロック薬が使用されることがある[2]。一般的に患者の健康状態が充分な場合は骨折から2日以内の手術が勧められる[1][2]。手術には人工股関節全置換術またはネジで固定する方法がある[1]。手術後は深部静脈血栓症の予防をすることが勧められる[2]。
疫学と予後
[編集]股関節の骨折は男性より女性に多く診られ、女性のリスクは男性の約3倍とも言われる[2]。股関節の骨折は年齢が上がるにつれ起こりやすい[2]。高齢者の場合、股関節骨折の翌年に死亡する確率は約20%である[2][3]。
注釈
[編集]- ^ 骨粗鬆症のリスクを上げる喫煙習慣もリスク要因である。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j “Hip Fractures”. OrthoInfo - AAOS (April 2009). 29 June 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l Ferri, Fred F. (2017) (英語). Ferri's Clinical Advisor 2018 E-Book: 5 Books in 1. Elsevier Health Sciences. p. 615. ISBN 9780323529570. オリジナルの13 October 2017時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c d e f g Brunner, LC; Eshilian-Oates, L; Kuo, TY (1 February 2003). “Hip fractures in adults.”. American Family Physician 67 (3): 537–42. PMID 12588076.